冬ざれ/ふゆざれ
三冬
 

冬され/冬ざるる
 
冬になり草木が枯
れると共に海、山
など見渡す限りの
景色が荒れ果てた
感じをいう。「冬
されば」の誤用で
「冬され」ともい
う。


冬ざれや北の家陰の韮を刈る
蕪村 「五車反古」
冬ざれや小鳥のあさる韮畠
蕪村 「蕪村句集」
冬ざれや足にこたゆる貝の殻
闌更 「三傑集」
冬ざれやきたなき川の夕烏
定雅 「続明烏」
冬ざれや厨に赤き蕪かな 
正岡子規 「子規句集」
冬ざれて火焔つめたき不動かな
正岡子規 「子規全句集」
大石や二つに割れて冬ざるる
村上鬼城 「定本鬼城句集」
(きごさい)より。




万物枯れて荒涼とした様子





例句


冬ざるる夜の木更津甚句かな

清水基吉


冬ざれや乾きて白き河原石

村田近子


冬ざるる残留孤児のイヤリング

高木篤子


冬ざれの文士の墓は石ひとつ

松宮幹彦




クロッキー



海望む外人墓地や冬ざるる

冬ざれて巨大な墓の君臨す

冬ざれてゐるパドックの競走馬

冬ざるるピカソの巨根ゴッホの耳

ビル街に将門塚の冬ざれて

金綺羅錦の坊主の袈裟や冬ざるる

人妻の去りゆくリボン冬ざるる

七病に食ひ荒らされて冬ざるる



冬ざれで一句どうぞ。