皆さまお元気ですか。

次回作「ロボット -RUR-」で、人間そっくりなロボットを安価に大量生産する会社・RUR(ロッサムズ・ユニヴァーサル・ロボッツ社)の経理担当取締役のブスマンをやります森好文です。

 

「ロボット -RUR-」は、第一次世界大戦直後の1920年にチェコで発表されたカレル・チャペックの作品です。

心を持たないロボットを人間が哀れみ、ロボットに意思を持たせたことで人類もロボットも破滅の方向へと突き進んで行きます。

 

現実の2024年の世界では、自動車が自動運転システムを塔載し、AIに頼めば論文の下書きまでもしてくれる、ある意味とても人に都合のいい世の中です。

人の生活を楽にするために開発されたAIがもし自分の意思を持ったら・・・、

もしAIが人に対して憎しみの感情を持ったら、

などなど今後のAI技術の進歩によっては十分にあり得る話です。

作者チャペックが、100年前にこの未来を予見していたかのような戯曲であります。

 

またカレル・チャペックと言えば、「ダーシェンカ」という犬の本を連想する方もいらっしゃるのではないでしょうか。

犬好きのチャペックは、生まれたばかりのフォックステリアを毎日のように写真に撮って、スケッチして、溺愛の果てにその愛犬のためにおとぎ話まで作って、とうとうその愛犬ノートを絵本として出版してしまった人です。

この「ダーシェンカ」の文庫本を、私は未読のまま何年間も本棚にほったらかしにしていました。

今回久々に手にしてみました。チャペックの愛犬への愛がこれでもかと溢れた本でした。

 

そして「ロボット -RUR-」も、この世の中で生きる人間やロボットへの愛が溢れた作品です。

稽古は始まったばかりですが、今回の演出をお願いしている文学座の高橋正徳さんもまた、演劇への愛や厳しさが溢れた方であります。

インフルやコロナに負けず、いろんなエネルギーが溢れた作品になるよう稽古に励みます。

どうぞご期待ください!