- 悪人/吉田 修一
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一気に読めました。が、全体的に深く感情移入はできず。私はカタルシスがしたい。お話っていうのははつっこみどころ満載でないと生まれないものかな~。作品と自分に少し距離。読んでいるそばから人間が嫌いになりそうでした。
佳乃が殺されるあたりまでは「いつごろからおもしろくなってくるのかな~」でした。後半少しはよかった。佳乃と増田には全く感情移入できなかったです。祐一は嫌いじゃないな。読んでいて情が湧きます。切ないひとだ。光代は・・・ぶっとんでいます。佳男はおかどちがい。雨脚の強い中光る佳乃が現れたところは、頭の中で笑ってしまいました。作者の演出に私がついていけないところが少し。
読書量が少ないからかなあ?「本の不自然」がまだ気になってしまいます。これは本なのだからそういうところを楽しめるようにならなくっちゃと思う反面、そういうのが楽しくなったら現実生活にも影響を及ぼしてきそうでちょっと怖い。言動や行動がドラマドラマして(本だけど)自分に酔ってきちゃいそうで。現実生活で「過去の過ちに気づいたんだ」って言っちゃうとか。「過去の過ちじゃねえよ」みたいな。口語は口語、文章は文章と自分の中でちゃんと線引きができていればそんな惨事にはならないのかもしれないけど。深刻に全然違う話をしているのに聞いている人がいきなり「そのバスに乗っちゃダメ!」って絶叫するとか。「うーん?」です。
読書って心の波紋を感じていることだ、と改めて思いました。いちいちここには書かないけど良くも悪くもいろんなこと思うものね。そして私は読書に何かを求めすぎなのかな?だから感想が文句ばっかりになっちゃうのかな?何も考えずどっぷりその世界に浸かってカタルシスがしたいです。
も少し読書の時間を増やしてみようかな。