親愛なる子供達へ | KhonKaen徒然日記

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少々早めのリタイヤを決断。タイ人女房とのイサーンの日常をお伝え出来ればと思います。


KAZには二人の息子が居ます。


既に成人していて会う機会、話し合う機会も少なくなってしまいました。


この移住が今生の別れになるとは思いませんが今迄以上に会う事が少なくなってしまう事は確かな事。


まだまだ「老い」なんて・・・と思う気持ちとは裏腹に体力が無くなってしまったり記憶力が衰えたりと確実に老いが訪れていると感じる昨今。



次回会える日がいつになるかわかりませんがこんな詩を贈りたいと思います。




手紙  親愛なる子供たちへ



年老いた私が ある日 今までの私と違っていたとしても


どうかそのままの私のことを理解して欲しい


私が服の上に食べ物をこぼしても 靴ひもを結び忘れても


あなたに色んなことを教えたように見守って欲しい


あなたと話す時 同じ話を何度も何度も繰り返しても


その結末をどうかさえぎらずにうなずいて欲しい


あなたにせがまれて繰り返し読んだ絵本のあたたかな結末は


いつも同じで私の心を平和にしてくれた


悲しい事ではないんだ 消え去ってゆくように見える私の心へと


励ましのまなざしを向けて欲しい


楽しいひと時に 私が思わず下着を濡らしてしまったり


お風呂に入るのをいやがるときには思い出して欲しい


あなたを追い回し 何度も着替えさせたり 様々な理由をつけて


いやがるあなたとお風呂に入った 懐かしい日のことを


悲しい事ではないんだ 旅立ちの前の準備をしている私に


祝福の祈りを捧げて欲しい


いずれ歯も弱り 飲み込む事さえ出来なくなるかも知れない


足も衰えて立ち上がる事する出来なくなったなら


あなたが か弱い足で立ち上がろうと私に助けを求めたように


よろめく私に どうかあなたの手を握らせて欲しい


私の姿を見て悲しんだり 自分が無力だと思わないで欲しい


あなたを抱きしめる力がないのを知るのはつらい事だけど


私を理解して支えてくれる心だけを持っていて欲しい


きっとそれだけでそれだけで 私には勇気がわいてくるのです


あなたの人生の始まりに私がしっかりと付き添ったように


私の人生の終わりに少しだけ付き添って欲しい


あなたが生まれてくれたことで私が受けた多くの喜びと


あなたに対する変わらぬ愛を持って笑顔で答えたい


私の子供たちへ


愛する子供たちへ



【原作詩】不詳 【日本語訳詩】角智織 

【補足詩】樋口了一 【作曲】樋口了一