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🚒 番外編 週に一度のお楽しみは家系ラーメン環2家 

 

 

 

 

 

11回にわたって連載した《川崎市中部深掘り紀行》であるが、今回も川崎ネタなので一応「番外編」にしたが、じつは題名に偽りアリである

 

というのは今回のネタは川崎駅付近に関する話なので「川崎市中部」ではなく、どちかといえば「川崎市南部」だからだ

 

 

川崎といえば世間一般の持つイメージは、ギャンブル、ヤクザ、ドヤ街、ソープランド、今どきブレイキングアウトぐらいでしかお目にかからない絵に描いたようなチンピラが跋扈する無法地帯……といったネガティブなものであろう

 

しかし、このイメージは川崎市南部の臨港地帯だけで、中部にある武蔵小杉などはタワーマンションのおかげで、むしろセレブなイメージに変わった

 

 

僕は現在、武蔵小杉の近くの町に居住しているが、川崎市の中部には、東急東横線、東急田園都市線、小田急線が通っているため、出かけるときは渋谷や新宿のほうがアクセスがよく、わざわざ垢抜けない川崎に出かけることはあまりない

 

このように川崎市の中部と南部は、ほとんど交流はなく、また中部の住民は交流する気もないものと思われる

 

 

とはいえ、チネチッタやラゾーナ川崎により、川崎駅付近は多少イメージアップを計ったが、やはりどこか垢抜けないイメージがつきまとう

 

そして臨港地帯は相変わらずダーティなイメージなのは変わっていないし、これからも変わることはないだろう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらは川崎競馬場のすぐ脇で発見したブリキ波板外壁の古い住宅の廃墟だが、単に壊れているだけではなく明らかに放火されたように、外側が黒焦げになっていた

 

普通ならこういった物件は、さっさと取り壊されるのが当たり前なのに、そのまま放置されているあたりに、スラム街の匂いを感じさせる

 

 

 

 

 

 

 

 

よく見ると玄関から前庭にかけて大量の粗大ゴミらしきものが不法投棄されているようで、このあたりが川崎の民度を象徴するかのようだ

 

 

川崎駅付近の中心街は空襲と徹底した開発により、古い建物などは皆無に近い。それは中心街を横切る旧東海道も同様で、川向こうの東京都品川区には、わりと古民家が残っているのとは対照的である

 

そんな旧東海道にもわずかに見所のある物件が残っている

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらはバラックじみた平屋建ての商家である。どうやらずいぶん以前に廃業しているようで、荒廃した気配が漂っていた

 

川崎駅付近の繁華街に、まだこんな建物が残っていたのが驚きであるが、錆びついたブリキ波板の塀には、定番の廃業した物件にハイエナのように群がる政党ポスターがベタベタと貼られていた

 

 

こちらのバラック風の建物は、中心街の外れあたりにあるが、もう少し駅前に近づいたところにも……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一見すると廃屋化しているようなモルタル葺きの看板建築が残っている

 

旧東海道は駅前から続く繁華街の延長線上にあるため、並んでいる建物の99%がビルと言ってよくこの建物だけが異彩を放っていた

 

 

以前、この建物を見たときは、てっきり廃屋だと思っていたが、この日は撮影しようと思っていたら、偶然、主人らしき人物が出てきてシャッターを閉めている光景を見て

 

「えっ、廃屋じゃなかったんだ」と、腰を抜かさんばかりに驚いた。ということは、エッジが落とされた角に貼られた看板の「高橋経師店」の文字は伊達じゃなかったわけだ

 

 

この物件のユニークなところは、角地に建っているため通常は通りに面している部分だけを洋風建築に見せるのが看板建築の特徴だが、角地を少し回りこんだ部分にも洋風の意匠が施されていることだろう

 

しかし、途中で気力が尽きたように後ろ半分は錆びついたブリキ波板という対比が素晴らしい

 

 

 

 

 

 

 

 

このように現在古い建物は先ほどの平屋建てのバラックじみた建物と、こちらの看板建築だけになってしまったが、かつてはどんな風景だったのか見てみたいものである

 

 

僕が川崎駅周辺に用事があるのはチッタにある古着屋とブックオフぐらいなので、月に2回ぐらいしか出かけることはないが、垢抜けない周辺の町並みは嫌いじゃないので、意味もなくフラフラ散策することにしている

 

巨大な工場跡地にラゾーナ川崎が出来たときは、これで西口にある商店街は壊滅だな……と、思ったが、そこは人口密集地帯だけあって、商店街はかろうじて命脈を保っていた

 

 

ラゾーナ川崎の北側のほうに続く商店街の外れで、以前ある物件を見つけてブログに掲載したことがある

 

この日は、なんとなくその物件が残っているのかどうか気になったので、駅から15分以上歩いて確認しに行った

 

 

 

 

 

 

 

 

商店街の外れにある「スナック ピアス」は無事に残っていた。とはいえ、この店が営業している姿は見たことがなく早晩なくなってしまう運命であろう

 

この商店街の脇道(ラゾーナ川崎のほぼ真横)も以前はけっこう賑やかな商店街であったが、廃業が相次ぎ店舗の数は全盛期の半分に満たなくなってしまった

 

 

 

 

 

 

 

 

脇道の商店街にあったちょっと古そうなタバコ屋。この道を200メートルもゆけばラゾーナ川崎の駐車場の入り口に出る

 

このあたりの商店街は以前、記事にしているが、そのときと比べて寂れは進行しているように見受けられた

 

 

ところで今回わざわざ垢抜けない川崎駅周辺に出掛けたのには理由がある

 

表向きの理由はブックオフに本を探しにゆくというものだが、じつはその理由は副次的なものにすぎず、本当の目的は……

 

 

 

 

 

 

週に一度のラーメン解禁日なのでチッタのすぐ先にある家系ラーメンの「環2家」のラーメンが食べたかったからだ

 

ちょうど夕食の時間だったので行列が心配だったが、小雨も降ってきたし土日じゃないから平気だろう

 

 

 

 

 

 

 

 

という皮算用は店の前まで行ったとたんに微塵に砕け散った。おいおいマジかよ。この小雨日和に外待ちが10人ぐらいいるんだけど

 

行列に並んでまで何かを食べるという、旧ソ連の配給みたいなことをする習慣は僕には存在していないので、近くのチッタにある古着屋に向かい、しばらく古着を眺めているうちに、雨脚が強くなってきた

 

 

さすがにもう並んでいる物好きはいないだろう。と、再び「環2家」に戻ると

 

 

 

 

 

 

 

 

幸い行列は解消していたので無事に濃厚な家系ラーメンを堪能することができた

 

 

もちろん、古着禁止令はいまだに発令中のため古着屋では何も購入しておらず、どこかの保守政党とは違って僕は不正を憎み公約を守る男だということが証明されたわけだが……

 

困ったことに翌週のラーメン解禁日に吉祥寺に出掛けてしまったがため、運命の歯車が思わぬ方向に回り出すなどとは、このときの僕は知るよしもなかったのである

 

 

《川崎市中部深掘り紀行》おしまい

 

 

 

 

 

 

†PIAS†

 

 

 

 

 

 

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