ゆふぐれを鬼女のさまよふ花野かな







花野/はなの
三秋
 

花野原/花野道/花野風
 
萩、薄、桔梗など
秋の草花が咲き乱
れる野原のこと。
秋風の中、哀れをさそう
 
夏に耐え冬(死)へ向かう衰微の美しさがある。

面白く富士に筋違ふ花の哉
嵐雪「風の末所収」
川音の昼はもどりて花野かな
千代女「千代尼句集」
吹き消したやうに日暮るる花野かな
一茶「伊丹酒船の記」
から駕籠の近道戻る花野かな 
正岡子規「子規句集」
雪峰へ日影去りにける花野かな 
渡辺水巴「水巴句集」




俳諧作法


虚に居て実を行ふべし
実に居て、虚にあそぶ事はかたし


虚構の中にリアリティを実現すること
事実を前にフイクションを創作することは難しい

芭蕉先生語録




難民や空いつぱいの鰯雲・朝日俳壇





私は難民を知らない。テレビなどで垣間見ただけである。
実際に彼等の前に立てば、創作の翼は飛翔力を失ったであろう


詩とはイメージの追跡ではないか?