坂村真民さんの詩が好きです。 | ピコニコラの屋根裏部屋〜植物療法と日々のこと。

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日々の徒然、感じたこと、何でもない話、生きること、よもやま話。


坂村真民さんという詩人のことを思い出したので
書いてみようと思います。





◎◎◎

子どもの頃、
母の書棚にはたくさんの本があったんです。


太宰治、芥川龍之介、カフカ、ドフトエフスキー、五木寛之、向田邦子、医療関係の専門書、百科事典、谷川俊太郎さん、灰谷健二郎さん
あとは何があったのかなー

思い出せない。



私にも、本をよく買い与えてくれ、
ピアノの上にはずらりと絵本や児童書が並んでいて、
暇になれば、なんとなく手にとって見たりしていました。
今思うと、そういう面では恵まれていたんだなぁと感じます。



母の書棚に並ぶ本は私には難しく読むこともほとんどなかったらけれど、坂村真民さんの本は手にとって何度か見ていた記憶があります。



素敵な詩が多く、
子どもの私の心にも何か、言葉では言い表せないいろんな気持ちが残り、生きることへの希望のようなものを感じていた記憶があります。


そんなことを思い出したので、
坂村真民さんの詩を紹介してみようと
思います。



知っているかな?



〈  なやめるS子に  〉  坂村 真民
 
だまされてよくなり
  悪くなってしまっては駄目
 
いじめられてよくなり
  いじけてしまっては駄目
 
ふまれておきあがり
  倒れてしまっては駄目
 
いつもこころは燃えていよう
  消えてしまっては駄目
 
いつも瞳は澄んでいよう
  濁(にご)ってしまっては駄目
 


この詩を私が初めて読んだのは確か
小学校高学年の時だったと思います。
子どもながらに、とても励まされました。



読み始めたらアレもコレも素敵なので
もう少し紹介します^ ^





◆念ずれば花ひらく
 
念ずれば
花ひらく
 
苦しいとき
母がいつも口にしていた
このことばを
わたしもいつのころからか
となえるようになった
そうしてそのたび
わたしの花がふしぎと
ひとつひとつ
ひらいていった 
 

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◆かなしみ
 
かなしみは
わたしたちを強くする根
 
かなしみは
わたしたちを支える幹
 
かなしみは
わたしたちを美しくする花
 
かなしみは
いつも枯らしてはならない
 
かなしみは
いつも湛えていなくてはならない
 
かなしみは
いつも噛みしめていなくてはならない



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◆二度とない人生だから
 
二度とない人生だから
一輪の花にも
無限の愛をそそいでゆこう
一羽の鳥の声にも
無心の耳を
かたむけてゆこう

二度とない人生だから
一匹のこおろぎでも
ふみころさないように
こころしてゆこう
どんなにか
よろこぶだろう

二度とない人生だから
一ぺんでも多く
便りをしよう
返事は必ず
書くことにしよう

二度とない人生だから
まず一番身近な者たちに
できるだけのことをしよう
貧しいけれど
こころ豊かに接してゆこう

二度とない人生だから
つゆくさのつゆにも
めぐりあいのふしぎを思い
足をとどめてみつめてゆこう

二度とない人生だから
のぼる日しづむ日
まるい月かけてゆく月
四季それぞれの星々の光にふれて
わがこころをあらいきよめてゆこう

二度とない人生だから
戦争のない世の
実現に努力し
そういう詩を
一編でも多く
作ってゆこう
わたしが死んだら
あとをついでくれる
若い人たちのために
この大願を
書きつづけてゆこう



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坂村真民(さかむら しんみん、1909年1月6日 - 2006年12月11日)

日本の仏教詩人。本名昂(たかし)。

一遍の生き方に共感し、癒しの詩人と言われています。

愛媛県砥部町に「たんぽぽ堂」と称する居を構え、毎朝1時に起床し、近くの重信川で未明の中祈りをささげるのが日課であったそうです。

詩は解りやすい物が多く、小学生から財界人にまで愛され、特に「念ずれば花ひらく」は多くの人に共感を呼び、その詩碑は全国、さらに外国にまで建てられています。

 (ウィキペディアより)