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👖 ⑲ついに伝説のレコードショップかわしまを見る
「いいね」は押せるようになったが、かわりに出現したまったく似てないのに「あなたと似ているブログ」という、いらんページの内容が毎回同一人のブログがズラリと並ぶ意味不明のエラーは、いまだに改善される兆しがない
あのページ正直、何の必然性があるのかまったく理解できないから今すぐやめるように。と、親切心から忠告しておこう
という前おきはともかく……
今回の散策は東行田駅を起点に、それとは知らずに千人同心街道をトレースして旧市街の外れまで到達し、そこから路地裏に入って駅前通り(中央通り)の裏通りまで見て回った
つまり行田市の横のラインを見終えたので、ここから先は残った縦のライン、中央通りとそれと平行している八幡通りを散策するので、順路的に駅前から南に伸びる中央通りに向かう
ところが中央通りと名付けられた駅前通りは、やけに道幅は広いくせに普通なら駅前に見られる賑わいとは無縁で、あちこちに更地が目立つ閑散とした雰囲気が漂っていた
この中央通りは千人同心街道が横切る……少し前の記事で紹介した埼玉県では貴重な近代銀行建築の「武蔵野銀行行田支店」の十字路の先まで続く、いわば行田市のメインストリートと呼べる道のはずなのに、これではまるでゴーストタウンである
先ほどまで見てきた1本裏の壊滅した商店街の様相と考え合わせると、人びとのライフスタイルの変化という要因はあるにせよ、利便性を高めるという大義名分で、無駄に道路を拡げたのが衰退した直接的な原因であろう
タイトルに「26」とあるように、今まで僕は埼玉県のこうした昔は栄えていた宿場町を見てきたわけだが、こういった道路拡幅や区画整理によって、町が繁栄した例を一度たりとも見たことがない(賑わうのは大型ショッピングモールのみだ)
埼玉県にかぎらず千葉県でも事情は同じで、区画整理によって道幅が広がるとそれまでは右から左に移るだけであった単純な動線が絶たれ、わざわざ信号をわたる必要が生じる
するとそこに川が流れているのと同様に、越えなければならない心理的障壁が出来てしまう
常々僕が唱えている「広い道路は町を分断して結果として滅ぼす」という法則は、ここでも見事に証明された
という話はともかく……今回の行田市散策でこれだけはチェックせねばと思っていた物件があった
といっても、それは横田酒造のような由緒正しい伝統的な建物ではなく、どちらかというと“ゲテモノ”に分類されてしまうような類いの物件だ
しかし、ずいぶん以前に行田市について調べていたときに、いちばん印象に残ったのは立派な伝統的な建築物ではなく、その“ゲテモノ”的な建築物であった
その物件は駅前広場からすぐの場所にあるはず……と、思い出す暇もなく路地裏から中央通りに出た正面に聳えていた
それが「レコードショップ かわしま」である
都心部のように土地が高騰している上に、そもそも建物を建てる余地がないならともかく、広い敷地など獲り放題の行田市なのに、この極細の建物は明らかに狙ったものだろう
建物の入り口はまるで鍵穴のようなかたちになっているが、2階の窓からするとレコードプレーヤーに乗せたレコードを、上から見下ろした眺めを模してデザインしたものだと思われる
偶々、歩道がチェック模様なのと相俟って、やたらとメルヘンちっくな雰囲気を醸し出していた
モチーフがレコード板ということから類推して、おそらくレコードがまだ全盛期だった1970年代頃の建造だと思われるが、見た感じ定休日というよりも、やはり廃業してしまっているような雰囲気であった
気になったので調べてみると、驚いたことに現役で営業しているらしく、どうやら今回の散策では行田市駅付近の商店街の定休日に偶々当たってしまったようで、さすが定休日を引くコンビと言わざるを得ない
これで駅前付近にある目当ての建物は見たので……
少し前の記事に掲載した「武蔵野銀行行田支店」を横目に見つつ、この写真を撮影している僕の立ち位置の真後ろに続いている中央通りにすすむ
中央通りは道の歩道の両側に屋根が架かる片側アーケードになっていて「あらまちアーケード街」と名付けられ冠に「ハミングナード」というニックネームらしきものが付けられていた
しかし、ここも繁栄していたのは昔の話のようで、アーケード街入り口の「いらっしゃいませ」と記されている看板の左手には、いきなり建物が取り壊されたものと思われる更地であった
(ハミングバードならわかるがナードって)
アーケード街の看板のすぐ先にも「レコードショップ・かわしま」と同様に「行田市に行ったら見ておかねばなるまい」と決意していた物件が、取り壊されたりせずに、呆気なく姿をあらわした
いつ廃業したのか見当もつかない「Gパン BIG DALLAS」である
まず冠についている「Gパン」という名詞を見ただけで「太陽に吠えろ」で優作が演じたGパン刑事を連想するように、明らかに1970年代のセンスを感じさせた
というのも、1970年代以降に生まれた者なら「Gパン」という単語がすでに死語の世界なので、そのことからも創業されたのはおそらくベルボトム全盛の1970年代だと類推できる
さらに「ビッグ○○」と頭につけるのは、元々アメリカのワークウェアのブランド「ビッグ・マック」「ビッグ・スミス」「ビッグ・ビル」あたりが起源で、そのセンスがアメリカっぽいということで、日本のGパンメーカー「ビッグジョン」がパクって広まったという経緯がある
それがとくに屋号をあらためるでもなく残っているということは「Gパン ビッグ・ダラス」が廃業してしまったのは、ずいぶん以前のことであろう
この「ビッグ・ダラス」と細い路地を挟んだ向かい側にも地味だけど見逃せない物件が残っていた
なんともかわいらしい小さな土蔵造りの店蔵「今津印刷所」である
「今津印刷所」というのは建物の横の部分に「今津印刷所 専用駐車場 事務所はここです」という看板が出ているからそう判断しただけで、本当にそういった屋号の印刷所なのかは、今となっては知るよしもない
もしかしたら、隣にある建物が取り壊されたものとおぼしき更地に今津印刷所があったのかもしれないからだ
店舗の上部の漆喰塗りの部分を見るとまるで上から墨を吹き付けたように見えることから、本来は黒漆喰だったものが剥げ落ちたものと考えられる
見事に伝統様式を踏襲しているのに、こんなにコンパクトにまとまった店蔵というのは今まで見た記憶がなく、朽ち果ててしまう前に一刻も早い文化財登録と保護を望みたい物件である
その向かい側にも「(株) ジャパンフード」という看板の出ている出桁造りの建物や、和菓子屋と思われる「風月庵 行田店」という看板建築が並んでいた
その横には大きな建物が取り壊されたものと思われる更地があり、なんとなく嫌な気持ちになったが、これはまだ序章に過ぎなかったのである
ということで、東行田付近の千人同心街道、そして行田市駅の西側の路地裏と2ヵ所の古民家密集地帯を見てきたが、ここから先が行田市第3の古民家密集地帯となるので期待して待て!
続く
†PIAS†
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