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🎠 ③路地裏の出桁造りと市場通り商店街 

 

 

 

 

 

 

僕の散策は常にテキトーであろうと考えている。前回も言及したように、その界隈にある物件を詳しく調べてしまうと「◯◯は見たから次は✕✕」を見なければ……

 

という風に予定を消化する「観光」になってしまい、そこには「発見」や「冒険」といった要素が入り込む余地がなくなってしまうからだ

 

 

これが最低限の知識しか持たずに出かけると、知っていれば「ふーん」で終わってしまうような些細なことでも「おおっ、こんな物件があったのか!」と、「感動」を覚えたりすることができる

 

などと書くと、良いことずくめのように勘違いするが、このテキトーな散策には大きな落とし穴がある。それは“わかりにくい場所にある物件を見逃してしまう”確率が高くなることだ

 

 

前回の記事で取り上げた登録有形文化財の「稲荷湯」も、そのテキトーさが災いして、長年にわたり存在を知ることなく見落としていた物件であった

 

ネット検索で知ったその「稲荷湯」を撮影して「予定」を終えた……と、一息つく間もなく今度は「発見」が僕を待ち受けていた

 

 

というのも、その「稲荷湯」の隣には……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

車もすれ違えないような、こんな細い裏路地に、ちょっと驚くような大きな古い建物があった。しかも、その建物の横の部分を見ると僕の大好物の錆びついた波板の出桁造りの建物ではないか!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

建物の横と向かい側には資材置場のようなスペースがあり、1階の部分を見ると廃業したわけではなさそうなのに、向かって左側には、いかにも仕事で使っていそうな軽トラが店舗部分に停められ、右側は事務所のような造りである

 

 

この雰囲気からすると、おそらく工務店のような業種の事務所と見て間違いないだろう

 

路地の入り口にも出桁造りの元商家があったし、路地に並んでいる建物のラインナップから昭和初期頃のこの界隈が、かなり賑やかな場所であったことが容易に想像できた

 

 

しかし旧中山道の様子は、そんな賑やかさとは程遠く東京23区内においても商店街が衰退するという、厳しい現実を見せつけられたようで複雑な気分になってしまう

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、ここでも前回の記事と同様に、レンズのコーティングが剥がれた2009年製造のRICOH GRには厳しい逆光が撮影を困難にしていて、陽の当たる部分は白飛びし影の部分は黒く潰れるという悪条件が続く

 

さらに路地の道幅があまりにも狭く正面からの構図は、超広角のフォクトレンダー・ウルトラワイドヘリヤーでもないかぎり撮影不可能だろう

 

 

縦構図の上の3枚の写真は、そのような条件で撮影した黒潰れした画像を加工でなんとか見られるようにしたが、やはりちょっと無理のある仕上がりであった

 

これでこの細い裏路地にある物件は、だいたい撮影したので「御代の台仲通り商店街」から中山道に出た地点に戻ることにした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうせ引き返すのだからと往路では撮影しなかった物件を撮影しながら、「稲荷湯」とは反対側の路地にも気になる場所があったので、その細い路地に入ると、またしてもちょっとした驚きの風景に出くわした

 

反対側のその路地の入り口は、「稲荷湯」の路地と同様に車が入るのも困難な狭さであったが、ほんの20メートルもすすむと……

 

 

 

 

 

 

 

 

いきなり道幅が広くなり、そこには「滝野川市場通り」という商店街があったのだ!

 

こんな立派な商店街を見落としていたのは、何度も書いたが旧中山道は、高校生の頃から何度も通っているのに、当時は古書店しか頭になく、その後ブログをはじめてからは「中山道」という主目的があったため、その周りを見る余裕を失っていたのがその理由であろう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、長年この商店街に気がつかなかったのは、中山道からほんのわずか離れたところにあるくせに、中山道とは繋がっていなかったという要素が大きい

 

普通はこんなシチュエーションなら、この界隈のメインストリートである中山道とリンクするのが当然なのに、何故繋げなかったのかが謎である

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

調べてみるとこの商店街は、どうやら戦後になってから成立したようで、中心部にあるチェーン店のスーパー「コモディイイダ」と共存しながら発展してきたようだ

 

通常は、こういった小規模な商店街は、大型スーパーができると客を奪われて衰退してしまうが、このように共存共栄している例も時おり見かける

 

 

僕の地元である川崎市にも鹿島田駅から離れた住宅街に、駅に依存しない塚越商店街というのがあって、かつては中心部に相鉄ローゼンがあり商店街はスーパーと共存共栄していたが、先日久しぶりに訪れるとスーパーが撤退して、商店街が滅びかけていて驚いた

 

こちらの商店街は、わずか200メートルほどで終わるが、その外れのほうに3棟並んだ二階建ての看板建築があったが、この物件

 

 

 

 

 

 

 

 

角度を変えて見ると、どの建物もパラペットを高く取って、三階建てのような高さに揃えている様子が、背を高く見せようと子どもが背伸びしているようで微笑ましかった

 

その少し先の向かい側には……

 

 

 

 

 

 

 

 

「ベビーセンター」という三階建てのインパクト抜群のオモチャ屋があったけれど、なんとなく煤けたような雰囲気で廃業しているような感じである

 

ググってみたら地元民から「ベビセン」と呼ばれ親しまれていた老舗のようだが、どうやら臨時休業したまま再開されず廃業してしまったようだ

 

 

 

 

 

 

 

 

「滝野川市場通り商店街」は、ベビセンの先でやや広い道に分断されて終わっていたが、その通りの反対側を見るとファサードに「鰹節」と金文字で記された看板建築がポツリと建っていた

 

その先はあまり店があるような雰囲気ではなかったから、さっさと旧中山道に戻り板橋駅方面に戻ることにした

 

 

 

 

 

 

 

†PIAS†

 

 

 

 

 

 

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