死亡の消防隊員「頑張り屋」 一番乗りで現場到着 日本触媒製造所爆発
産経新聞 9月29日(土)23時12分配信
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網干消防署の山本永浩消防副士長(写真:産経新聞) |
兵庫県姫路市網干区の化学メーカー、日本触媒の姫路製造所で29日起きた突然の爆発は、一番乗りで現場に到着していた若き消防隊員の命も一瞬にして奪った。
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亡くなった姫路市消防局網干消防署の山本永浩消防副士長(28)は平成19年に関西大を卒業後、21年4月に拝命。同年10月から網干消防署に配属された。関係者によると、山本副士長は厳しい救助訓練にも根をあげない「頑張り屋」で、消防学校でも年下の同期などに気配りをしていた面倒見のいい兄貴分だったという。
この日は午後1時50分ごろ、日本触媒の社員から「アクリル酸が融合した可能性がある。異常反応で煙が出ている」という通報を受け、一番乗りで現場に到着。しかし、周辺を確認をし、態勢を整えていたとみられる午後2時半ごろ、発生した突然の爆発に巻き込まれた。死因は爆発による全身やけどだった。
山下薫・網干消防署長は「将来有望で大事な隊員だった。このような形で命を落としてしまい、ご家族に申し訳ない」。姫路市消防局の中川勝正消防局次長(55)は記者会見で「市民の安全安心を守るために最前線で活動した結果。同じ消防職員として痛恨の極みだ」と声を詰まらせた。
田舎の近所の工場である