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💃 ①中目黒駅前の出桁造りとバラック建築 

 

 

 

 

 

 

少し前に現在僕が居住している地元、川崎市のディープな物件を紹介する記事を上げたが、僕の故郷はどこかと問われると東京の世田谷区である

 

一口に世田谷区といっても僕が幼少期を過ごしたのは、全国区の田園調布と自由が丘に挟まれているわりには、まったく知名度のない奥沢という地味な町だ。しかも現在住んでいる川崎の中部とは多摩川を挟んで隣接していて、無理なく自転車で行ける範囲だ

 

 

要するに、僕は生まれてこのかた自転車で移動できる範囲をあちこち転居しただけで、地方のひとから見たら誤差の範囲ぐらいの地域を動いたにすぎない。そして、その範囲の交通インフラは、ほぼ東急沿線、詳しく言えば東横線と目蒲線に集約される

 

なので川崎に続いて地元である世田谷区、目黒区、大田区、品川区の馴染みのある町を、もう一度見直してみよう……

 

 

というのが今回のシリーズのテーマである。まず最初は高校生の頃よく自転車でうろうろしていた中目黒のメイン商店街である「目黒銀座商店街」から歩いてみる

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらの地図が東急東横線の中目黒駅と「目黒銀座商店街」の位置関係だ。中目黒駅のすぐ右側には、巨大マンションを核とした複合施設「中目黒ゲートタウン」という目障りな高層ビルがある

 

こんなものはごく最近建てられたもので、僕がママチャリでよく訪れていた頃は、こちら側には駅の出口もなく、こんな邪魔っけなものはもちろん存在せず、昭和な雰囲気の商店街があった

 

 

それをワンブロック根こそぎ地上げして跡形もなく取り壊した挙げ句、こんなどうでもいいものをでっち上げたという、日本に蔓延る土建屋主体の地上げ→区画整理という名の破壊行為→再開発

 

という流れで商店街の入り口は丸々1区画が消滅してしまった。まさに愚行といってよいだろう

 

 

 

 

 

 

 

 

その巨大な建造物の横から山手通り(環状6号線)を見ると、こんな感じの風景が見える

 

僕の立ち位置の左手が巨大な建造物、そして山手通りの向こう側にもタワーマンションという、心が寒々とするような光景であるが、幸い商店街の向かって右側の区画は残ったが、昭和な雰囲気はどこにもなく無機質なビルが並んでいる

 

 

ーーが、路駐している白いSUVの右側に注目してほしい。よく見ると建ち並ぶビルの真ん中あたりに、1ヶ所だけへこんでいる場所があるのがわかるだろうか

 

これを巨大な建造物の地下広場から商店街の通りに出る階段から見ると……

 

 

 

 

 

 

 

 

正面に何かとても素敵なものが見えるので近付いてみる

 

 

 

 

 

 

 

 

あっ、今どき直角に腰が曲がったお年寄りが……じゃなくて

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

よくぞこんなシチュエーションで残ってくれた。と、惜しみない拍手を送りたくなるような見事な出桁造り商家である

 

この建物は、ちょっと前まで現役で営業していたのに、いつの間にか廃業して無住になってしまったので、取り壊されてしまわないか心配な物件だ

 

 

ここで例によって、いつ頃まで営業していたのか過去のストリートビューで確認してみると

 

 

 

 

 

 

 

 

2015年までは、このようにまだ元気に営業している姿が残っているが、その翌年から雨戸が一部開いている映像があるだけで、店先の自販機だけになり、2020年以降は、その自販機も消えてしまっていた

 

以上の検証から無住になってしまったのは、おそらく4年ほど以前のことだと考えられる

 

 

目黒区の繁華街に、このような古民家が残っているのは、まさに奇跡的な事例と言ってよく、もし無住になってしまっているならば区が買い取るなりなんなりして、今すぐ保護すべきであろう

 

 

 

 

 

 

 

 

巨大な建造物が出来てしまったので、この出桁造りの元酒屋のすぐ先の交差点が実質的に、現在の「目黒銀座商店街」の入り口となってしまった

 

順当に記事をすすめれば、このまま商店街に入るのだがその前に、この交差点を右側に曲がると……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんと、何度も書いている邪魔っけな建物の真ん前に、もうひとつこんなミラクルが。驚くべきことに、タワーマンションの真ん前に痛快にもバラック建築が残っているのだ!!

 

 

この物件もいつ頃廃業して放置されているのかよく覚えていない、というか、元はどんな商売をしていたのか記憶から抜け落ちてしまっているが、造りからして焼き鳥屋などの小さな居酒屋だったような雰囲気である

 

このような持ち主不明物件は社会問題化しているので、いずれ強制代執行で破壊されてしまう運命だろう

 

 

今度は商店街の入り口を左側に曲がる。そちらの路地は飲食街になっているが高い建物は皆無で「目黒銀座商店街」よりも、むしろ昭和な風景が残っている

 

 

 

 

 

 

 

 

路地を曲がったところから中目黒駅の方向を撮影するとこんな感じ

 

 

そこにあるのはタワーマンションとは対照的な下町的な風景だ。並んでいるのは戦後型の看板建築群である

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最初に目につくのは建物の2階部分の横を、タキロン波板で覆った看板建築で、まるで台東区小島一丁目にあるような、二階建ての看板建築に、無理やり三階部分を増築した違法建築スレスレの建物だ

 

袖看板やジャングルを表現したような安っぽい南国風の装飾から、まず間違いなくエスニック系の料理屋だろう。袖看板には「セイロンイン」「スリランカ」の文字が確認できるのでスリランカ料理の店だと思われる

 

 

この「セイロンイン」の隣にあるのは……

 

 

 

 

 

 

 

 

とても中目黒の中心地にあるとは思えないクォーターもじゃ化した「藤間流 新日本舞踊稽古所」なのだから度肝を抜かれる

 

しかし、外壁のモルタル塗装はところどころ剥落しており、閉ざされたシャッターと雨戸から見て、ずいぶん以前に廃業して無住のまま放置されているようだ

 

 

これだけでもお洒落な都会という中目黒のイメージが、いかに後付けで作り上げられた浅薄なものなのかよくわかる。そしてこの先には、さらなる驚きの物件が複数残っている

 

 

その物件とは……続く

 

 

 

 

 

 

 

†PIAS†

 

 

 

 

 

 

 

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