送り火/おくりび
初秋

送り火に明日は我身の送らるる




魂送り
盆の十五日または十六日に先祖の魂を送るために焚く火。豆殻、苧殻などを門前で焚く。

例句
なつかしや送火にさそふ風の色
来山「渡し舟」
はづかしと送り火捨てぬ女がほ
言水「大湊」
送火の山へのぼるや家の数
丈草「草苅笛」
送り火や顔覗きあふ川むかひ
太祇「太祇句選」
送り火や今に我等もあの通り
一茶「句帖写」
いとせめて送火明く焚きにけり
長谷川零余子「雑草」
送り火をして連れもなく妻帰る
原石鼎「原石鼎全句集」





芭蕉の言葉


俳諧といふは別の事なし
上手に迂詐をつく事なり


芭蕉先生語録


俳句はノンフィクションではない
すべての芸術表現と同じようにフィクションである
フィクションとは作り事であり、俳句も例外ではない
大事なことは
まことしやかな嘘をつく事である
細部の真実を積み上げ、大きな虚構を創る事である

(芭蕉百名言・山下一海)より。


一句どうぞ。