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🚃 家系ラーメンを食べたついでに明大前を散策した 

 

 

 

 

 

明大前は京王線と京王井の頭線が交差しているハブステーションなのにも関わらず、商店街らしきものがほとんど見当たらない

 

いや、一応ないこともないといった程度で、わりと賑やかな隣駅の永福町や下高井戸はもちろん東松原などという、地元民以外は用事のない地味な駅よりもさらに寂れている

 

 

駅の北口から甲州街道までのあいだには、マックやドトール、なか卯などの飲食店はあるが、商店街というほどの規模はなく1分も歩けば甲州街道に出てしまい、その先には明治大学和泉キャンパスがあるだけだ

 

しかし、明大方面に向かわず左に曲がると微妙な感じの商店街があり、途中で丁字路にぶつかり、京王線の踏切のほうに続いていた

 

 

 

 

 

 

 

 

どうやら商店街は踏切の先、つまり明大があるのとは反対方向に続いているようなので、電車の通過を待って駅の反対側に向かうと奇妙な風景が目に入ってきた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

上の写真が下り八王子方面を撮影した写真、下の写真は明大前駅ホーム、つまり新宿方面を撮影した写真である

 

 

ご覧のように電車の線路に沿って、幅7~8メートルほどの土地がすべて更地にされてしまっているのだ

 

よく見ると線路沿いには下り方面に向かって商店街の街灯が並んでいるのに、その街灯が照らすべき商店街の町並みがどこにも存在しておらず、枝豆のような街灯が虚しく更地を照らしている

 

 

これは、考えるまでもなく線路に沿った町並みが、根こそぎ立ち退かされたものと考えてよいだろう。さらに推理をすすめると、おそらくこれは小田急や東急などはすでに達成している高架線化、複々線化の一環であろう

 

こうなってくると、ここにどんな町並みがあったのか、読者諸賢も気になるところだと思われるので、いつものように過去のストリートビューを参照してみると……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうやらかつてはバラックじみた飲食店やクリーニング店などが並んでいたことがわかった

 

この風景は電車で通過するさい、何度も目にしているはずだが、さして特徴的な町並みではなかったため、記憶に残らなかったようだ

 

 

ビューからキャプチャした画像を見ると銭湯の煙突らしきものが写りこんでいるが、現地でそんなものを見た記憶はないから、ついでに銭湯も解体されてしまったのだろう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

踏切を越えて商店街を先にすすむが日曜日だったせいなのか「越中郷土料理 魚津」という渋い店のほか「AEON まいばすけっと」など数軒が営業しているだけで閑散とした空気が漂っていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらの凝った入り口は、なんとなく医院のように見えたが看板のたぐいは出ていなかった

 

「朝日屋」という蕎麦屋は定休日というだけのようだが、隣にあるモルタル外壁の店は、廃業してしまった店には定番の白いカーテンで内部が見えなくなっている

 

 

商店街は、この先に数軒の店があるだけで、すぐに住宅街に飲み込まれてしまい消滅するが、「朝日屋」の向かい側に信じられないような建物を見つけた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんと、驚いたことに洋館風の出窓建築が付随する文化住宅である

 

この様式は、昭和初期頃に東京周辺で流行したもので、同名の関西の文化住宅とは別物だ。かつては古くからの住宅街ではたいてい見られた建物だが、近年になって代替わりによる相続の関係などのより急速にその数を減らしている

 

 

こちらの建物は平入切妻の平屋建てに、妻側を向けた出窓の部分があるだけではなく、その横にもうひとつ同じ構造物が付随しており、よく見ると、そこにも入り口のドアがついていた

 

ということは、向かって左の部分は居住スペースの入り口、そして右は店舗、もしくは何らか作業スペースだったものだと考えられる

 

 

しかし、このデザインで店舗というのはないだろう。おそらく踊りやお琴、書道などの教室、家内制手工業の作業場、あるいはこちらも医院だったのかもしれない

 

文化住宅の先ですぐに商店街は消滅してしまったので、左折して駅前方面から伸びるもうひとつの道に向かう

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらの通りは、先ほどの地味な商店街よりもさらに店舗数が少なく、数軒の店のほかは、かつては店舗があったような場所にも新しいマンションや無駄な更地(駐車場)があるだけのいたって地味な商店街であった

 

 

しかし、通りの左手を見ると信じられないことに、またしても……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

洋館風出窓建築付きの文化住宅があるではないか!

 

こちらの建物は、洋館風出窓の部分の屋根が微妙にむくったような凝ったデザインになっており、壁面がレモンイエローに塗装されているのが洒落ている

 

 

それにしても首都圏においては絶滅危惧種の文化住宅が、駅から徒歩数分のところに2棟も残っているのは極めて希な事例で、おそらく明大前駅の付近は、商業地区ではなく開発当初から住宅街的な性格の町だったのだろう

 

 

 

 

 

 

 

 

そこから駅までは徒歩2分程度であるが、ここでも道の両側の建物がすべて取り払われて更地にされており、これも複々線化工事に伴う区画整理の一環であろう

 

 

ちなみに駅に向かって右側には、かつて数軒の店が並んでいたが、左側には京王電鉄関係の施設があり、立入禁止の看板が出ていたので、これだけ更地だらけに見えて、取り壊された建物はさほど多くはない

 

家系ラーメンを食べた腹ごなしに、見所などは何もあるまい……と、思っていた明大前駅付近をウロウロしてみたが、意外なことに短時間だが、わりと楽しい散策になった

 

 

というわけで、家系ラーメンを食べたついでの記事ではあるが、じつはこの散策は、次のシリーズのフリにもなっている

 

 

どういうことかというと……

 

記事の冒頭に記したように、僕にとって京王沿線は近場なのにも関わらず“アウェイ”なエリアで、今までこのブログでも下高井戸と調布、笹塚ぐらいしか取り上げてこなかった

 

 

そんな苦手意識を払拭するため次のシリーズは、明大前のふたつ新宿寄りの駅である幡ヶ谷駅周辺を散策すると、地味ながらこれがかなり楽しい散策となった

 

 

《家系ラーメンを食べたついでに明大前を散策した》おしまい

 

 

 

 

 

 

 

†PIAS†

 

 

 

 

 

 

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