皆様の地域で、参考程度に陳情書の内容をお使いいただけると幸いです。

陳情書と署名書は、町長と議会議長宛てに2組準備しました。

陳情者としては、私を含む、地域の若い漁業関係者3人が代表として、
氏名、住所、捺印をしました。

その他に、漁民・地域の方々・心ある他地域の方々、全38名の署名と住所を添えて提出しました。

以下、陳情書の内容です。

「私たちは、伊里前湾の恵みを受ける漁業関係者です。

陳情の理由としまして、伊里前川と海岸をコンクリートで固める工事は最低でも3~4年掛かると説明会で聞きました。

土地の3メートル嵩上げを前提に考えると、
海岸に関しては、高波・高潮対策として、震災前の高さ約5メートル程度の防潮堤は必要だと思いますが、
伊里前川の両側に1.2キロにおよび、最大幅44メートル、最大高8.7メートルのスーパー堤防が必要でしょうか?

震災前のように、水門の方が現実的ではないでしょうか?

その方が復旧事業も、スムーズに進むのではないでしょうか?

堤防工事の間、川と海はコンクリート工事により
荒らされ、汚染されることになります。

伊里前川のシロウオや鮭、海の牡蠣・ワカメ・ウニ・アワビ・ひじき・ふのり、などの海産物にどのような影響を与えるのか、心配でなりません。

奥尻島でもスーパー防潮堤を建設したことにより「磯焼け」「海産物の不漁」が発生しました。

この地域のゆるぎない「誇り・魅力・財産」である「自然・景観・海産物」、
それに伴う漁師や商人、町そのものが存続の危機に直面しています。

そもそも町では職住分離で、住居は高台移転先に構えることが決定しています。

人が住まなくなった土地に、リスクを背負ったスーパー堤防が必要でしょうか?

さらに津波が襲来したら堤防沿いに川を遡上し、

今回の津波の到達点を超え、上沢・中在地区の住居に甚大な被害が出ると考えられます。

そして突然、津波が堤防を乗り越え襲ってきたら、逃げる時間の猶予もありません。

この地域の特性としまして、避難場所となる山や高台が浜と隣接しています。

命を守るため、新しい避難道の建設や管理に、もっと力を注いでいただきたいです。

今後、「すばらしい歌津をつくる協議会」「まちづくり協議会」と共に、地域住民へ防潮堤の参考資料を配布し、
地域住民と、勉強会と合意形成に全力を尽くします。

どうか、故郷のゆるぎない「誇り・魅力・財産」を奪わないでください。

震災前に、みんなの住まいがあった伊里前の町。

そこがコンクリートではなく、震災前の様に桜並木で覆われ、
ひと時でも、人々が集う場所になることを切に願います。

この土地を、故郷のゆるぎない「誇り・魅力・財産」を、
まだ見ぬ次の世代に受け渡していけるように、
私たちは全身全霊を尽くします。」

以上のように再考を願い、陳情いたします。


以上です。

皆様の地域のスーパー防潮堤は本当に必要なものでしょうか?

今なら間に合います。

是非とも再考を願います。