妹が電話の向こうで泣いていた
それだけで何が起こっているか、だいたいわかる

抗がん剤の治療虚しく、ビリルビンの数値が上がっているのだという

血液検査の結果だ

それは即ち、治療の終了を意味する

戦うことは許されない
死をただ待つのみ

最初のifをくぐり抜けられなかったということだ
母の手を握り願ったが、ダメだった


前日見舞いに来てくれた友人に電話をして、状況を報告した
返ってきた言葉に奮えた

「お前、諦めてんじゃねぇだろうな?」

殴られたような衝撃

「そだな、諦めんのは全ての病院がサジ投げてからだな」

と強がった後
遠い世界のものだと思っていた単語を口にした

「セカンドオピニオン」


ここからは、うちの奥さんが大車輪の働きをする
多方面に電話をかけまくり、入院中の病院に紹介状を用意させ、ガン専門の病院に年内の予約をねじ込んだ
アタマが下がる
ある病院からは嫌味を言われたりしたらしい
心無い言葉で門前払いを食らったこともあったみたいだ

感謝しかない

全員最後の最後のまで諦めない
悪あがきだ