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🐻 ⑥滅びてしまった商店街⑵「塚越銀座商盛会」 

 

 

 

 

 

「苅宿商店会」からJR南武線の鹿島田駅に移動して、忠臣蔵で知られる大石内蔵助が、討ち入りの前に身を潜めていた称名寺のある通り沿いの飲み屋街までやって来た

 

称名寺は鹿島田の駅前通り商店街をしばらくすすんだところ、府中街道の少し手前の古道沿いにある

 

 

この称名寺の真ん前にはモダンな県営住宅が建っているが、僕が高校生の頃は見るからに昭和な団地で、1階の部分が商店街になっている形式の建物だったことを記憶している

 

 

などとといっても地元民でなければ意味不明だと思うので、いつものように地図で示すと……

 

 

 

 

 

 

 

 

画面の左側を斜めに横切っているのがJR南武線で、鹿島田駅の下側から斜め上に向かう駅前通りをすすんだところに、前回の記事で写真を掲載した看板建築のレトロな靴屋「中山靴店」があることが確認できる

 

その「中山靴店」の少し先を蛇行した通りが左上から右下に向かって通っており、画面下右端に称名寺があるわけだ

 

 

そして前回の記事の最後に写真を掲載した、これまた昭和中期な雰囲気の……

 

 

 

 

 

 

 

こちらの写真の飲み屋街がある場所は、中山靴店の斜め上に記された「ひろ」の文字があるところである

 

この通りに入ってまず目を惹いたのが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おしゃれ工房 シャルマン」もかなり気になるが、なんといってもその隣にある入り口のドアに「実家」というインパクト抜群のプレートをぶら下げた「実家 居酒屋おかん」であろう

 

店の前には棚が設えられ手入れされたプランターが並んでおり、何故か赤い服を着た熊さんが項垂れた姿で鎮座していた

 

 

大阪でもないのに、わざわざ「おかん」と親しげな響きの表現を使用して、さらに「実家」と名乗っていることから、大阪出身のオバチャンが暖かく出迎えてくれるのだろうか?

 

こちらの「実家 居酒屋おかん」の向かい側に目を向けると

 

 

 

 

 

 

 

 

少し見切れてしまっているが、画面の左側の赤いクレハロンテントには「ど~にも ブルドック」とある。これはまず間違いなく1970年代に活躍したフォーリーブスのヒット歌謡曲「どうにもブルドック」からパクったものと考えられる

 

 

今考えてみるとあの曲のサビの部分「にっちもさっちもどうにもブルドック」の意味がさっぱりわからない。わからないレベルでいうと同年代の特撮番組「超人バロムワン」の歌詞

 

「マッハロッドでブロロロロ~ブロロロロ~ ぶっ飛ばすんだギュンギュギュン 魔人ドルゲをルーロルロロ」に匹敵する意味不明さであろう

 

 

それに比べたら並びにある「スナック 檸檬」「スナック ショパン」のなんという単純明快さよ

 

 

 

 

 

 

 

 

その向かい側にも「はつちょう(初長)」などの居酒屋が並び、この路地は、ちょっとした飲み屋街になっていたが、どの店もなんとなく昭和で時を止めたような風情が漂っていた

 

この飲み屋街から蛇行した道を矢向駅方面に向かうと、称名寺の先で道が二又に分岐していて、その分岐点を右にすすむと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

二ヶ領用水の支流暗渠の脇に、元は何らかの商売をしていたものと思われるブリキ波板で構成されたバラックじみた平屋があった

 

この平屋のあたりからは、どこにでもありそうな住宅街だが、よく観察するとかつては商店街だったのではないか? と、思わせる痕跡のようなものが目につき出す

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なかには現在も営業している店舗もあるが、どちらかというと廃業してしまっている店舗、あるいは住居仕様に改装されてしまっている元店舗らしき物件のほうが多い

 

しかし、さらに先にすすみ鹿島田駅と矢向駅の中間地点を越えたあたりから、この通りと直角に交わっている

 

 

 

 

 

 

 

 

 

寂れた商店街が姿を表す。この通りがかつての「塚越銀座」塚越商盛会である

 

この写真を撮影したのは夕方の6時前後であったが、ご覧のように明かりを灯した店舗がわずかに点在しているだけで、ほとんど人通りもなくシャッター街じみた空気が流れていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらの戦後型看板建築が、どんな商売をしていたのか気になったので、過去のストリートビューを見てみたが、いちばん古い2009年の段階で、すでに廃業(選挙の仮事務所になっていた)していた

 

この「塚越銀座」も初めてここを通った頃は、夕方になると買い物客で賑わっていた記憶があるのに、現在は商店街というよりもシャッター街という表現が適切な姿にまで寂れている

 

 

 

 

 

 

 

 

 

かつては普通の商売をしていたであろう建物を、古着屋が居抜きで借りたとおぼしき物件があった。しかし、その古着屋も廃業してしまっているようで荒廃した雰囲気が漂う

 

木製の高欄を残した渋い商家があったので撮影していると、主人と思われる人物が唐突に姿を現して驚いた

 

 

普通なら買い物客で賑わうはずの夕方に、この寂れた雰囲気は前述したように、まさに滅びに向かう地方のシャッター街そっくりで、なんとも言えない寂しい気持ちになる

 

というのもこの商店街は、以前は80軒もの店舗数を誇り近隣ではもっとも栄えていた商店街だった……という風景を、高校生の頃から知っていたからだ

 

 

ということで次回は「苅宿商店会」に続いて「塚越銀座」を散策してみよう

 

 

 

続く

 

 

 

 

 

 

 

†PIAS†

 

 

 

 

 

 

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