どもです。
kiriです。
オイラの事務所が入ったマンションではときどき不思議なコトが起こる。
4年前のできごと。
2017/6/28の記事
もしよろしかったらご覧になってみてください。
今回の記事は
あの事件より、もう少しだけ、昔に起こったコトです。
(事実にちょこっと、小説モドキが入るけど、アハハハハ。見逃してくれい)
BGMを聴きながらどぞ。
Joni Mitchell River
あの頃…
オイラは苦戦していた。
仕事が減り
家賃が払えなくなり、練馬区の事務所を引き払った。
そして苦肉の策、仲間はありがたい。
仲間の編集プロダクションの事務所に
謝礼くらいのお金で、オイラの事務所を置かせてもらった。
ほぼ、居候。
仕事が減ると、莫大な負の遺産を抱えたオイラは
すぐに行き詰まってしまう。
仕方なく
仕事の合間に、派遣でアルバイトを始めた。
本業の仕事がいつ入ってくるのか
予測ができないので
日雇いでしか仕事が取れない。
急に入ってきても
すぐ対処できるようになるべく夜の仕事。
本業のせっかく来た仕事は、絶対に断れないものなぁ。
そして
本業がないときは、なるべく副業をした。
日雇いの派遣仕事。力仕事が多かったなぁ。
で、オイラはあんまり力がないときてる。
その年、クリスマスのちょっと前のある日のコトだった。
クリスマスのちょっと前…
なぜ、それを憶えてるかというと
当時やってた番組のために
クリスマスの曲を探す仕事をしていた。
そして、あのできごと。
オイラは、はっきりと覚えてる。
夜勤、徹夜で仕事。
その後、事務所のソファーで少し仮眠して…
その日の午後から翌日にかけて
番組のための音楽を準備する。
そんな予定だった。
オイラのさ、
仲間の会社は出版関係の仕事をしていた。
出版の業界は仕事のスタートが遅い。
たいてい、ミンナ、午後に出勤してくる。
なので、午前中は、仮眠するコトにしていた。
もし、誰か出てきちゃったら、急いで起きて
寝てたのがばれないように、何事もなかったような顔をして机に向かう。
アハハハ、寝ぼけた顔してたろうから、バレバレだったろうけどさ。
夜勤の仕事が終わって
外に出たら一面が雪景色。
しかも、すごい勢いで振っている。
東京の12月の雪。
もちろんすぐ溶けてビチャビチャになる。
オイラは、地下鉄の駅まで歩いたんだけど
靴と靴下はビチャビチャに濡れた。
寒いなぁ。
電車は遅れるし、踏んだり蹴ったり…。
やっとの思いで事務所にたどりつく。
しかも、時間がかかったものだから
仮眠する時間があまりない。
オイラは、その日、少ない時間で仮眠を切り上げ、
そして、クリスマス特集の番組のためにクリスマスソングを探した。
ヘッドフォンでクリスマスの音楽を映像に当ててたら
なんだか、虚しくなってきた。
いつまで、こんな日が続くんかな。
寝不足もあったろうなぁ。
なんだか、気持ちがメチャ、落ちた。
このまま、仕事がなくなっちゃって、オイラは終わりかもしれない。
ふぅ。
「お疲れさん、お先に…」
夜、事務所の人たちが帰宅したあと、
オイラは、
お酒を飲もうと決めた。
もう22時を過ぎてる。
そだ、選曲の方は、ある程度進んでいるし
ダイジョブ、後は明日に回せばいい。
使えそうな曲を、探しながら飲んじゃえ。
そう、候補だけ、探そう。
映像に当てるのは、明日やろう。
ダイジョブ、ダイジョブ。
あの頃…
家は遠かった。
家まで電車で3時間半かかった。
帰りたくても、1週間に一度くらいしか帰れなかった。
下手すると、2週間に一度。
ホント、なんて生活してたんだと思う。
ほとんど、事務所のソファーで寝ていた。
疲れ切ると、南千住の安い簡易宿泊所に泊まった。
布団、ありがたかったなぁ。
さて、その夜、オイラはいそいそとコンビニへ。
ビショビショの靴を履いて
舞う雪の夜の街。
冷てぇ~。
流石にビールは寒くて飲みたくなかった。
そうだ、ウイスキーを買って、お湯で割ろう。
あったまる。
そしてクリスマスが近いコトを思い出した。
チキンも買おうかな。
なんか、クリスマスらしいじゃん。
と、ちょっとお腹が空いていたので
ポテトチップスも。
事務所に戻って
靴のチャポチャポで濡れた足を拭き
熱いウイスキーを飲んだら少し落ち着いた。
お酒が入れば、コッチのもの。
陽気になろう。
それから、オイラはクリスマスの音楽をたくさん聴いた。
マライアキャリー、ジョン、ワムもいけるかな。
タツローは日本語なのでパス。
ジャクソンファイブもやってらぁ。
エルトンジョン。
そして、忘れちゃいけないのが、
ジングルベルロック。
なんて、クリスマスの音楽って、優しい曲が多いんだろう。
その優しさに触れてるうちに
ついつい、今の自分を考えちゃった。
そしたら、
またまた、
なんだか、
やたら空しくなった。
で、それを忘れるために、ホットウイスキー。
う~、だんだん、酔ってきたぞぉ~。

ヘッドフォンの中で優しい音楽が鳴り響いている。
あれ。
ふと、気づいた。
いけない、音楽を流しっぱなしでウトウトしてしまったみたいだ。
ジングルベルロックが、なっていた。
オイラはこの曲を繰り返し聴きながら夢の中にいたようだ。
ふと、
リズムの中に鈴の音が紛れてるのに気づいた。
アレレレ、この曲、鈴の音、入っていたっけ。
そんなコトを考えながら
オイラは、ヘッドフォンを外した。
(ヘッドフォンのしっぱなしはキツイ。寝てるときまでヘッドフォンで音楽聴いてるマヌケなオイラ、あきれる)
まだ、鈴の音が聞こえてる。
シャン シャン シャン
軽快なリズムで、鈴が鳴ってる。
ヘッドフォンの中ではなく、現実の音だったのか。
こんな夜中に鈴の音。
オイラは、音が聞こえる方をみた。
ベランダに通じるサッシの向こう。
(オイラの事務所は、古いマンションの9Fにある)
どうやら、窓の外で鈴がなってるようだ。
不思議だった。
どこでなってるんだろう。
オイラは、窓を開け、ベランダに出てみた。
空だ。
なんだぁ、アレ。
空一面の雪。
高層から雪灯りに照らされた街が見える。
そして空を…
右の空から左の空へ、遠くへ向かって
流れ星のように、何かが空を飛んでいた。
シャン シャン シャン
馬に引かれた馬車。
ちがうな、鹿…?
で、馬車じゃない、もしかしたら、ソリ?
って、コトは、鹿じゃなくトナカイ…?
で、赤い服を着た人…???
シャン シャン シャン
音は遠ざかっていく。
飛んでく何かを、オイラはじっと見ていた。
そう、黙って。
やがて何かは、徐々に小さくなり、点になり、消えていった。
鈴の音も聞こえなくなった。
ふぅ~っ。
ため息をつくと、
オイラは、少しずつ、少しずつ
穏やかな気持ちになっていった。
少しずつ、少しずつ…。
ちょこっと早いクリスマス。
もしかしたら、オイラにプレゼントを届けてくれたのかな。
そう、安らかな気持ちを。
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映画「がんと生きる~言葉の処方箋」に使われた音楽のサウンドトラックと、
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がん哲学外来映画製作委員会