眞山直則です。演出をしています。

これをお読みになる皆さんは、演劇の日々の稽古がどんな様子なのか、いかなる手順でお芝居が創られるのかに興味がお有りかもしれません。


泥臭いですよ。上演では数分でご覧いただく瞬間を、びっくりするほど繰り返し稽古します。そこで得られた変化や手応えを糧に、またつぎの数分に挑む、精を出す。

まるで同じことを繰り返す毎日は、農業にたとえられるかもしれません。僕の父は米農家出身なんです。


まずは開墾です。耕して種を蒔いたら、ひたすら日々の手入れを続けます。日当たりを良く、害虫は取り除いて、水はけは大丈夫?

効率は追及できない。もしかして子育てや、学校といっしょ。急かしたりできないんです。ただし収穫=上演が、少しでも実り多く、素晴らしいものになるよう繰り返しできることはある。

うん……たとえ話が長過ぎますが、今日のブログはこのまま突っ走りますね。


演劇は工業ちゃうのです。生産性を追ったり促成栽培すると、私たちは次第にやせ細り枯渇してまう。

やる。しくじる。やっちまったぜと笑う。またやる。またしくじる。ついにバグる。忘れる。そうして膨大なムダを蓄積して、豊かな腐葉土をつくる。その土からは、強い芽が何度も芽吹き、花を開かせることでしょう。

これは演劇の話なのか? 営みすべてがそうかもなぁ。

もう少し稽古がつづきます。実はもう芽吹いてます。皆様どうぞ7月21日から25日、収穫の場にお越し下さい。お待ちしております。

眞山直則