WiiM ProでQobuzストリーミングすると音が途切れる

 

Qobuzのストリーミングを使いだしてしばらく経つ。
デスクトップ環境の方は、いろいろとトラブルがあったものの何とか解決して、それ以降は快調である。
再生方法について試行錯誤したものの、最終的には
 Qobuz純正アプリ(Windows版)→(USB)→DDC→(Coaxial)→DAC
という方法に落ち着いた。

この方法にして余ってしまったのがWiiM Proである。
Qobuzを聴くために購入したのだが、結局デスクトップシステムでは使わなくなった。
これをどうしようかと考え、リビングにあるメインシステムに組み込むことを思いついた。
Blu-rayプレーヤーBDP-105DJLがDACとして使えるので、WiiM ProからBDP-105DJLに同軸デジタルで接続している。

 ルーター→(Ethernet)→WiiM Pro→(Coaxial)→BDP-105DJL (DAC)

同軸デジタルで接続しているのは、USBと光デジタルの端子がすでに埋まっているからだ。
リビングなのでスピーカーで鳴らすことはあまりなく、BDP-105DJLのヘッドフォン端子にヘッドフォンをつないで聴くことが多い。

WiiM Proのセットアップは、ストリーマーのセットアップ自体が初めてだったので少々手間取ったが、自分の環境に合わせたセットアップをすることができた。
 〇固定音量はON
(せっかくのデジタル出力なのに、ここがOFFでWiiM Proのボリュームを通すと音が明らかに悪くなる(音が濁る印象)。)
 〇ストリーミング再生の最大ビットレートは96kHz/24bit
(DACの上限に合わせた)

WiiM ProにはDACの機能もあり、アナログ出力もできるが、価格が価格なので、別にDACを持っている場合は、WiiM Proをストリーマーとして使うのがいい。
WiiM HOMEというコントロールアプリは、割と使いやすい。
ただ、設定の項目が独特で必要な設定項目がすぐ見つけられないのが惜しい。
これでOKかと思いきや、重大な問題が発生。
曲を再生している途中で、音が途切れるのである。
音が途切れるのは1秒弱だが、バッファが足りずに、動画の再生が止まってしまう感じだ。
曲の再生が始まって2分程度するとこの症状が発生する。
1曲5分程度だと、曲中で1回は音が途切れる。
ハイレゾ音質だけではなくCD音質の曲でも同じ症状が起こる。
Wi-Fi接続ではなく、有線LANで接続しているし、インターネット回線は1Gbpsの光回線なので、回線側の問題ではないと思われる。
同じ回線環境だが、ルーターからWi-Fiで接続しているデスクトップ環境の方では、音の途切れが発生したことはない。

どうにも症状が改善せず、半ばあきらめていたら、いつの間にか症状が出なくなっていた。
これは、たぶんファームウェアのアップデートで改善されたのだなとほっとしたのもつかの間、しばらくぶりにQobuzを再生したら、また音が途切れるようになってしまった。
WiiM HOMEのファームウェアは数週間前にアップデートされたばかりの最新版だ。
この新しいファームウェアが原因で症状が再発したのからすら分からない。

 

■音切れの原因を切り分けていく

テレビからの音声は光デジタルでDACへ出力して使用しているが、こちらでは音が途切れるという問題は起きていない。
テレビからの出力はPCM固定にしてあるので、違いがあるとすれば、Qobuzの方はハイレゾでFLACだということくらいだ。

症状が治まった時があるということは、やはり他に原因があるのではなく、WiiM Proに問題があると考えてよさそうだ。
WiiM HOMEで設定をあれこれいじってみたが、症状は改善せず。
WiiM HOMEのマニュアルを見ていたら、「優先 DNS サーバー」の項目のところに、「再生時に途切れが発生する場合は、このオプションを調整して問題を解決してください。」とあったので、ONとOFFを切り替えてみたが、変化はない。
試しに有線LANではなく無線LANで接続してみたものの、音の途切れは同じように発生する。

WiiM Proの掲示板をのぞいてみたが、同じような症状が出ている人はいないようで、手掛かりがない。
詰んだと思って、WiiMのホームページを見てたら、5月からWiiMのストリーマーがQobuz Connectに対応したとある。
全く知らなかったが、WiiM ProもQobuz Connectに対応したとなれば、WiiM HOMEアプリではなく、Qobuzコントロールアプリで再生してみることにした。
iPadにQobuzのコントロールアプリ(iOS版)をインストールして、Qobuzのコントロールアプリから再生操作をしてみたが、相変わらず音が途切れる。
そういえば、Qobuzのコントロールアプリにはバッファサイズを設定する項目があったことを思い出し、バッファサイズを5GBにして試してみたが、これも効果なし。
音の途切れ方からして、機器側のバッファ不足の可能性が高いと思っていたのだが、見当が外れていたようだ。


■WiiMのサポートに問い合わせてみる

もうお手上げなので、直接WiiMのサポートに問い合わせることにした。
WiiM HOMEのフィードバックという項目をタップすると、問い合わせフォームが開く。
そこに、症状を書き込んで送信した。
送信時にWiiMのログを提供してもいいか聞かれたので、ログを提供した。
24時間以内にはサポートから何らかのお返事があるようだ。
原因がWiiM ProかDACとして使っているBDP-105DJLとの相性というなら、諦めるほかない。
そうなったらWiiM Proはメルカリ行きか。
そうならないように、サポートから良い返事があることを願っている。

予告どおり24時間以内にWiiMのサポートからメールが来た。
その内容にはあまり期待していなかったのだが、その回答というのが、
「光回線に問題がないか確認してください。光回線に問題がなければ同軸接続に問題があるかもしれません」
という当たり前にことが書いてあった。
だから、有線LANじゃなくてWi-Fiでつないだら問題は発生してないって書いただろう、と言いたかったが、WiiM Proの上流に問題がないとすれば、やはりその下流、同軸接続に問題があると考えざるを得ない。

■問題は同軸デジタルにあり

 

そういえば、デスクトップ環境でQobuz再生をしていたときに問題になったのは、主に現在WiiM Proに使っている古い同軸ケーブルを使っていた同軸接続の場合だった。
以前書いたメモを見返していたら、現在WiiM Proで発生している現象、つまりノイズはないが音が途切れる現象が発生していた。
それは、新しい同軸ケーブルでDDCとDACを接続したときだったが、その後その現象は解消したが原因は不明。
買ったばかりの同軸ケーブルでも、音が途切れるという現象が起きるのだから、20年落ちの古い同時ケーブルでその現象が発生したとしてもおかしくはない。
DACとして使っているBDP-105DJLの光デジタル入力端子は、テレビからの出力用に使用しており埋まっているので、WiiM Proからの出力は同軸デジタルにするほかない。
とりあえず、デスクトップ環境で使っている真新しい同軸デジタルケーブルに交換して、音が途切れるがどうか確認してみる。

WiiM ProとDACの接続にデスクトップ環境で使っている同軸デジタルケーブルは、オヤイデのDST-75RV2。


同軸デジタルケーブルをこれに交換すると、音が途切れない。
5分を超える92kHz/24bitの曲でも途切れない。
いろいろなジャンルのハイレゾを聴いてみたが、今まで必ず発生していた症状が現れない。
これで一件落着!
やはり犯人は、20年落ちの古い同軸デジタルケーブルだったか。
しかし、デジタルケーブルが原因でストリーミング再生の音が途切れるなんてことが起きるということを初めて知った。
再生しようとしているのが、ハイレゾのストリーミングということもあるのだろう。
プチノイズは光デジタル接続ではよくあることなのだが、プチノイズは発生せず、いきなり音が途切れるということがあるのだね。
DAC側でエラー補正の限界を超えて、いったん処理が中止されるということなのだろうか。

原因は分かったのだが、WiiM Proには光デジタル出力端子もある。
DAC側の光デジタル入力端子は、テレビの音声を入力しているので埋まっているのだが、いったんテレビからの入力をやめて、光デジタル接続を試してみた。
ケーブルは、PCの音声を出力しているDDCとミニコンポ内蔵のDACとの接続に使用しているGLASS BLACKⅡplusというもので、芯材はプラスチックではなく一応ガラス製らしい。


ミニコンポとの接続には問題なく使用できていたので、ケーブル自体に問題はないと思うのだが、古い同軸デジタルケーブルを使っていた時より、音が途切れるタイミングは遅くなったものの、音が途切れる。
4分ほどの曲で、もう少しで曲が終わるというタイミングで音が途切れることもあった。
古い同軸デジタルケーブルよりは幾分ましだが、音が途切れることには変わりがない。

そこで、ジッターを軽減するというiPurifierS/PDIFというアクセサリーを持っているので、これを使ってみることにした。


iPurifierS/PDIFは、同軸と光のコンバーターにもなるし、同軸と光の同時出力もできるので、スプリッターとしても機能するなかなかの優れものである。
ただし、光の入力は角形端子が使えないので、角形→丸形に端子を変換するアダプターをケーブルにはめて使ってみた。
そうしたら、音が全く鳴らない。
テレビからの入力には、このアダプターを使って何の問題もないのだが、WiiM Proからの出力は受け付けてくれない。
もしかすると、WiiM Proの光デジタル出力の出力自体が弱いのかもしれない。
もともとDACの光デジタル入力はテレビの音声用に使っていたので、元に戻し、WiiM Proからの入力はやはり同軸にするのがいいのだろう。

■同軸デジタルケーブルの調達

 

そうなれば、新しい同軸デジタルケーブルを調達するだけだ。
動作確認ができているオヤイデのDST-75RV2を使えば間違いないのだが、DST-75RV2はオーディオ用のデジタルケーブルとしてはベーシックな方だが、WiiM Proの入手価格を考えるとちょっとバランスが悪い。
WiiM Proの使用頻度を考えても、とりあえず音が途切れなければいいので、もう少し下の価格で探してみることにした。

安価な同軸デジタルケーブル用の線材といえば、ベルデンの1506Aがある。
かの有名なプロケーブルでも一押しの線材である。
検索すると、音光堂でカナレの圧着プラグを使った同軸デジタルケーブルが見つかった。
これでいいかなと思ったが、価格はDST-75RV2と大差ない。
同じ音光堂でMOAGAMIの2964を使った同軸デジタルケーブルがあったので、価格でこちらにすることにした。
MOAGAMIの線材とカナレのプラグという鉄板の組み合わせだが、レビューを見ると圧着プラグのカシメが甘く、プラグがぐらぐらしたり、外れたりするという書き込みが散見される。
自作代行系のケーブル屋の商品はこういうことがたまにある。
専用の工具を使ってしっかりカシメればいいだけだからそんなに難しいことではないし、出荷の際にちゃんと検品すればわかるはずなのに、この状態の商品を出荷するなんてこの店は信用できないという書き込みをがあったが、おっしゃるとおりである。
そこへ行くと、そんなに高価ではないがオヤイデのDST-75RV2は作りがしっかりしていた。
自作代行系にチャレンジして、同軸デジタルケーブルを買い直すようになるのも避けたいので、ここは実績のあるオヤイデ製のケーブルにすることにした。
同じケーブルを使ってもいいのだが、DST-75RV2を買うときに比較検討したケーブルがあったことを思い出した。
同じくオヤイデ製でセカンドラインのNEOブランドから出ている、ピュアオーディオ用ではなく、業務機材用のAS808R V2である。


DST-75RV2より若干安く、ベルデン1506Aを使ったケーブルとあまり変わらない。
よくよく仕様を見てみると、線材は102SSC、構造もシールドもDST-75RV2と同じだった。
違うのはシースの見た目とプラグのメッキがロジウムではなく金メッキになっていること、あと使っているハンダが「オーディオグレード」ではなく、通常のハンダだということぐらいだった。
なんだ、それならこっちでいいじゃないか、ということでAS808R V2に決定。

■ケーブルを替えたのに音が途切れる

 

届いたAS808R V2を確認すると、DST-75RV2よりは高級感はないが、見るからに業務用という感じではなく、見た目も作りも整っており、ちゃんとしたコンシュマー用の商品だった。
これで一安心だなと思って、Qobuzを聴いてみたら、やはり音が途切れる。
ハイレゾでもCDクオリティで1曲1回は音が途切れる。
WiiM HOMEアプリから再生しても、Qobuzコントロールアプリからでも、その症状は変わらなかった。
DST-75RV2にしたときは症状が出なかったのに、AS808R V2ではダメなのか。

もしかすると、同軸デジタルケーブルではなく、他に原因があるのか。
あるとすれば、電源か。
WiiM Proの電源は、付属のACアダプターに加えてiPurifier DCという電源ノイズ対策アクセサリーを使っている
iPurifier DCの効果ははっきりわかるほど有効だったが、これが原因という可能性も否定できない。
試しにiPurifier DCを外してみたが、音が曇っただけで、相変わらず音切れが起きる。

さすがに、これで症状が改善されないならお手上げだ。こっちの心が折れそう。
せっかく買った同軸デジタルケーブルを無駄にするのももったいないので、デスクトップに使っているDST-75RV2と交換することも考えたが、いい加減疲れてきたので、そのままにして寝てしまった。

 

■一晩寝たら直った
 

次の日、ケーブル交換を試す前に一応Qobuzを聴いてみたら、音が途切れない。
ハイレゾも大丈夫、長尺の曲でも大丈夫、WiiM HOMEアプリからでもQobuzコントロールアプリからでも問題なく再生できている。
アプリの設定は全くいじっていないにもかかわらずである。
寝ている間にファームウェアがアップデートされたのか、とも思ったが少なくともWiiM HOMEアプリのバージョンに変化はない。

音切れの症状はハイレゾだと起こることが多く、CD品質だと音が途切れないこともあるので、WiiM Proの出力設定を44.1kHz/16bitと最低にしていたのだが、前日まではそれでも音が途切れていた。
WiiM Proの出力設定を上限96kHz/24bitに戻して、再生される曲のビットレートが切り替わっても、音が途切れることなく曲が再生される。

気になったのは、これまではWiiM HOMEアプリで、同軸デジタル出力の上限を96kHz/24bitに設定していていても、192kHz/24bitのファイルを再生していると表示されていたが、今はPCで使っているWindowsアプリと同様、アプリで設定された上限に合わせたファイルが自動的に選択され、192kHz/24bitの曲でも96kHz/24bitで再生されている(これが本来の動作)。

WiiM ProからBDP-105DJLに出力されているビットレートを確認したいなと思っていたが、本体のディスプレイには入力種類(この場合はCoaxial)しか表示されないが、BDP-105DJLからテレビに出力される画面表示で音声の情報が確認できることを思い出した。
BDP-105DJLの出力側とテレビの入力側の両方が表示されるが、Qobuzで再生される曲が変わると、再生中の曲のビットレートがきちんと切り替わって表示されている。
ビットレートが曲ごとに異なるQobuzのハイレゾプレイリストを再生し続けたが、音が途切れることはなく、きちんと再生される。

■原因は分からずじまい

直った原因は分からずじまいだが、WiiM ProとBDP-105DJLの組み合わせでずっと悩まされ続けたQobuzの音切れ問題は解消した。
もしかすると、原因はひとつではなく複合的な要因なのかもしれないが、結果オーライ。
今なら20年物の古い同軸デジタルケーブルでも音が途切れないのかもしれないが、そんな実験をする気力はない。
以前より同軸デジタルケーブルを交換した後の方が、音自体もクリアでいい感じに聴こえるのは気のせいかもしれないが、なんとなくそう思えるのでこのままAS808R V2を使うことにする。
怪我の功名といえば、このQobuz音切れ問題がなければ、WiiM ProがQobuz Connectに対応したのを知らなかったはずなので、WiiM Proでも使い慣れているQobuzコントロールアプリが使えるようになったのはよかった。

BDP-105DJLの並びにNTTのホームゲートウェイを置いているので、Qobuz再生時の回線状況を確認していたのだが、音が途切れているときは再生中ずっとアクセスがあったのだが、症状が治まった後は、曲が始まってからしばらくは回線にアクセスがあるものの、バッファリングが終わった頃になると回線へのアクセスがなくなっていることに気が付いた。
やはり、なんらかの問題でバッファリングが正常に行えない状態になっており、バッファが途中で止まってしまうので、曲が始まって2分ぐらいたつと決まって音が途切れる。
音が途切れると曲のデータが再読み込みされて、曲の再生が再開されるという状態だったようだ。

BDP-105DJLの本体表示は、ある程度時間が経つと入力選択を示す「Coaxial」から「Screen Saving」の表示に切り替わる(テレビへの映像出力と連動している)。
「Screen Saving」の表示の状態で、Qobuzの音が途切れて曲が再開すると、途切れていた信号の入力が再開されるので、表示がまた「Coaxial」に戻る状態になっていた。
このことからすると、WiiM Proからの出力信号自体が途切れていると考えるのが妥当だ。
音が途切れなくなってからは、プレイリスト再生中にビットレートが切り替わっても、ディスプレイの表示は「Screen Saving」のままで、Wiim Proからの信号は途切れず、維持されたままのようだ。

■WiiM Proが加わりシステム完成

ともあれWiiM Proはようやく正常に機能するようになった。
リビングに置いてあるので、Qobuzはヘッドフォンで聴くことがほとんどだ。
スピーカーで聴くこともできるのだが、BDP-105DJLのHDMI出力は、もちろんテレビのHDMI入力に接続してある。
テレビのHDMI ARC端子はサウンドバーに接続してあるので、テレビの入力をBDプレーヤーに切り替えると、サンドバーからQobuzの曲が出てくる。
サウンドバーがベーシックなソニーのHT-S100Fなので、その音質はオーディオ用のステレオスピーカーに比べるべくもないが、ちょっと音楽をBGM的に流すくらいなら、この方法ででもいいかもしれない。
Qobuzの場合、半分以上がハイレゾ音源であり、ハイレゾでなくともCD音質は保証されているので、がっちり聴き込む感じの聴き方でない限りは、WiiM Proでも特に支障なくというか、気分よく音楽を楽しむことができる。
ただし、それはWiiM Proをストリーマーとして使用する場合であって、WiiM ProのDACやボリュームを通して聴く場合はまた別である。
ストリーマーとして使う場合でも、出力固定に設定しないで、アプリ上で音量調整が効くようにすると格段に音は悪くなる。ハッキリわかるレベルで悪くなる。
自分の場合、電源強化としてiPurifier DCを使っているので、これもWiiM Proの音のレベルアップにつながっている。
この2点だけで、WiiM Proは音質の面でも「使える」ストリーマーになってくれる。

これでメインシステムは、ほぼ完成。
使っている機器が更新時期になるまで、この構成で音楽と映画を楽しむことにする。