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🥕 ⑤蛇崩川の河岸段丘にあるバラック群 

 

 

 

 

 

 

中目黒のメインの商店街「目黒銀座」は中目黒駅のやや東側を、東横線の線路と平行するように続き、10分ほど歩くと丁字路を右に曲がった先にも続いている

 

しかし、丁字路のすぐ先で東横線のガードを抜けると店舗の密度が下がり、それと比例するように通行人の数も激減して寂れた雰囲気に変わって、50メートルほど先の十字路で終わっていた

 

 

 

 

 

 

 

 

これがその十字路を撮影したものだが、ご覧のように通りの先には戦後型の看板建築が2棟あるだけで、その先は住宅街で画面の奥に見えているマンションの前を、以前は左から右に蛇崩川が流れていた

 

そしてこの写真の左側は、蛇崩川が造り出した緩やかな河岸段丘になっており、その坂道に曲がったところには、中目黒の個人的なクライマックス……

 

 

 

 

 

 

 

 

バラックに近い簡素な造りの平屋がズラリと並んでいる

 

これが平地なら墨田区京島とキャプションを入れても疑う者はまずいないだろう。写真を見て、この風景が中目黒と祐天寺の真ん中あたりだとわかるのは地元民か、この町に詳しい者だけにちがいない

 

いちばん手前にある「キッチン たんぽぽ」は、外装がきれいにされてしまっているため、あまりバラック的な雰囲気はないが、その隣の隣の隣にある建物を見ると

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バラックに毛が生えたような平入切妻、平屋建ての簡素な造り、看板建築状に造られた錆びついた波板のペラペラのパラペットの見事な平屋が!

 

入り口のアルミサッシのドアの窓には「✕」状にガムテープが貼られ、窓という窓はベニヤ板で塞がれてしまっているので、廃屋であることは容易に想像がつくが、造りからすると家内制手工業の零細な町工場だったような感じの建物だ

 

 

この物件は明らかに役目を終えて無住になり放置されているが、この隣には驚いたことに

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現役で営業しているバラックの八百屋(なのか?)が!

 

コジャレた飲食店やカフェ、ブティック、古着屋、雑貨屋が並ぶという印象がデフォルト設定の中目黒という町のイメージを、木っ端微塵に吹き飛ばすこんなバラックじみた店舗があるのだから、東京もまだ捨てたものではない

 

 

しかし、常々不思議に思うのは、中目黒にかぎらず白金高輪とか麻布のような町にも、売り飛ばせば9桁近い金が転がりこんできそうな土地に、こういった物件がたまに残っていることで、よほど偏屈な地主の持ち物なのだろうか?

 

もっとも、高輪方面で魚屋をやっていたうちの親戚にも、某鉄道会社や各デベロッパーから九桁万円台後半の札束を積まれても、断固として土地を売らなかった豪快な伝説を残した偏屈者がいたので、持ち主は案外そんな江戸っ子なのかもしれない

 

 

 

 

 

 

 

 

これは5年ほど前に撮影した1枚。看板を見ると包丁の研ぎやまな板削りタンスの修理と記されており、相変わらず野菜は売っているが、何の商売なのかさっぱりわからない。ちなみに店の前に軽自動車のワンボックスカーが停まっているのも一緒だ

 

 

ここから先はこの物件以外、さほど見るべきものはないので、いったん先ほどの丁字路まで戻って今度は左側に向かう

 

丁字路の左側は商店街にはなっておらず、商店街の外れの銭湯と突き当たりにあるナチュラルローソン以外は店がなく、すぐにありきたりの住宅街になってしまうが、そんなありふれた町並みのなかに、このブログでは何度も取り上げている……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦後間もない時代にタイムスリップしたのではないかと思ってしまうような、こんな素敵な木造二階建ての建物が残っている

 

 

この建物を初めて見たのは高校生の頃だと思うが、その当時このあたりはすでに普通の住宅街だったので、あまりの違和感に呆然とした記憶が残っている

 

こちらの建物も入り口の造りからして、普通の住宅ではなく駄菓子屋のような店か、あるいは家内制手工業の零細町工場だったような雰囲気だ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うーん、素晴らしい。何度見ても呆気にとられてしまう見事な建物で、安っぽい建て売り住宅のような平凡な建物ばかりが並んだ周囲の風景を圧して、強烈なオーラを放っている

 

これはもう十分に、国の有形文化財に指定されてしかるべき物件であろう。もしこの建物が消失したら、中目黒のステイタスは大幅に下がるだろう

 

 

その先は住宅街で、見るべきものは何もなかった記憶があったけれど、今回は駒沢通りに出て、古刹・祐天寺の前を通り祐天寺駅に向かうことにすると……

 

 

 

 

 

 

 

 

例によって、ベタベタと政党ポスターが貼られてしまった廃業した商家があった

 

「はて、この通りは高校生の頃から何度も通っているけど、こんな場所に店なんてあったっけ?」一生懸命、過去の記憶を辿ってはみたが、やはり店があったことは完全に失念していた

 

 

こういったときは、もはや恒例になった過去のストリートビューに丸投げするにかぎる。さっそくいちばん古い2009年の映像を見ると

 

 

 

 

 

 

 

 

そこには「藤屋豆腐店」という店が写っていて、これを見たとたんに「ああ、そうそう。たしかに豆腐屋があったわ」と、過去の記憶が甦った

 

どうやらこの店は2015年頃までは、こんな住宅街の真っ只中で頑張って営業していたようだ

 

 

この豆腐屋から先は完全に住宅街に変わるが、今回はこの先を横切っている駒沢通りに残っている古い建物を確認したあと、祐天寺駅に出て散策を終える予定なので、このまま住宅街をすすんだが……

 

 

何も見所がないと勝手に思っていた住宅街で不思議なものを見ることになる

 

 

 

続く

 

 

 

 

 

 

 

†PIAS†

 

 

 

 

 

 

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