- 裁判長!ここは懲役4年でどうすか (文春文庫)/北尾 トロ
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「
ノリ軽すぎワイドショー的おもしろがりすぎ他人事、薄情な視点。
当事者にほとんど同情・感情移入することなく、裁判傍聴暦はつづられる。
こういう見方もあるんだなあ、
裁判の情報・知識・理解を深める、
という面では興味深いので、読んで悪くは無いという印象。
ただ、不快な表現が多々目に付く。
作者が男性のためか、とくに女性として非常に不快な表現が。
・チカンして相手の女性が抵抗しない(できない)事態を「犯人うまいことやるなあ」という
・強姦・性的表現のある裁判をことさら好む
などなど枚挙に暇が無い。このあたり、非常に不快だった。
「嫌なら読まなきゃいいじゃん」と作者は思っていそうである。、まあそうなんだけど。
この本、映画にもなっていて、主演はハナナマン設楽統。イメージピッタリだ。
この本は内容は軽いので映画でみたほうが面白がれるかもしれない。
一人の人間の書く本としては許せないところはあっても、
バナナマン設楽統を媒介すると許せる気がする。
「浅い・軽い・薄い・不快・下卑ている」など、作者に悪態つきながら、
でもおもしろいと思ってしまう自分もいる。
裁判の当事者にとっては人生の一大事なのに、
他人からみたらこうも客観的に上から目線で面白がられてしまうのだなあ・・・。
人間ってこわいなあ。
でもこういう視点があるってことを分かっておくのも必要なのかも。頭の隅にでもおいておこう。
映画、たぶん面白いとおもうよ。
私は本は感情移入したい方なんで、客観的におもしろがるだけっていうスタイルがどうも・・・。
最後のほうで作者が被告に感情移入した文章を書いていたが、
そのくらいでは、入り込み体質の私には物足りず、なんともライトな仕上がりとなった。
そういう狙いで書かれてるんだろうけど。
キャッチコピーも軽薄を全面に出してたし。
割り切って読めるならまあいいんじゃない?ってかんじ。