円、また戦後最高値更新=75円67銭―介入なく、円高長期化の恐れ・欧米市場

時事通信 10月28日(金)3時0分配信

 【ニューヨーク時事】27日の欧米外国為替市場の円相場は、政府・日銀が円売り介入を手控えていることや米追加量的緩和の観測が高まっていることを背景に円が買われ、一時1ドル=75円67銭と前日に付けた戦後最高値(75円71銭)を再び更新した。最高値更新は3日連続。円高に歯止めがかからず、輸出の採算悪化や生産拠点の海外シフトが進行し、東日本大震災からの回復の途上にある日本経済にさらなる打撃を与える懸念が高まっている。
 午前11時現在は75円80~90銭と、前日午後5時比31銭の円高・ドル安。一時75円66銭を付けたとされたが、詳細な値動きを集計した結果、高値は75円67銭だった。
 日銀は同日開催した金融政策決定会合で、資産買い入れ基金の規模拡大による追加の金融緩和策を発表。しかし、市場の想定範囲内と受け止められ、円相場への影響は限られた。また、追加緩和とともに実施されるとの思惑が高まっていた円売り介入がなかったことから、投機的な円買いに拍車を掛けた