近いうちに、お話を更新すると書きながら、また時間が空いてしまいましたぁぁ~~~~~

嘘つきピコでごめんなさいあせる

元々、魔人様の4周年記念企画で、蓮さんのピンチを救うのがテーマだったのに、魔人様がもうすぐ5周年を迎えてしまう今、ピコの方がピンチですガーン


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都合のいい男と嘘つき女 2

 

嘘……

 

まさか本当に来るなんて!?

 

放課後、夕方からの仕事に向かう為、早足で歩いていたキョーコは校門前に止まっている見慣れた車に固まった。

 

あいつとは違って、周囲への気遣いはあるのよ。

でも、気づかれたら最後
あいつ以上の騒ぎになるのは必至で、非常にマズイ状況だわ。

 

すぐに動くべき・・・・・・


でも先に気持ちを引き締めねば、こんなニヤケた顔は見せられない。

 

目を瞑って大きく深呼吸をした。

 

(浮かれちゃあダメ!勘違いはしない。

自分の身の程をわきまえてる。)

 

もしも敦賀さんにバレたら、今までみたいにはいられないのもわかってる。

 

凹みそうになる自分に首を激しく横に振り、もう一度前を向く。

 

このまま急いで駆け寄るべき?

車で迎えに来てる子達もいるから、私も同じようにしていれば大丈夫?

 

いえ、よく考えよう。
あんな目立つ車で、事務所の車というには無理がある。
ただ、運転席が奥になっているから
助手席に座る社さんの影で顔は見えてない。

とりあえず人目の少ない裏門に移動して貰うのが賢明か・・・・・・・
また今日も、門は閉まってるだろうから、人はあまりいない筈。

 

それにしても……
本当に敦賀さんが迎えに来るなんて……嬉しい。

 

やだ! また、表情筋が勝手に緩んでくる!

 

両頬をパチンと叩いて自分を叱咤する。

 

ダメよ! しっかりして、キョーコ。
勘違いはするな!

あんな非の打ち所がない素敵な人が、私みたいな平凡な女子高生に本気になるなんて、絶対に有り得ない!
夢を見ていいのは寝てる時だけ。

 

ならば、今のあれはどういう事だろう?
いくら約束したからって仕事を犠牲にしてまでここへ来たのは何故?

お金目当て?

いやいや、あの方に限ってそれはない。

ならば、身体?・・・・・・・・

いや、こんな貧相な身体にそんな魅力もない。

 

(あんな化粧ひとつしない色気ねー女)

 

やだ・・・・・・・・

 

また嫌なことを思い出してしまった。

 

首を横に振り一度目を瞑ると、再び気持ちを切り替える。

今はセンチメンタルな気分に浸っている場合じゃないの。

冷静に現状を見極め、迅速に行動せねば!

 

あ~~~~~でもやっぱり、ひっかかる!

 

どうして?どうして、敦賀さんは来たの?

あっ、もしかして、次の仕事の為の役作りだとか?

うん、それなら納得できる。

きっとそうだ。

 

(私は騙されたりしない・・・・・)


自分が今演じているヒロインの言葉を心の中で呟いた。

 

頭の中では必死に流されまいと冷静に努めるキョーコだったが

感情はダダ漏れでなかなか立て直せない。

 

頬を染め、愛おしそうに車を見つめるキョーコは動けずにいた。

 

しかし、そんな理性と感情の狭間で葛藤している間にも

見慣れない車に周囲はざわつき始め
離れた場所から様子を伺ういくつかのグループの間から

飛び出した一部の子達が車に駆け寄り始めた。

 

マズイ!

あの車に敦賀さんが乗ってると気づかれたら・・・・・ここが大パニックになる。

 

キョーコは素早く向きを変え、携帯を操作しながら早足で裏門を目指した。

予想通り裏門には鍵がかかっている。

周囲を見回して誰もいない事を確認した後、するすると忍者のように裏門をよじ登ると門の上で顔を上げた。
ゆっくり近づいてきた車が裏門を過ぎ去り数メートル先で止まる。

キョーコはそれと同時に、軽やかに飛び降り駆け出した。
無言で後部座席のドアを開けると滑り込むように座り
体を丸めて外から見えないように身を隠した。

 

「相変わらず惚れ惚れする身のこなしだね~」

 

悠長に笑う蓮に、キョーコはムカッとなって言い返した。


「もうそんな冗談はいりませんから、早く出して下さい!」
「冗談じゃないんだけどな~本当にいつもそう思ってるんだけど。」

 

ミラー越しに語りかければ、じろりと睨むキョーコと目が合い、蓮は小さくため息をつき肩を竦めると、それ以上は何も言わずに言われた通りにする。

 

走り出した車が大通りに出た所で、蓮は再び声をかけた。

 

つづく

 

短いですが、以前書きかけていたものを直して途中で切りました。

とにかく急がねば笑い泣き