俳諧日誌 8・12


夏草の雌雄の蛇となりにけり



夏草/なつくさ
三夏
 

夏の草/青草
 
夏に生える草の
総称。炎天下力強く伸び、生い茂る
様は生命力の横溢が迫る。


例句
夏草や兵共がゆめの跡
芭蕉「奥の細道」
夏草や所々にはなれ駒
闌更「闌更 半化坊発句集」
夏草に身をほめかれて旅の空
鬼貫「鬼貫句選」
夏草に松の木やせる岡辺かな
曽良「続別座敷」
夏草に狩り入る犬の見えぬなり
召波「春泥発句集」
夏草や立ちよる水は金気水
一茶「御桜」
夏草や野武士が持てる馬の数
大魯「蘆陰句選」
朱ケの月出て夏草の鋭さよ
川端茅舎「川端茅舎句集」





・芭蕉の言葉

発句は取合せ物と知るべし。

悠意訳
発句(俳句)は甲と乙の取合せによって決まる。
甲は季語、乙は甲を引き立てる別な素材である。
例えば肉料理に取合せる野菜サラダのような物。
肉に野菜を取合せることによって、肉の旨さがより引き立ち、その肉料理の幅が拡がる働きをする物を取合せることである。




夏草で一句どうぞ