今、札幌の実家に帰ってきています。
皮肉の一つも言わず、気前良く有給をくれた社長さま、本当に本当にありがとうございます。月曜日からまた頑張って、笑顔で働きたいと思います。
さて、空の上、飛行機の中で武者小路実篤の「友情」を読み終えました。そもそも私、武者小路実篤の「愛と死」を読みたかったのですが、先日、酔っ払って古本屋を物色した結果、間違って「友情」を購入してしまったのです。だって、「友情」は学生時代に読んだことがあるんだもの。
あれ?
あれ、あれ??
どうやらそれは、私の勘違いだったらしい。背表紙の筋書きを読んでみても、実際に本を読み始めても一箇所たりとも、記憶に残っている部分がありません。へ~、武者小路文学の代表作と言われる「友情」は、こういう話だったのか。
語弊を恐れず感想を一言で言いますと、これがまた、まぁ~なんてこたぁない話なんですよ。
好きな女性(しかもまだお付き合いさえもしていない、単に心を寄せている女性)を、友達にとられてしまうという話は、実際に私のまわりでも噂話やらなにやらで耳にしたことがあるレベル。こう言うのもなんですけど、もっとドラマチックな話は世の中、星の数ほどあることだろうに。
がしかし、恋心と友情の狭間でゆれる心理描写たるや、そりゃあもう素晴らしくって、これが歴史に名を残す作家のなせる業かと感心しました。嫉妬、屈辱、己のプライドとの対峙、行き場のない思い、それでも続いていく人生…、なるほど、最近ご無沙汰だったけど、確かにそういう気持ち、私も感じたことがあったわん。
そうだよね…
親友に愛する彼を取られたら…
自分のまわりの人物に役柄を置き換えてみる。
こわっ。気分わるっ。
胸の張り裂ける思いを十二分に味わえます。ぞーっとします。なんてこたぁない、なんて言っている私は幸せボケというものかもしれません。
今日は朝からのんびりして、お昼に祖母の家に行き一緒にお昼を食べ、スーパーでちょっと買い物をして、今コーヒーを飲みながらパソコンに向かっています。会社勤めの私にとっては、今日みたいな毎日の連続ってものすごく憧れます。専業主婦だったら基本的にこういう日々を過ごせるのかしら。午後は奥様友達とお茶飲んだりしてさ…。想像すると、ちょっとうっとりしちゃうんですけど、いずれ、「私の生活って、なんてこたぁないな」と物足りなさを覚えたりするのかな…。今のOL生活も、取り立ててエキサイティングなことのない、なんてこたぁない生活ではあるんですけれど。
なんてこたぁないことをどう感じるかは、自分次第ということでしょうか。