吉野弘(よしのひろし)さんです | piccolo001のブログ

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朗読してほしい人物は?

 

 

詩人の吉野弘さんの作品は、ぜひ朗読してもらいたい。

 

吉野さんの著作権の考え方から、ここに転載してもよいと判断して、絶対に朗読して欲しい詩を一篇、載せます。

 

普段、下らないことをひと言ふた言しか書いていない私ですが、読後の余韻、これは・・・と思います。

 

ぜひ、声に出して読みたいものです。

 

では転記します。

 

 

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夕焼け

 

吉野弘

 

いつものことだが

電車は満員だった。

そして

いつものことだが

若者と娘が腰をおろし

としよりが立っていた。

うつむいていた娘が立って

としよりに席をゆずった。

そそくさととしよりが坐った。

礼も言わずにとしよりは次の駅で降りた。

娘は坐った。

別のとしよりが娘の前に

横あいから押されてきた。

娘はうつむいた。

しかし

又立って

席を

そのとしよりにゆずった。

としよりは次の駅で礼を言って降りた。

娘は坐った。

二度あることは と言う通り

別のとしよりが娘の前に

押し出された。

可哀想に

娘はうつむいて

そして今度は席を立たなかった。

次の駅も

次の駅も

下唇をキュッと噛んで

身体をこわばらせてーー。

僕は電車を降りた。

固くなってうつむいて

娘はどこまで行ったろう。

やさしい心の持主は

いつでもどこでも

われにもあらず受難者となる。

何故って

やさしい心の持主は

他人のつらさを自分のつらさのように

感じるから。

やさしい心に責められながら

娘はどこまでゆけるだろう。

下唇を噛んで

つらい気持で

美しい夕焼けも見ないで。

 
 
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最近の、「現代詩」と名の付くわけの分からない詩を書いている詩人たちよ、これを声に出して読んで、そう、朗読して、目覚めよ!
 
じゃーねー
 
まったねー
 
 
追記
 
おっと、朗読して欲しい人物って、もし読み手のことを指しているのなら、女優の木村多江さんかな。
 
この人、凄いと思うよ、演技も朗読も。
 
ほんじゃ
 
 
 

 

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