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🏠 ⑬滝野川三軒家と旧中山道の町並み再び
「鷹の目」で二郎系の汁無しラーメンを食べて満腹したあとは、明治通りの看板建築に寄り道してから旧中山道に戻る
ニンニク少なめにしたはずなのに、なんとなく口のなかがニンニク臭いのが気になるが、連れもいないからまあいいか。それにしても先ほど見た女子大生は、僕よりもっとニンニク臭いにちがいない
明治通りと旧中山道の交差点には現在コンビニがあるが、かつてこの場所には……
こんな素晴らしい銀行建築が残っていたが……あろうことか取り壊されてしまった。なんという愚行であろう
これだけの建物ならば建築史的に貴重というだけではなく、地域のシンボルとして保存することは、自治体の使命と言っても過言ではあるまい
それをむざむざ取り壊わして、どうでもいいコンビニにしてしまうあたりに、北区の行政に関わる者の意識の低さと政治の低劣さが見てとれる。開いた口が塞がらないとは、まさにこのことだろう
今まで埼玉県のことを文化不毛地帯と馬鹿にしてきたが、今回の散策を通じて東京都豊島区、北区は、勝るとも劣らぬ文化不毛地帯だと実感させられた
前々回の「東京種苗株式會社」の紹介記事にて旧中山道のこのあたりは滝野川三軒家と呼ばれ、種苗問屋が7軒、小売店が20軒もあったといかにも物知り顔で書いたが……
なんのことはない、その記事の元ネタを拾ったのが、やはり元は種苗問屋だったこちらの「㈱ 日本農林社」である
というのは、この種苗会社の建物の前に滝野川地区に関する郷土博物館顔負けの詳しい説明板がズラリと並んでいたのだ
こちらは、その展示にあった昔の地図。緑色のマーカーで塗られているのが種苗問屋で、三軒家のふたつを占めた榎本の文字が確認できる
個人的に興味深かったのは地図の左側を蛇行している千川上水だ。できればこの時代にタイムスリップして千川上水の流れる風景を見てみたいものである
さて、ここからは少し前に掲載した滝野川シリーズと同じ場所を歩くことになるが、あの取材時は散策のスタートが早かったため、強烈な逆光に悩まさせれ満足のゆく写真が撮れず散々な目にあった
なにしろ太陽が当たる部分は白飛び、影の部分は黒く潰れ画面にはハレーション……
が、しかし今回は、いつものように夕方という条件だから、そのときのリベンジを果たすべく撮影に臨んだ
こちらは魔改造された出桁造り商家
建物は半分にぶった切られ壁面のすべては無様なサイディングボードで覆われてしまい、唯一、屋根庇の下から付き出した梁だけが古民家であることを示していた
このタイプの魔改造は、残念ながらよく見かけるパターンで大田区の本門寺近くの池上道とか、池尻大橋の旧矢倉沢往還でもそっくりな建物を見たことがある
僕は不真面目な古民家ヲタクなので何がなんでもオリジナルといった思考ではなく、楽しい魔改造はむしろ大好物だが、さすがにこれはちょっとどうかと思う
こちらの建物を撮影したときは正面に太陽があり、ハレーションに悩まされ、建物の影に入るためにしゃがんだ状態で、さらにカメラを膝の真ん中あたりに構えて撮影した
幸い通行人には見られなかったが、こんなおかしな格好をしていたら、どう見ても変質者そのもので、いつ通報されてもおかしくない
しかし、今回は邪魔な陽射しはないからバッチリ撮影できた。そして、もっともリベンジしたかったのが
こちらの「亀の子束子 西尾商店」の見事な擬洋風建築である
明治通りとの角地にあった旧三菱銀行滝野川支店が取り壊されてしまわなければ、この界隈に北区を代表する洋風建築が揃い踏みだったのに、つくずく愚かなことをしたものだ
そして、こちらもリベンジせねば。と、密かに誓っていた有形文化財の
「稲荷湯」である。前回の取材時には、この建物の右手に太陽があり、やはり黒潰れとハレーションにより画像補正には、えらい苦労した
どういうプロセスで補正したかというと……
まず画面を50%近く明るくして黒ベタになっていたディテールを浮かび上がらせ、今度はシャドウとコントラストの調整で立体感を出しながら、さらに彩度をいじって不自然じゃないレベルに持っていくという、気の遠くなるような作業を強いられた
これでは写真というより、ほとんどイラストだ。このデジタル時代に写真の加工を云々する気はないが、撮って出しとまではゆかずとも、僕は加工は最低限に抑えたい派である
が、今回はコーティングが剥げたレンズにより下がったコントラストをいじっただけで、画像加工はわずか5秒で済んだ
こちらも前回は真っ黒な写真になってしまったので、普通の条件で撮影したかった工務店と思われる出桁造りの建物である
今回も一応、逆光という条件なのだが強烈な陽射しがないから建物の質感がよくわかるけど、やっぱり黒潰れしているのが残念
ということで、次回も前シリーズのリベンジとして、この界隈の建物を再度撮影し直したのであるが、そのさい前回の記事の内容に大きな間違いがあったことが発覚してしまった
その間違いとは……
続く
†PIAS†
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