真夜中の汽車はどこへ…#004 カムパネルラ編 | 魔法の呪文をふりかけて…ポンポコ コンコン
どもです。Kiriです。

カムパネルラは、気がつくと、1人、銀河ステーションに向かって歩いていました。
川に飛び込んで、ザネリを助けたところまで、
憶えてる。
でも、その後、どうなったんだろう。

空には星がいっぱい。
カムパネルラは、星を見上げて
ため息をつきました。
記憶がない。

気がつくと、向こうからジョバンニが歩いてきました。
近づいてきて、カムパネルラとすれ違いました。
ジョバンニは、まったくカムパネルラに気づかないまま、
通り過ぎてしまいました。

あれ、どした、ジョバンニ。

そのとき、不思議なことが起こりました。
カムパネルラは、ジョバンニに吸い寄せられるように引っ張られたのです。
どんどん、どんどんと、まるでジョバンニに引力があるように。

そして、ジョバンニの体にすっぽりと入ってしまったのです。

ジョバンニは、町のはずれから遠く黒く広がった野原を見渡しました。
銀河ステーションの駅。
どこからか汽車の音が聞こえてきました。

さぁ、ここらへんで一拍おいて。

アハハハハ
勝手に、カムパネルラの視点で書いちゃいました。
オイラの、思い込みとカンチガイの世界で
今回は失礼します。
勝手に話を作っちゃってます。

BGM行きます。
ホイットニーヒューストンのお母さんの歌。
今回は、「夜汽車よジョージアへ」3つめのバージョンで。

素晴らしいメロディーは、さまざまなアレンジが成立します。

1つめのBGMはポップなソウルバージョン。
2つめのBGMはカントリー。
間に、かまやつさんを挟んで、
そして3つめは、なんて言うんでしょう。
ゴスペルで、いいのかな。
なんともいえない哀しいバージョンです。
BGM、スタートします。

Cissy Houston  Midnight Train To Georgia


カムパネルラとジョバンニの、銀河鉄道に乗った夜空の旅。
そこは異空間で
不思議な出来事にあったり
不思議な人たちと列車で乗り合わせたり…。

タイタニックで遭難した幼い姉弟と青年が乗って来たときから
カムパネルラは、疑問を持ちはじめます。

もしかしたら…
ぼくも、もう死んでしまっているんじゃないのか。

最初は心に芽生えた微かな疑念。
けれど、だんだん、疑念は大きくなっていきます。

ぼくは、もう死んじゃってるのかも。

銀河鉄道は黄泉の世界を走る汽車。
ガタガタと音を立て
けど静かに、星空を走ります。

ジョバンニが云いました。

「僕もうあんな大きなやみの中だってこわくない。
きっとみんなのほんとうのさいわいをさがしに行く。
どこまでもどこまでも僕たち一緒に進んで行こう。」

「ああ、きっと行くよ」


そう言って、カムパネルラは窓の外を見ると
綺麗な高原に亡くなってしまったお母さんを見つけます。

嬉しい気持ちになりながらも
カムパネルラは思います。
そして確信します。

やっぱり、ぼくは、死んじゃっている。
でも、そしたら…
ジョバンニはどうなんだ。
そうだ、生きてる。
なぜなら、
ジョバンニの中に入ったとき
温かかった。

ぼくと一緒に、この電車に乗ってしまったけれど
ジョバンニは天空に行ってはいけない!

ジョバンニ。
ごめん。もうジョバンニとは一緒に行けないんだ。
そう、ジョバンニ、
もうすぐ、お父さんが返ってくるんだろ。

するとまた不思議なことがおきました。
ジョバンニに、吸い寄せられたのです。
そして、ジョバンニに入ってしまいました。
そう電車に乗ったときのように。

ジョバンニに入ったカムパネルラは、
窓を開け、飛び降りたのです。

ジョバンニ、帰ろう。
あの丘へ、帰るんだ。
カムパネルラは空を光より速く駆けました。


丘の上。
眠るジョバンニ。
カムパネムラは、そばに立ちは、ジョバンニをそっと見ています。
それから、少しずつ、少しずつ、透明になっていきます。

さよなら。ジョバンニ。

目が覚めたジョバンニはカムパネルラが死んだことを知ります。
カムパネルラのお父さんの博士と話し、
いろんなことで胸がいっぱいになり、何も言えず、一目散に
河原を街のほうへ走りました。

息が切れ、立ち止まると
汽笛が聞こえたような気がしました。
ジョパンニが、音の方に目をやると…
北の空。
光が見え、光はやがて線となり南の空へ流れて行きました。

ジョバンニにはわかりました。
それが、カムパネルラが乗った銀河鉄道だってことが。

〔to be continued〕

━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─

大それたことをやってしまいました。
これは、オイラの創作です。
「銀河鉄道の夜」のストーリーの流れをお借りして
主人公の友人のカムパネルラの立場から書きました。

宮沢賢治はやはり、すごいです。
真似することも、むつかしく、ままならない。
なので、開き直りました。真似しない。

太字の部分は、「銀河鉄道の夜」の文章をそのママ、お借りしました。

━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─

ドキュメンタリーの仲間たち
インターネット上映会

野澤和之監督 「生きる力を求めて」
ただいま、上映中です。

詳しくはこちらをどうぞ。
https://www.filmmaker-viale.com/