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🍛 ⑧滅びてしまった商店街⑷「古市場銀座商店街」 

 

 

 

 

 

前回の記事で取り上げた鹿島田から、多摩川のほうにしばらくゆくと古市場という町がある

 

古市場という地名からわかるように、この近くを古・東海道が通っていたことから、往古の時代に市が立ったことが由来とされているが、鶴見に立った市より古い歴史があるからという異説もある

 

いずれにせよ地名に残っているぐらいだから、かなり古い時代からこのあたりに村落があったことは間違いないだろう

 

 

ーーが、この記事は歴史や地理学的な部分を掘り下げるものではなく、あくまでも古い町並みや建物が主題なので、そのあたりは置いといて、まずこの町の最大の特徴といえば地図を見れば一目瞭然

 

 

 

 

 

 

 

 

ご覧のように町の中心部の道筋が「卍」あるいは「風車」のような特異な形状をしているのだ

 

この形状からわかるように古市場という古い町ではあるが、田園調布やときわ台のような大規模な計画的都市整備が行われたことは明らかである

 

 

したがって、昭和初期の古い建物などは皆無ではあるが、この近くには「古市場銀座」という商店街があった。「あった」と過去形なのはタイトルにあるように、商店街組織としてはすでに滅びてしまったからだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前々回の記事にて紹介した鹿島田駅前商店街を真っ直ぐすすんだところにあった渋い看板建築の靴屋「中山靴店」の前を通過して、府中街道を越えてさらにすすむと市営バスの営業所がある

 

営業所の少し先にはブリキ波板の廃業してしまっている商家がある。そのあたりから古市場の商業地区がはじまっていた

 

 

 

 

 

 

 

 

以前はこんな看板建築もあったが、跡形もなく取り壊されて現在はツマラナイ建て売り住宅が並んでいる

 

この通り沿いや市バス営業所の横の道も、かつては商店街を形成していたが、今はコンビニやわずかな店舗が残るだけになってしまった

 

 

そんな終わった雰囲気の通りをしばらくゆくと……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地図にある「卍」状の交差点に出る。交差点には「越の湯」という現役の銭湯とAEON「マイバスケット」が入居するビルがある

 

マイバスケットの場所には以前は「GOKO(五光)」という川崎市内に展開していたスーパーがあったが廃業してしまった。マイバスケットと向かい側にある「グレンドール」という廃業した洋品店のある路地を入ったところにあるのが

 

 

 

 

 

 

 

 

 

古市場の町の中心部にある「古市場銀座商店街」である

 

しかし、上の写真を見ればなんとなく想像がつくと思うが、商店街としては完全に終わった雰囲気が濃厚に漂っていた

 

 

この商店街は2018年にも記事にしているが、その当時ですら終わる寸前といった様相を呈していたが、6年ぶりに訪れてみると「寸前」ではなく残念ながら「終わった」といった段階にシフトしていた

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし終わったといっても、それは商店街組織としての話で、頑張ってまだ営業を続けている店もチラホラと残っていて、こちらの中華料理屋などは口コミの評判も悪くはない

 

口コミの内容は中華料理屋なのにカツカレーが絶品(高円寺の七面鳥のパターンだな)という評判が多く、そのことからいわゆる町中華の名店だと思われる

 

 

この中華料理屋の並びには……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

複数の店舗が入居していたマーケット形式に近い「多摩ショッピングコーポ」という物件があるが、こちらの物件も現役を退いてしまったような雰囲気だ

 

どんな物件が入居していたのかと思い、例によって過去のストリートビューを見てみると

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「オレンジふれあい」という喫茶店と洋品店の「グレンドール」が入居していたことが判明した

 

あららっ? 「グレンドール」といえばマイバスケットの向かい側にあった廃業した看板建築に入居していたはずだ(店の跡地には以前、八百屋が入居していた)

 

 

ということはこの場所に移転したのか?

 

 

このとき僕が見た印象だと廃業しているとしか思えなかったが、Googleマップには営業している物件として記されていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらは前回この「古市場銀座」を取り上げた2018年に撮影した同じ場所の写真である

 

この時点ではまだ「オレンジふれあい」の看板も出ていることが確認できるが「グレンドール」は見切れてしまっていた

 

 

それよりもこの写真を見て記憶が甦ったが「多摩ショッピングコーポ」の向かい側には「かねのり青果」などが入居している三軒長屋の渋い商家があったはずだが、今回久しぶりに訪問してみると跡形もなく消え去っていた

 

 

 

 

 

 

 

 

驚いたのは2018年の段階で「ああ、この物件は近いうちに廃業だな」

 

と、無責任に思っていたファサードに金文字で「井筒屋」と記されているのに、「青い鳥」という屋号が記された渋い看板建築の洋品店が、6年の時を経て現役だったことであろう

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらがその取材時に撮影した写真である

 

この写真を見ると「青い鳥」が現役で営業しているだけでなく街灯に「古市場銀座」のプレートが残っていることがわかる

 

 

ところが今回久しぶりに訪れたこの通りの街灯に「古市場銀座」という名称は、どこにも見当たらなかった

 

なので、そのことから判断して、まだ若干の店舗は残っているが商店街組織としては終わっていると類推して「滅びた商店街」とした

 

 

 

 

続く

 

 

 

 

 

 

†PIAS†

 

 

 

 

 

 

 

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