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🍖 final 幻となった六号大通り商店街を発見する
京王線の幡ヶ谷駅のメイン商店街「六号通り商店街」は、水道道路を越えるといきなり寂れた雰囲気に変わった
通りをそのまますすむと坂道を下りきった地点で交差している道も以前は「六号坂商店街」という商店街だったようであるが、現在、はその痕跡が残っているだけだ
「六号坂商店街」と交差したあと六号通りは神田川の支流である和泉川を埋め立てた緑道と交差しており、その交点にあったのがタイトルバック写真のバラックじみた平屋建ての住宅廃墟(?)である
和泉川を越えた先も廃業してしまったような看板建築などが町並みに混在していて、かつての「六号通り商店街」は現在よりも広い商圏を持っていたのに、徐々に寂れていることが読みとれる
これは観光地や繁華街化した場合を別にすると首都圏全域で見られる傾向で、つまり商店街という存在そのものが衰退傾向にあるということに他ならない
などと、いつものように商店街の行く末を懸念していると「肉と惣菜 松屋」という、歴史がありそうな精肉店があったが……
精肉店の角から左手に向かう路地の佇まいが、なんとなく気になる。長年町歩きをしていると、風景を見たとたんに何故か直感が走ることがあるが、このときも「この先には何かある」
ーーと、根拠のない直感が閃いたので、
曲がってみると、その路地はたしかに昔は商店街の続きだったようで、廃業してしまっている商家が何軒(*写真上 茶舗と豆腐屋。向かい側には八百屋もあった)か確認できた
そのうちの1棟、ファサードが錆びついた店の前には真新しいケースが積まれているのが確認できるから廃業しているのか、あるいはまだ現役で営業しているのかなんとも言えない
屋号などを記した文字はどこにもなく廃業物件の特徴である“ベタベタ貼られた政党ポスター”は、明らかに廃業物件を示唆しているが、店の近くまで行ってみると……
うず高く積まれた青いケースの横に置いてある段ボール箱には「特選規格 豚肉」という文字が確認できるので、おそらく廃業してしまった店舗を、「肉と惣菜 松屋」が作業場として使っているのだろう
この物件の斜め向かい側にも
キリンレモンの袖看板が出ている昭和な雰囲気のモルタル物件があった
袖看板にはキリンレモンの他にも「平野精米店」と記されているので、精米店だったことは明らかであるが、閉ざされたカーテンと店頭のプランターが廃業を示唆していた
よく見ると、この細い路地裏にも商店街のあかしであるデザインされた街灯が見えるが、商店街の名称を記した看板は取り外されてしまっており、痕跡だけが残されていた
商店街の名称が気になったので過去のストリートビューを見てみると「六号大通り」という商店街だったことがわかった
つまり、かつての幡ヶ谷には「西原商店街」「六号通り商店街」「六号坂商店街」「六号大通り商店街」と4つの商店街が存在していたが、そのうちの駅から離れた2つの商店街が消滅したことになる
どうでもいいけどS-660よりビートのほうがデザインの完成度が高いよね
という本当にどうでもいい話はともかく、念のため「平野精米店」の先を見てみたが、完全に住宅街になってしまったので……
来た道を戻り「六号通り商店街」の入り口付近までやってきた
このまま同じコースで帰ってもツマラナイから、大繁盛している青果店の先の細い路地を右に曲がってみる
すると、さすがに駅前付近だけあって路地裏にも飲食店が並び通行人は途切れることがない
これが埼玉県の加須や千葉県の茂原ではこうはゆかず、かつての賑わいは夢か幻のように消え失せ、路地裏どころかメイン商店街ですら閑古鳥が鳴く始末になっている
よくも悪くもこれが東京の特徴で、とにかく人口が多いため住宅街を歩いていても通行人が途切れることはあまりない。それなのに寂れてしまう商店街があるのは、ライフスタイルの変化という要素が大きいのだろう
シリーズ冒頭で述べたとおり、幡ヶ谷駅を降りたのは生まれて初めてのことで、いまひとつ町の構造がわかっていないが、前をゆく人びとの最大公約数の流れに従いテキトーにすすむと、町の深部といった雰囲気の場所に出た
なんとなくみんなが入ってゆくビルがあったので、これは「ビルを通り抜ける」ルートが地元民のデフォルト設定になっているにちがいない
そう思ってビルの1階にある飲食街を抜けると甲州街道に面した「幡ヶ谷駅」の出口の真横に出た。というより最初からビルの一角が京王線の出口になるように設計したようだ
これで幡ヶ谷の町はだいたい見終えたので……《杉並と新宿に接する渋谷区》おしまい
次のシリーズは中山道板橋宿でやり残した宿題があるため、それを果たした記事にする予定であったが、急遽、とある素敵な女性とお会いして散策したので、その顛末を
†PIAS†
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