孤独 夜になるとベッドのそばに 眠りの代わりにくるのは孤独 疲れた子どものように寝て待っていると 孤独が歩いて来て静かに灯りを吹き消す じっと座ったまま顔も動かさず ぐったりとしてうなだれている 孤独もまた年老いて 戦いを終え 月桂樹の冠をかぶっている 寂しい闇の中 引き潮の波はゆっくりと 人気の無い浜辺に寄せては崩れ どこからともなく風が吹いて……静まり返る 私は孤独の方へ向き直り その手をとり すがりついていると やがて雨音の ためいきが荒野をおおう