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💄 ⑭千川上水沿いのハーフ廃墟と旧中山道 

 

 

 

 

 

王子駅→八幡通り商店街→宮元商店街→御代の台仲通り商店街と歩いてきたが、前回の記事の最後で紹介した「御菓子司 虎月」のすぐ先で、商店街の通りは旧中山道と交差している

 

 

 

 

 

 

 

 

「御代の台仲通り商店街」と記された街灯の前を横切っているのが旧中山道で、この通りは巣鴨から都営新宿線の板橋本町駅の付近まで、ところどころ途切れがちになるが商店街になっている

 

 

「御代の台仲通り商店街」の通りは、それまで歩いてきた両側の建物が圧迫するように細かった「宮元商店街」とは異なって、車が楽にすれ違えるほど広かったけれど、旧中山道との交差点の十字路から先は、再び極細の路地に変わる

 

このことから、やはり「八幡通り商店街」「宮元商店街」の道幅が本来の広さで「御代の台仲通り商店街」は、おそらく昭和初期頃に道路の拡幅が行われたものと考えられる

 

 

というのは、この道はどこか大きな町に繋がる往還というわけではないし、さらに旧中山道から数十メートルもすすんだところには、かつて千川上水という用水路が流れていたため、広い道があったとは考えられないからだ

 

 

上の写真の場所を地図で説明すると……

 

 

 

 

 

 

 

 

お気に入りの「ブティック ミヤ」のすぐ下に記されている「6丁目」という文字のすぐ左手を「↘️」このように貫いているのが旧中山道で、右下は巣鴨の地蔵通り商店街、左上に行くと板橋駅の横手に出る

 

この地図の縮尺をさらに上げると

 

 

 

 

 

 

 

 

この縮尺にすると「ブティック ミヤ」のあった「御代の台仲通り商店街」から先は、道幅が狭くなっていることがわかると思う

 

この旧中山道沿いには、記憶に残っているだけでも3軒の古書店があったため、板橋の旧中山道沿いは高校生の頃から数え切れないほど訪れているが、旧中山道から先は、たいていの場所が細い路地になっていたため、足を踏み入れたことはなかった

 

 

いつもの僕なら、それでも念のため少しは様子を見たりするのだが、なまじこの先には用水路があったということを知っていたから、町の連続性は途切れると思いこんでしまい、そこで思考が固まっていたわけだ

 

ところが今回のように、すでに何度も訪れている町の場合、逆に「この先にはこんな建物があって道幅はこうで……」と、ある程度知っているため、気まぐれが発動することがままあり、今回もその気まぐれで旧中山道の先まですすんでみると

 

 

 

 

 

 

 

 

東京の下町でよく見かける屋上の物干し台に出るための階段をクリアする突起のあるモルタル物件があった

 

屋上物干し台は、すでに撤去されてしまったため、まるで恐竜の角のような意味不明の突起だけが残されたわけだ。これは少し以前の記事で特集した川崎市の至宝「小向マーケット」と同じパターンである

 

 

「おおっ、なんとなく下町っぽいな」と、喜んでいると路地の少し先に、大好物の予感がする物件が目に入ってきた

 

 

 

 

 

 

 

 

「おおおおっ、これはヤバいんじゃない!?」思わず心のなかで感嘆の台詞が漏れた

 

昭和30年代頃の建物によく見られる肌色っぽいベージュのモルタル外壁は黒ずみ、かつては2階のほとんどを覆っていたものと思われる軒先のクレハロンテントは、跡形もなく消え去り骨組みだけになっている

 

 

この骨組みだけになった軒先テントの残骸を見ると、何故かいつも砂漠のなかに放置され骨だけになった野生動物を連想する僕は、よほど妄想力に長けているのだろう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

近づくとますます凄いことになっていた。建物の壁には東京DEEPなら間違いなく「貧民の象徴」と大喜びする共産党のポスターもピリッとしたよいアクセントを加えている。もちろん僕もクスッと笑った

 

建物の2階はアパートにでもなっているのか、裏手には比較的新しいママチャリ、エアコン室外機などが置かれている

 

 

ところが肝心の建物のほうは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正面に回っても軒先のクレハロンテントは破れ、その下にあった古い時代のガラス看板が見えてしまっていて、シャッターもしばらく開いていないようで、なんとなく煤けた雰囲気になってしまっていた

 

かつてはどんな店舗が入居していたのか、過去のストリートビューを見てみると

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうやら以前は正面に2店舗、横の部分に1店舗入居していたが、ビューに記録が残っている時代には、正面側は惣菜屋兼タバコ屋のみになり、横の部分はガラス看板を見るかぎり卸がメインの電気屋(?)のみになっていた

 

ビューには横の部分に入っている店舗、というより倉庫のような店内がチラリと写っていて、それを見ると、おそらくかつては僕の大好物のマーケット形式の集合店舗だったものが、次第に廃業してこのような状態になってしまったものと考えられる

 

 

僕が初めて散策したとき、もしこの路地に入っていれば、この物件の現役の姿と現在は新しい建物になってしまっている路地を挟んだ向かい側にあった中華料理屋も見ることができたわけで、注意力の足りない当時の自分を説教したい気分になる

 

この物件の近くには他に見るべきものはなさそうだったので、旧中山道に戻ることにした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

旧中山道に出て、とりあえず巣鴨地蔵通り商店街方面のほうに向かう。今回は「滝野川」というテーマを設けているため、巣鴨の町に入る前に引き返してゴールは板橋駅に設定する

 

最初に目についたのはトリコロールカラーの軒先テントがかわいい「コスメティック すずらん」という化粧品店で、こちらの建物も後方を見ると先ほどの路地裏にあった物件と同様に、何やら屋上に尖塔のようなものが見えた

 

 

しかし、こちらのものは形状からすると屋上物干し台に出るために設えられたようには見えず、本当の尖塔のように見える。というのは、屋上に出るための尖塔風の構造物は、基本的に階段をクリアするためのものであるからだ

 

したがって、階段の形状に合わせて天辺が斜めになっているのがデフォルトの設定で、こういった形状の場合は煙出し、つまり煙突の役割である場合がほとんどである

 

 

さんざん悩んだが結論は出ず先送りにすることにして先にすすむと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さっそく最初の戦前物件を発見した。いや、旧中山道は何度も通っているので「発見」という表現は正確ではないが、印象的な建物以外は記憶が曖昧になっているため、発見と感じただけの話だ

 

こちらの物件も建物の横の部分はサイディングボードで覆われてしまっていたが、店舗の入り口部分が残っているだけで、まだ“よし”とせねばなるまい

 

 

ちなみに、この出桁造りの元商家の隣は現在どうでもいいマンションになっているが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

腹立たしいことに、前回僕が散策した2017年の9月までは隣に入母屋屋根の戦前物件が並んでいた。僕が散策したのも9月なので、ほんのわずかなタイミングのズレで撮影できなかったわけであるファッキン!

 

 

ということで、次回は滝野川のもうひとつの核心部である旧中山道沿い、およびその周辺を散策するが、何度も通っているのにも関わらずいくつもの新たな発見をすることになる

 

 

 

続く

 

 

 

 

 

 

 

†PIAS†

 

 

 

 

 

 

 

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