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☕ ②千川上水跡地にある2つのもじゃ物件
旧中山道が通る板橋駅を降りたのに初回記事は、ほとんど旧中山道とは関係のない板橋駅の路地裏の看板建築飲み屋街と、コッペパンを発明した「丸十製パン」の紹介に終始した
これは寄り道ばかりでちっとも前にすすまない僕のブログの特徴であるが、さすがに今回は一度通っている場所なので、下手すると目的地に到着するまで記事4回……
といった展開にはならない、、、はずだ
旧中山道と平行するように流れていた千川上水を埋め立てて敷設した道には、かつて戦後型の看板建築が並ぶ商店街になっていたような形跡が残っていた
しかし、現在も往時の姿を保っているのは駅前付近だけで、駅から離れるにしたがって、廃業しているような店舗が増えただけではなく取り壊されて更地にされていたり、あるいはマンションに建て替えられてしまっていた
このあたりでは千川上水が旧中山道とは、スレスレの間隔で流れていたようで写真の右側にチラリと見えている道が旧中山道である
写真中央のブルーグレーの看板建築を見ればわかるように、千川上水と旧中山道は、家1軒ぶんの家並みの距離しか離れていない
道路が盛り上がっているのは、かつての土手の跡ではなく、当たり前だが水は高いところから低いところにしか流れてゆかないため、用水路を通すために設けた土地を盛り上げた名残であろう
水路を江戸に到達させるまでには、高い場所や低い場所があるため常に低い場所をトレースするのは難しく、どうしても高低差をクリア出来ないときは、地面を深く掘り下げたり、逆にこのように土地をかさ上げせねばならなかったわけだ
ブルーグレーの看板建築のすぐ先に、植栽が傍若無人に育ちすぎてクォーターもじゃハウス化している建物がありテンションが上がった
よく見ると元は商家らしくすっかり色褪せたクレハロンテントが確認できる。雰囲気からして喫茶店か美容室だったような佇まいである
その先にも、一見するともじゃ物件のような場所があったが、こちらは育ちすぎた植栽の後ろにあるのは、もじゃハウスではなくマンションなのが一種異様な景観を造り出していた
おそらく先ほどのようなもじゃハウスを取り壊して、マンションに建て替えたのだろうが、植栽を残したところが偉い。と、上から目線で褒めておく
以前も書いたが、この「目線」というのはテレビ業界のスラングで、出演者のカメラ目線に由来しているので、正しい日本語ではない。だから熱心な読者諸賢なら気がついていると思うが、僕は地の文では一度も使ったことがない
「上から目線」というのは、すでにスラングとして単語化されているので、あえて地の文に使ったことを断っておく。って、また上から目線かよ
などと、どうでもいいことを書いているうちに、前回も話題にした老舗「油屋 金子金物店」の脇までやってきた
オレンジ色の軒先クレハロンテントを見ればわかるように、現在は「油屋 金子金物店 カドカフェ」というカフェになっている
こうして千川上水跡地から見ると「あぶきん」は、旧中山道から千川上水までのあいたに間口が狭く奥行きが長い、かつての街道沿いの商家の地割を保っていることがわかる
「あぶきん」の先で現在の中山道である国道17号線を越えると
旧中山道の板橋宿平尾宿に到着する。そして最初に目につくのが……
こちらは前回のシリーズで、これでもかと執拗に紹介した明治時代に建造された元「安田貯蓄(現りそな銀行)」の「宮歯科医院」である
それにしても見事な建物で、これが文化財にも指定されることなく放置されていることが、日本のお寒い文化レベルを無言で示唆している
「宮歯科医院」とくれば……
同じテイストで揃えられたこちらの「阿部耳鼻咽喉科」を外すわけにはいかないだろう
こちらも前回のシリーズで執拗に紹介したが、この場所に到着したのはあたりが薄暗くなったローライトの夕暮れ時のため撮り損ねたディテールがあったので、今回新たに撮影したのが……
入り口ドアの上にあるこちらの明かり取り窓である。よく見ると違い棚の意匠が施されたガラスの棚部分だけ緑色のガラスが使われていることに注目
こちらの建物も「宮歯科医院」と同様に是非とも後世に伝えねばならない旧中山道板橋宿の貴重な遺構であろう
今回のシリーズは、珍しくブログ記事たったの2回で目的地まで到達した。ということで、イントロダクションはここまで
次回からいよいよ中山道板橋宿・仲宿の散策に入る
続く
†PIAS†
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