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わたしが初めてじぶんの顔に医療的な細工を施したのは2015年の6月、鼻のヒアルロン注射だった。

本格的にアイドル活動を初めて1年近くが経過して、本当に人気なくて
身近にいる人間が冗談(と本人は言っている)で
ブスと毎日連呼してきたこと

そして初のワンマンが間近になってきたことがきっかけで、
5万円という頑張れば手の届く金額だったことから
注射を施した。


この注射は少し鼻に筋を通す注射で
直後でも化粧してたら人にほとんどバレない程度の注射で

翌日「なんか今日ぴっちゃん顔めっちゃ調子よくない??」
「今日めっちゃ盛れてるよね!」「なんか可愛い!」  と、口々に言われた。


それから初のワンマンを終え、
ワンマンの映像が送られてきた。


それを見た時わたしは心底がっかりした。
じぶんの歌って踊っている時の表情を鮮明な画質で、アップで見るのが初めてだったのである。

もう、見ていられない。
ありえない程ぶすで、正直言ってわたしは泣いた。

おばけくん

わたしがこれ程じぶんの顔に執着してしまうのは、割と生まれつきで。

3~4歳の時、リビングのテレビの上にじぶんの写真が飾ってあるのを見る度まいにち嫌な気持ちになった。

もっと可愛くなりたい なんでこんな顔なんだろう

幼少期からそんな風におもった。


わたしのコンプレックスは顔だけではなかった。
頭もわるくて運動神経も良くなくて
争いが嫌いでどんくさいので 幼稚園も小学校も普通にいじめられた。

だから本当に自分に自信がなかった。


頭がわるいことについてはどれだけけなされても
あまり傷つかなかった。
テストや成績表を見られてばかにされても平気だった。
それに対して顔のこととなると過剰に病んだ。


ぶすと言われる度しにたかった。

歯

ある日ドラマ花より男子で、
「あなた達だって欲しい物をお金を払って買うでしょ?お金を払って綺麗な顔を手に入れて何が悪いのよ!」
というセリフを耳にした時、とてつもなく感動を覚えた。
その通りだ とおもった。


AKBが全盛期だった頃、
ともちんのことを整形じゃんって言う人を目にする度まじで話し合いたかった。


まじで それが一体なんなの と2853回はおもった。
だって こんなに可愛いじゃん。
整形したから こんなに可愛いじゃん。
それが元々か途中からで何か変わんの?と思った。

よく母が生んでくれたなんちゃら とか言う人いるけど

別にままが粘土みたいに こねこねして作ったわけじゃないし
パーツ選んで生んだわけじゃないじゃん!

たまたまこの顔になったんじゃん

バイキンくん

ある日ままがアイプチを買ってきた。
当時はアイプチはそんなに世間に浸透していなかった(たぶん)

やってみなよ  と言われたけど
当時のわたし(小6?中1??くらい)には
難易度が高すぎてできなかった。


それを高1か高2のとき、
ふいに もう一度挑戦しよう と思って
それからアイプチが欠かせなくなった。


しかし私の通っていた高校はかなりキチg…
あ、ありえないほど厳しくて

(眉毛検査とか持ち物検査とか携帯もだめだし
入学前は聞かされてなかったのに入学してみたら男女校舎分けられてて しかも不順異性交遊禁止とか言い出して 携帯だって高校案内の本には持参OKって書いてあっ…ry)


わたしは別に先生に特別反抗したい精神とかは持ち合わせてなくて
スカートとか注意されたら その一瞬はちゃんと直してたし 
けど どうしてもアイプチだけは譲れなかった。


生まれつき一重の人と二重の人がいて、
てか のりで二重にしたら それがなんなんですかって思うし


で とある日。

卒業も間近の頭髪検査まで、わたしはアイプチを毎回注意され続けた結果、

担任から クラスメイト何人もいる前で
「そんなにやめられないなら整形しなさい!」と
怒鳴られた。

泣いた。

そうだね、じゃあしますよ と思った。

宇宙人くん

で、話は戻って ワンマンの映像を見たとき
やっぱちゃんと二重にしないとだめだ と感じた。


やっぱりアイプチは、過剰に汗を書いた時に落ちてしまうし一重に戻っちゃう。

そして、お金を貯めて10月。
二重になった。


本当はくっっっそびびりなので
ずっと怖くてできなかったカラコンも、した。


そしたらまじで顔変わった。


ここまでくると もうバレないようにとか思わなくなった。
いつか売れて有名になる と信じて疑わなかったから、
どうせなら一刻も早く可愛くなりたかった。

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昔メンバーと少し言い合った時、
ボイトレちゃんと行った方がいいよ!って話したら

「アイドルとしての優先順位は人それぞれで
わたしは顔の方が大事だからそれが一番だから
化粧品に金使いたいから。
    あなたに指示されたくない」

と言われた。
(そのメンバーは私の整形のことを知らなかった)


その言葉にわたしは史上最強の怒りと悲しみと悔しみがこみ上げて
1晩中メルカリで化粧品を買い漁った。


わたしは歌もダンスも顔も、
しぬほど努力してきた。

この記事は顔の話だけど、



本当はお金だって無い。注射も大っ嫌い。
痛いのも怖いのも大っ嫌い。

それでも 可愛くなりたいから。
可愛くないから人気がない (と思っていた) から。

一生懸命貯金して 怖さと痛さに耐えて。


鼻ヒアルロン、二重埋没、涙袋ヒアルロン、
美白点滴、顎ヒアルロン、耳介軟骨移植。


その他にも美容院もまつ毛パーマもちゃんと怠らずやってきた。


被害妄想かもしれないけど、
こんなに頑張っても まだ顔面が認められてない、
顔に意識いってないと思われてるのかも、
パフォーマンスしか頑張ってないと思われてる

って思って本当に悔しくて

それで化粧の動画も見まくったし
化粧品も買いまくった。メルカリで。


これがわたしの顔面の話です。

おばけくん

わたしはネットに 整形って書かれたとき
別に焦りもしなかったし
バレたくないとも思わなかった。


「ぴっちゃん顔変わりすぎ」って書かれた時、
わたしは嬉しかった。

わたしには褒め言葉でしかなかった。努力の結果でしかなかった。



そもそも本当は当時の時点でブログに描きたいくらいだった。

きいて!頑張ったんだよ!
痛いのも怖いのも我慢して、貯金もして
こんなに頑張って こんなに変わったんだよ!

って。
(褒められたい星人だから)


でも、やっぱ それって
当時のわたしにとって 一か八かすぎることだったから。

当時のわたしは自分達が売れて有名になる未来しか見えていなかったので
これが大きくプラスになるか大きくマイナスになるか、

どっちかだと思うと リスクが大きすぎてチキってしまった。

生ビール

いや〜 今もそりゃ可愛くなりたい精神はあるけど、
お金貯めて 恐怖と戦って、
なおかつダウンタイムがあるものに関しては
外出られなかったりシャワーが色々めんどくさかったり
痛みが続いてたり 薬塗らなきゃいけなかったり


そんなにいっぱい我慢してまで しようとは思えないですね。(∩´﹏`∩)


本当に現役時代のわたしはえらかった。
えらすぎてじぶんで褒めちゃうよね(∩´﹏`∩)


でもアイドルやらなかったら絶対確実に整形なんかしなかったと思うから、
今のじぶんと出会えて わたしは良かった。です!