↑U-NEXTで観ました。
1971年、ヴィスコンティ作品。


原作はトーマス・マンの小説で、遠い昔に読んだことがあって、老小説家がヴァカンスに訪れたベニスで美しい少年に恋をしてしまう話なもんで


言ってみればBLモノって事になるんだけど、なんとも儚く美しい恋のお話で大変心に残っていたんですよね。


映画にもなっている事はだいぶ後になって知って、機会があったら観てみたいなーくらいに思っていた作品なのでありますニコ


原作では老小説家になっていた主人公アッシェンバッハは映画では音楽家になっていて、小説でも映画でも具体的な年齢は示されないものの、


小説の描写ではもう少し老人をイメージしていたけど、映画でダーク・ボガード演じる主人公は老年というよりは壮年って感じですよね。




そして、


↑アッシェンバッハが恋する美少年タージオを演じたのは当時、世紀の美少年といわれたビョルン・アンデルセン。


彼にホテルのレストランで出会うなり、雷に打たれるが如く、恋に落ちてしまうアッシェンバッハなんですけど、


触れる事はおろか、声をかける事もなく、遂にはタージオの姿を瞳に映したまま、疫病にかかって死んでしまうんですよね。


映画では何度か目を合わせるんだけど、確か小説では目が合うか合わないかくらいで、ほぼ接触ゼロ。だからこその究極の恋って事なんだと思います。


THE 耽美派のヴィスコンティなので当然、映像も美しく、この作品においては音楽の美しさも非常に印象的でした。


主演のダーク・ボガードはお気づきの方もいらっしゃるかもだけど、先にブログに書いた「愛の嵐」の元ナチスの将校、マックス役も演じていましたね。


一方、美少年タージオを演じたビョルン・アンデルセンは、スウェーデンの生まれで、生後すぐに父が家庭を捨てて出て行き(←その後すぐ亡くなる)母はそれを苦にして自殺、


祖母に育てられるんだけど、祖母は彼の美貌をお金に変える事に熱心なステージグランマ、今作のオーディションで数千人の中からタージオ役に抜擢されてからは


バイセクシャルであったヴィスコンティに性的搾取をされたと後に本人が告発…となかなかに幸薄い生い立ち…ぐすん


そんなビョルンの出演している映画…それも現在の彼の出演作を最近知らずに観ていたんですよねガーン


一度、映画などで観た俳優さんは作品名こそすぐに出ないものの、以前に観たことは大抵覚えているんだけど、



↑こちらはさすがに気づきませんでした!


↑昨年、どうしても劇場で観たくて、終わりかけの時期の夜最終上映でほぼ貸し切り状態で観た、
「ミッドサマー」の中の非常にセンセーショナルな場面に現在66歳のビョルン・アンデルセンがで出ていたんですよね〜。


キャスティングの妙。アリ・アスターさすがです✨



↑畑の隅に菫を見つけましたキラキラ