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🌹 ⑦滅びてしまった商店街⑶「塚越銀座商盛会」
塚越銀座の商店街は分類上でいうとJR南武線の矢向駅に属することになるが、駅からは相当に離れた場所にある
位置的には鹿島田駅と矢向駅の中間地点より矢向駅寄りの場所で、この商店街も何故このような不便な立地に成立したのか、その経緯がよくわからない
いや、それは前提が逆で不便な立地だからこそ、このような場所に商店街が求められたのかもしれない
地図の左上に前々回の記事で触れた赤穂浪士縁の寺院である称名寺が確認できると思うが、塚越銀座はそこから真っ直ぐ道を下った「せんたく工房」のところから、右方向(東方向)に真っ直ぐ続く通りである
商店街は多少脇道にも店舗が展開しているが、基本的にこの通り沿いに1キロ以上にわたり続いていた
これだけの距離にわたり店舗が並んでいたのだから、駅に依存しないかたちの商店街としては、かなりの規模で、商店街の組織は西側のメインの部分が「塚越銀座商盛会」そして東側は「塚越東栄会」と別の組織だったようだ
以前は街灯に、それぞれ商店街名を記した看板が付けられていたが、先日紹介した「苅宿商店会」と同様に現在は外されてしまっており、おそらくこちらも廃業が相次ぎ商店街組織としては、成立しなくなってしまったのだろう
本来なら買い物客で賑わうはずの夕食の時間帯なのに、営業している店は4ぶんの1に満たないような印象で、絵に画いたようなシャッター街の様相を呈していた
僕がこの商店街を発見したのも例によって高校生の頃、学校をサボって通学用のママチャリで当てもなく彷徨っていたときで、その頃の賑やかな様子からすると、あまりに寂れてしまった風景に驚きは隠せない
などと言葉で説明しても説得力に欠けるので、いつものストリートビューで2009年の様子をキャプチャしてみると、僕の言っている意味がわかると思う
これが2009年のビューからキャプチャした画像である
ビューは早朝などの変な時間帯の撮影が多いが、これは太陽の影の角度から商店街が賑わう夕方ではなく昼頃であることがわかる
しかし、いわば本番前のリハーサルといった時間帯でもズラリと並んだ商店は店を開け、これから夕方の賑わいに向かって備えている様子が伝わってくる
それが現在は夕食どきの時間帯にも関わらず、ところどころに店の明かりは灯っているが、閉まっている店が圧倒的に多く通行人がチラホラ歩くだけで、およそ活気というものが伝わってこなかった
僕がこの商店街を初めて訪れたときに印象に残ったのは、商店街の真ん中あたりに……
「相鉄ローゼン」という大型スーパーがあり、このスーパーと商店街が上手く共存していたことであろう
このような大型スーパーと商店街がWinWinの関係性を持ち成立している商店街は、滝野川の散策でも見かけたが、こちらは「相鉄ローゼン」が撤退し、その関係性が崩れたことも衰退の一因だと思われる
ローゼンが撤退したあと1本横にズレた道筋に、一昨年大型スーパーの「ライフ」が出店したが、現在賑わっているのは、その「ライフ」だけで、商店街は衰退する一方というのが僕の受けた印象だ
ーーと、僕の一方的な印象ばかりでは恣意的にそう見えるように情報操作してるんじゃないの? と、疑いの目を向ける向きもいると思うので、ストリートビューから同じ場所を2009年と2023年の画像を並べてみよう
こちらが2009年の映像からキャプチャしたもの
そしてこちらが2023年。一目瞭然で商店街の雰囲気が希薄になってしまったのかがわかる
このあたりまで来ると商店街は「塚越銀座」から「塚越東栄会」と名称が変わる
僕の印象だと「塚越東栄会」は、塚越銀座と比べて店舗が少なかった記憶があるが、現在もその印象は変わらずまだ現役の店舗が残っていた塚越銀座とは違って、上に貼った「自家精米 高橋商店」ぐらいしか現役の店を見かけなかった
こちらが長い商店街のいちばん外れにある「清水屋酒店」という酒屋だが、この数年営業している姿を見たことがないので、おそらく廃業してしまったのだろう
以前は、すぐ先のバス通りの角地にミニストップがあったが、いつの間にか学習塾に変わっていた
学習塾の真向かい、バス通りの向こう側には「ライフ」という大型スーパーが出来て、この界隈ではもっとも賑わう場所になっている
ライフがある場所には以前大きな工場があったが、移転したのか現在は取り壊し作業が行われていた
これは工場の向かい側にあった金物屋(?)
とっくの昔に廃業してしまったのか店舗の前にはプランターが並べられ、軒先から「アサヒペイント」の看板が虚しく下がっていた
ということで「塚越銀座」はここまでにして、次回はもう少し川崎駅の近く、かの有名な「小向マーケット」にほど近い「古市場」の終わった商店街を紹介する予定だ
続く
†PIAS†
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