六次の隔たりとＣＯＶＩＤ-19感染率：その2

「6 Degrees of Separation and CV-19 Infection Rate」

六次の隔たりと新型コロナウイルス感染症（ＣＯＶＩＤ-19）感染率 その2

六次の隔たりとＣＯＶＩＤ-19感染率：その1はリンクからどうぞ

2003年に発生した重症急性呼吸器症候群（Severe acute respiratory syndrome; SARS〈サーズ〉）。

症状を感じながらも外出をしてしまった人物によって、どのように世界各国へ感染が広がったのか、84日間をＷＨＯや各国の動きとともに確認してみましょう。

　2003年2月21日、64歳の医師で医学教授の劉氏は、結婚式に出席するために香港に移動し、Metropole Hotel  にチェックインしました。

　ホテルが劉医師に用意した部屋は、9階の911号室でした。偶然にも、部屋番号はニューヨークの911テロ攻撃と一致しています。

劉医師は、香港に出かける前に、中国政府が公表した、広東省で起こっている不可解な呼吸器疾患に苦しんでいる患者の調査と治療を行っていました。

　劉医師が家を出る前に、劉医師は、このいわゆる謎の病気の兆候と症状をすでに感じていました。ホテルのフロントスタッフでさえ、劉医師が非常に悪い状態にあることを明確に理解できました。

劉医師は、ホテルの9階にある部屋に到着し、そこで状態が悪化しました。その時、劉医師は、発熱して、激しく咳をし始めました。

注意;ＩＭＣ：インターナショナル・メディカル・コミュニティーは、劉医師が医療専門家であり、同じ症状の患者の研究と治療に長年携わっていてたことから、この既知の呼吸器疾患に感染していることを認識していたと確信しています。

これは事実であり、中国政府の公式声明で明確に確認されています。

2003年2月11日：

　中国南部広東省政府は、11月16日から2月9日までに305人が非定型肺炎を発症し、5人が死亡したと発表しました。広東省保健局の発表は、後にSARSとして知られるようになる、この病気（SARS）の発生についての中国当局による最初の公式発表です。

2月22日：（日付に注意）

　広東省出身の64歳の医学教授　劉医師が、香港の病院に入院した。劉医師は、Metropole Hotel に滞在中に具合が悪くなり、カナダ、シンガポール、ベトナムでSARSの最初の感染者であると考えられている人々を含む他の多くの宿泊客らに感染させました。

その後、劉医師は、3月4日に香港の病院で亡くなりました。

2月26日：

　Metropole Hotel の宿泊客だった48歳のアメリカ人ビジネスマン、ジョニー・チェン氏(Johnny  Chen）は、ベトナムへ渡航中に病気になり、ハノイ・フレンチ・ホスピタルに入院しました。数十人の病院スタッフに症状が現れ、チェン氏は香港に避難し、3月13日に亡くなりました。

3月5日：

　劉博士と同じMetropole Hotelに宿泊していた、78歳女性Kwan Sui-chu 氏、がカナダのトロントでカナダ初のSARSとして亡くなりました。

彼女の43歳の息子Tse Chi-kwai氏は、3月13日に死亡します。

3月12日：

　世界保健機関（WHO）は、香港、中国南部、ベトナムでの症例発生に続き、重篤な肺炎について「グローバルアラート」を発令します。

　この「グローバルアラート」はめったに発令されません。

3月13日：

　シンガポールの保健省は、非定型肺炎の最初の症例を報告します。（香港のMetropole Hotelに宿泊した3人。）

3月15日：

　WHOは、広東省・香港への渡航自粛勧告を発令します。

ここで、初めて重症急性呼吸器症候群（Severe acute respiratory syndrome; SARS〈サーズ〉）と呼ばれ、渡航者と航空会社にガイダンスを提供します。
ハノイ・フレンチ・ホスピタルでベトナム人看護師が、ベトナム初のSARSとして死亡します。

ベトナムで最初のSARS患者を治療したフランスの麻酔医、ジャン=ポール・デロシエ氏（65歳）は、4日後にこの病気で死亡しました。

3月26日：

　シンガポールは、SARSによる最初の死を報告し、学校を閉鎖し、740人に検疫命令を発行します。

3月27日：

　WHOは、SARSの影響を受けた国が空港で渡航者をスクリーニングすることを推奨します。
香港は学校を閉鎖し、検疫法を施行します。

3月28日：

　WHOによると、SARSの最初の症例と考えられているのは、2002年11月16日、広東省の仏山市までさかのぼります。

3月29日：

　ハノイを拠点とするWHOの伝染病専門医であるカルロ・ウルバニ医師がバンコクの病院でSARSのために亡くなりました。

　 46歳のカルロ・ウルバニ医師はベトナムで最初のSARS患者を治療し、SARSをはじめて新しい感染症と認定し、国際社会へ報告・警告しました。

4月1日：

　スイス政府は、中国、香港、シンガポールの貿易業者の、世界時計・ジュエリーフェア2003への参加を禁止しました。

これは、SARSの影響を受けた地域の人々に対する最初の対策の1つです。　
米国は、米国の外交官とその家族がSARSが原因で中国南部と香港を離れる場合に費用を支払うと報道し、広州、中国、香港への不要不急の旅行延期を検討するように米国市民に助言ました。

4月2日：

　WHOは、SARSの発生により、香港および広東省への不要不急の渡航に対する勧告を発表しました。
これは、感染症の発生55年の歴史の中で初めての警告です。

4月3日：

　WHO感染症専門家の4人のメンバーからなるチームが、SARSの発生源である中国政府から訪問を許可された後、広東省を訪問しました。

4月5日：

　マレーシアが、国内初のSARS死を発表しました。64歳の男性が、中国とシンガポールを訪れた後、3月30日にクアラルンプールの病院で亡くなりました。

4月8日：

　カナダは、SARSによる6人の死者を報告し、世界的な死者数は100人以上にのぼりました。

4月9日：

　南アフリカは、SARSの可能性のある最初のケースとして、アフリカで最初の発表をしました。

62歳のビジネスマンで、香港へから帰国後にプレトリアで入院しました。彼は4月29日に心臓発作で亡くなりましたが、医師は彼の死はSARSとは無関係であると言います。

4月12日：

　バンクーバーのマイケルスミスゲノムサイエンスセンターは、SARSを引き起こしたと考えられているコロナウイルスの遺伝子コードを解読したことを発表しました。

これは、診断とワクチンの開発への第一歩です。

4月14日：

　トロントの老人ホームで介護助手として働いていた46歳のフィリピン人女性がマニラの病院で死亡した。
フィリピンで最初に確認されたSARS死です。

4月16日：

　WHOは、SARSが風邪を引き起こすウイルスと同じ種類のコロナウイルスによって引き起こされることを確認しました。

4月18日：

　前任の江沢民政権では報道規制されていましたが、SARSの発生に関する正確な情報を提供するよう、胡錦濤国家主席は「いかなる情報も差し控えず、その発表を遅らせないように」と通告しました。

4月20日：

　中国は、報道よりもはるかに多くのSARS罹患者が北京で発生していることを認め、保健相と北京市長を解雇しました。

５月のメーデーや祝日は、キャンセルされます。香港では、SARSによる12人の死亡が報告されています。これは、アウトブレイクが始まってから1日の死亡者数が最も多い数字です。

4月23日：

WHOは、カナダのトロント市、中国の首都北京、中国北部の山西省を含む地域へ、不要不急の移動に対する警告を拡大しました。トロント当局はその動きを非難しています。
　香港行政長官であるTung Chee-hwaは、SARS発生の経済的影響を緩和するために15億ドルの政策を発表しました。

4月27日：

　北京では、当局が首都の娯楽施設の閉鎖を命じました。

4月28日：

　ベトナムは、ＳＡＲＳ封じ込めに成功した最初の国。

WHOはSARSの影響国リストから、ベトナムを削除しました。

4月29日：

　東南アジア諸国連合と中国がバンコクで緊急サミットを開催し、渡航者のスクリーニング、情報交換の強化、国際的なSARSホットラインの確立と共同調査に合意しました。

　WHOは、トロントに対する旅行勧告を撤廃し、20日間この地域での感染はなかったと述べています。
　ギリシャ欧州連合国は、SARS危機について議論するために5月6日にブリュッセルでEU厚生省大臣の緊急会議を開催する計画を発表しました。
　香港での調査によると、SARSは幼児では重症度が低く、感染力も低い傾向があります。

4月30日：

　北京市長代理は、66人の死者と1,347人の感染者がいる中国の首都におけるSARSの状況は「深刻な状態（severe）」であり、病院のベッドが不足していると警告しています。

　上海とシンチェンの証券取引所は5月12日まで閉鎖されています。
　香港と中国は、SARSによる死者合計17人、世界の死者数は372人、推定感染者は、5,660人に達していると発表しました。

5月7日：

　医学雑誌 The Lancetは、オンライン上で、これまでで最も詳細な疫学的分析により、SARSに感染した60歳以上の半数が死亡する可能性が高いことを示唆しました。

5月14日：

　北京では、1日あたりの新規症例者数は、5日間60人未満で減少傾向にあると発表したが、WHOは再増加の可能性があると警告しています。

SARS症例または検査によってＳＡＲＳと判明した世界的な死者数は900人と推定され、約8000人の感染が推定されています。

　ただし、確認されたSARS感染症とインフルエンザ症例（肺炎の症状）が同じ冬の時期に確認されたため正確な絶対数は特定できません。

今日の翻訳は、ここまでです。

これで、約5ページ（4ページ翻訳完了）です

次回は、“コロナウイルス類であるSARSと肺炎（インフルエンザ）の比較を紹介します。

翻訳してみての感想

2003年のＳＡＲＳ感染のタイムラインを追ってみましたが、今、日本や世界で起こっていることとリンクしている部分があります。

香港では、ＳＡＲＳの経験を活かして、今回のＣＯＶＩＤ-19では、早くに学校を閉鎖し、緊急事態宣言の政府の要請に対しても国民が知恵を出し合い、とても協力的だとニュースで見た記憶があります。

「外出制限や学校閉鎖は、辛くないですか？」というインタビューに「平気だよ、命が一番大切だから」と応えた一言が印象的でした。

7都道府県への緊急事態宣言から2週間が過ぎました。

ＳＡＲＳの時も、患者の治療にあたった医師や看護師(医療従事者)が命を落としました。

もしも、外出しなかったら・・・救えた命かもしれません。

今は、誰もが感染の可能性がある時期。

だからこそ、感染しない、感染させないために外出を控え、人との接触は避けることが、今、私たちにできる、一番の行動ではないかと、今回も強く思いました。

翻訳をHelpしてくださる方も大・大・大募集です。

Baymaxから送られてきた英文7ページ

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