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😽 ⑤真昼の初音小路と錻力吉川を見にゆく 

 

 

 

 

 

旧古河庭園から駒込駅に向かい山手線に乗って谷根千まで移動した

 

説明するまでもなく谷根千とは谷中、根津、千駄木の総称で、まず最初に見に行ったのは昭和の雰囲気をそのままとどめた「初音小路」というアーケードである

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アーケードといっても、こちらは行き止まりの路地に屋根を架けたもので、入居しているテナントのほとんどは飲み屋なため、訪れた時間が早く店は1軒も営業していなかった

 

 

アーケードの奥のほうに「都せんべい」という煎餅屋があるが、どういうわけか僕が訪れたときはいつも閉まっていて、営業している光景を一度しか見たことがない

 

この日もそのセオリーどおり「都せんべい」はやはり閉まっていた

 

 

 

 

 

 

 

 

初めて見る初音小路を撮影するMちゃんをまたしても盗撮するオレ

 

ところで、この初音小路の向かい側には、個人的に谷中界隈でも好きな建物ベスト5の地位から揺るがない素晴らしい物件が残されている

 

 

 

 

 

 

 

 

それがこちらの昭和初期頃に建造された2軒並んだ出桁造り商家である

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今どき「ブリキ店」というのもイカしているが、その建物が銅板葺きの戸袋や雨戸というのも最高で、谷中を訪れるたびに見たくなる物件と言えよう

 

その隣にも見事に旧態を活かしたリノベーションが為されている出桁造り商家があり、じつは古民家があまりない谷中銀座界隈では貴重な景観になっている

 

 

 

 

 

 

 

 

 

隣の出桁造り商家の2階の御多福窓も素晴らしいが、「錻力店 吉川」は、店舗の前に江戸時代風の街灯を設置するなど町のムードを盛り上げようという姿勢が素晴らしい

 

この通りには、少し先に朝倉彫塑館があるけれど、それだけではなく有名な「カヤバ珈琲」の方向に向かって古民家が点在していて、通り単位でいったら根津神社の参道と並び谷根千でいちばん古民家密度が高いかもしれない

 

 

とはいえ、Mちゃんには谷中銀座を案内したかったから、マニア度の高いそちらは避けて夕焼けだんだんを降りて谷中銀座を抜けた

 

 

 

 

 

 

 

(2019年撮影・夜の夕焼けだんだん)

 

 

 

 

 

(2017年撮影・夜の谷中銀座)

 

ーーが、彼女はあまり興味なさそうだったので、このコース選びはちょっと失敗だったかもしれない

 

そして僕も暑くてボーッとしていたので谷中銀座の写真は1枚も撮影していないことに、帰宅してから気がついたので、過去に撮影した写真を並べて誤魔化しておく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

谷中銀座から夜店通りに抜ける

 

先ほどは、しもふり銀座のカフェに入ったが、この通りは同じく谷田川を埋め立てた川跡なので、つまり谷田川の上流部から下流部に移動したことになる

 

当日は少し舞い上がっていたのか、彼女にそのことを伝え忘れた気がするが、このコースを選択したのは、そういったマニアックな理由だったわけだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜店通りを不忍池方面に向かって歩いていたら、建物を取り壊した奥行きのない更地の奥にある不思議なビルが目に入った

 

谷中銀座には食いつかなかったMちゃんもこれにはガッチリ食いついたようで、喜んで撮影していた。なんだかシュールな光景である

 

 

これは建物の裏側だが、窓だと思われる部分のすべてが、きっちりと緑に覆われているのだ。この部分は建物が取り壊されていなければ見えることはなかったはずだ

 

このグリーンは、おそらく窓の目隠しと「もじゃハウス」の蔦は、エアコンの効率を上げるという性質を利用した省エネの工夫なのではないかと思われる

 

 

しかし気になるのは、そっちの話ではなく更地にされてしまう以前には、どのような建物があったのかということであろう

 

そこで、いつものように過去のストリートビューで確認しようと思ったら、なんのことはない解体されたのはごく最近のことで「現在」ということになっている場面に……

 

 

 

 

 

 

 

 

このようなごく普通の昭和なビルが建っていたことが判明してズッコケる

 

 

それにしても、これらの昭和なビルは、どう見ても昭和40年代以降に建てられたものなのに、それがもう建て替えという事実は重要であろう

 

先ほど見た出桁造りの「錻力 吉川」は、百年近い昔に造られたのに、まだこれから百年は使えそうなのに、鉄筋コンクリートのビルの寿命はわずか半世紀……

 

 

この一事を見ただけで、どちらが地球環境に優しいのかは一目瞭然である

 

なのにも関わらずこの東京の町では、今日も貴重な古い建物が無惨にも取り壊され、半世紀もすれば始末に負えない巨大な粗大ゴミとなる見た目だけは立派なゴミクズと入れ換えているのだから、まさに「愚行」の極みと言えるだろう

 

 

 

などと、いつものように毒を吐きつつ……続く

 

 

 

 

 

 

 

†PIAS†

 

 

 

 

 

 

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