初夢/はつゆめ
新年
夢祝/夢流し/初枕/獏枕
 

元日の夜または二
日の朝にみる夢。
二日の夜に見る夢
を初夢という地方
もある。縁起のよ
い初夢として「一
富士二鷹三茄子」が
あるが、吉夢を願
って宝船の絵を枕
の下に置いて寝た
り、悪い夢は「獏
に食わせろ」と唱
えたりする。


はつ夢や正しく去年の放し亀
言水「柏崎」
初夢や額にあつる扇子より
其角「五元集拾遺」
初夢やさめても花ははなごころ
千代女「書簡」
はつ夢や鷹ふところにぬくめ鳥
蓼太「蓼太句集三編」
口々に指折る人や夢はじめ
麦水「葛箒」
初夢に古郷を見て涙かな
一茶「寛政句帖」
初夢や金も拾はず死にもせず
夏目漱石「漱石全集」
初夢もなく穿く足袋の裏白し
渡辺水巴「水巴句集」

(きごさい)より。




初夢 悠


初夢に恋しきひとの顔忘れ

初夢のおほかた作りばなしかな

七十年初夢一つおぼへなし

初夢の続きを生きて老ひにけり

初夢でまた母親に泣かれけり





初夢で一句どうぞ。