空の巣症候群1〜お母ちゃんは大丈夫だよ〜

(息子がいなくなる)



息子が就職のために家を離れました。

苦しかった私の心が落ち着いてきたので、良くなるまでの経過を書こうと思います。


息子が出て行くまでの残りひと月は、毎日泣いていました。

「もうすぐいなくなるんだ」と思って、夕方から夜になると特に寂しい気持ちになりました。


私はフルタイムで働いているので、会社では良いんです、仕事してると気が紛れるから。


同僚と別れて1人になると、何とも言えず悲しみが込み上げてくるのです。

お腹の底に悲しみがあって、ちょっとした刺激でそれはもわーんと湧き上がってしまうのです。


買い物中に流れる切ない歌の歌詞、息子の好きな食べ物、ママと一緒にいる小さな男の子。

そういうのが私の涙スイッチを入れてしまうのです。


ドラッグストアで涙をこらえながら、カップ麺コーナーにいたり、トイレロールの安いのを比較しながらも涙が込み上げたりしてしまうのです。食品用ラップのどれがお得か見比べながら泣いています。柔軟剤の香りサンプルをクンクンして好みの香りか選びながらも涙が溢れるのです。


完全に危ない人です。

そんな私はかなり不気味だったと思います。



この発作のような涙を自分でもどうしたら良いかわからなかったから、他の方の子離れの体験談をひとつでも多く読みたかった。

同志の話をたくさん聞きたかった。



先に愛娘を送り出している

心の友のSちゃんに聞いてみました。

「寂しいけど、自分の楽しみを見つけていくしかない。泣きたい時は泣けばいい。」って

励ましてくれましたおねがい



汗汗汗



「空の巣症候群」と検索して、出てくるものも

色々読ませていただきました。

そしてわかりました。


ママたちのほとんどは、苦しんで、かわいいお子さんたちを送り出している。

でもどうやら、それは少しずつ慣れるらしいということ。送り出す側の心の傷は癒えるらしいということ。

つまりは皆が通る道なのです。


とはいえ、わかっていても、勝手に泣いてしまうのを止められません。

「連続テレビ小説か?」って言うぐらい、毎晩長いこと泣いて、それから仕方なく私は丸まって眠るのです。

夫も心配していました。しかし口には出しませんでしたが、夫自身も寂しかったらしく、普段よりお酒を飲む量が増えました。夫婦2人で悲しんでいました。

まるで「竹取の翁?竹取物語?」のようです。

「美しいかぐや姫」ではない、ごく普通の大卒男子が、月に行ってしまうのです。(おいおい照れ

「行かないでおくれ〜」なんて口が裂けても言いません。あっさりと送り出す母親を私は演じているんです。


「この子が赤ちゃんの頃に戻って、小さいあなたを抱っこできたらどんなに幸せか♥」と何度も叶わぬ願いを考えたりしました。

「うちの子に生まれて息子は幸せだったのか?」と

考えても答えが出ないことを何度も自問自答していました。そうして日々が過ぎました。


いよいよ一人息子が出て行く日が来てしまいました。

引っ越し荷物がほぼ片付いたアパートに戻る息子を、駅まで車で送りました。いつものように。大学に行くように。


私は勤務を終えて帰宅後、ようやくリハーサルでなく本番で泣くことになりました。

「とうとう本当にいなくなった」と。


出掛けていなければ、お腹を空かして私の周りをウロウ口して、献立を聞いてくる、つまみ食いをしすぎる息子は、もうこの家にはいないのです。


急かされて作った夕飯を、きれいに平らげてくれる、マイペースで理屈っぽくて(小さい頃は夢のようにかわいかった)息子はもう目の前にいません。


私は声を上げて泣きました。大好きだった祖父が死んだ時と同じくらい泣きました。ショックで生理が止まるぐらい泣きました。

もう生理は上がったので元々ありませんが。(おいおい照れ


ひとしきり泣いた後

その晩も私は丸まって眠りました。


次の日、私は普通に仕事をして帰宅しました。

朝に片付けた部屋が、そのままのきれいさを保っています。


息子の脱ぎ散らかしたジャージや靴下、半分飲んだ烏龍茶のタンブラーも出ていません。

「おや?」と思いました。

「なんか快適じゃあないか?(ジョジョ風)」


そして夫と私、2人分の夕食の支度をしました。

息子がいないと作るのは普通の量で良いのです。

おかずを「デカ盛り」にしなくても良いし、ご飯を「日本むかしばなし」みたく食べたりしないから、残っているご飯が足りなそうだから、うどんを茹でようか?っていうのをしなくても良いのです。


これは私にとって素晴らしい気付きでした。

そして次の日から、私は泣かなくても大丈夫になりました。


息子を送り出してみてひとつわかりました。

長年の疑問「なぜご婦人たちがフラダンスを習うのか」の答えがそこにあったように感じました。

「空の巣」を再び輝かせるために、自身と家族を明るくするために、ご婦人はフラダンスを選ぶのだと思いました。

人間は素晴らしいおねがい



長文読んでくださりありがとうございました飛び出すハート

お子さんを送り出したあなたの心が癒えますように。

一人暮らしの方が前を向けますように。