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🔨 ⑧衰退してゆく商店街と和洋折衷の古民家 

 

 

 

 

 

もったいぶらずに今回は、いきなりクライマックスからはじめる

 

前回の最後に紹介した肌色のモルタル外壁に「肉」の文字からキン肉マンを想起させる「肉の京増」と、元交番のある辻には、タイトルバック写真の左手に見えている和洋折衷のこんな古民家が残っている

 

 

こちらの建物を初めて見たのは、滝野川地区を最初に散策した7年前のことであるが、その当時からすでに商売はやめてしまっているような感じであった

 

建物は、かなり凝った造りで、正面から見ると武州では定番のスタイルの木造二階建て平入切妻のように見えるけれど、離れたところから見ると入母屋屋根であることがわかる

 

 

しかし向かって左側には、1階の部分が洋館風の造りの妻入の店舗入り口のような部分が増築されている

 

 

 

 

 

 

 

 

 

建物の保存状態は極めて良好で、木製の高覧や入り口の扉も木製が保たれており、植栽も相俟って伝統的な美意識を感じさせる

 

この建物を初めて見たときから屋号などは記されておらず、すでに商売はやめてしまっているような感じであったが、窓に曇りはなく入り口の前もゴミひとつ落ちていない

 

 

 

 

 

 

 

 

洋館風の入り口の窓には格子が付けられているし玄関の造作は、寿司屋とか料亭などの日本料理屋を彷彿とさせた

 

しかし、こちらのほうにも屋号などは記されておらず、建物を最初に見たときの印象どおり廃業して住居として使われているのだろう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

建物の横に回りこんでみると、横部分も洋館のような造りになっており、中庭らしき空間のさらに奥に離れのような建物と数寄屋風な格子戸の入り口がある

 

と、いろいろ説明するが、この日は古民家撮影にはもっとも向いていないドピーカン。太陽の光が強すぎて、明るいところは色飛びして暗いところは真っ黒という最悪の条件で、ロクな写真が撮れない

 

 

なので、ほどよく曇っていた2019年の二度目の散策のとき撮影した画像を貼っておく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うーん、素晴らしい! これぞ日本の美という文句の付けどころのない見事な建物である

 

残念ながら、ここに来る途中にあった出桁造りの建物は、跡形もなく取り壊されてしまっていたので、せめてこの建物ぐらいは末長く残ってほしいものだ

 

 

それにしても建物を撮影するのは、どんよりと曇った日にかぎることは明らかで、夫婦で古い給水塔やハーフティンバーの建物などを専門に撮影しているドイツの写真家ベッヒャー夫妻は、曇天の日にしか撮影しないそうだ

 

という話はともかく、こちらの建物の裏手はもう住宅街で、石神井川の造り出した河岸段丘の緩い坂道になっていたが、1軒だけこんな

 

 

 

 

 

 

 

 

「浅野金物」という、いかにも昔から続いていそうな金物屋があったが、その先は完全に住宅街になってしまっていたので、洋館付き出桁造りのあった八幡通りに戻る

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、この日は日曜日だったせいなのか、あるいは懸念したように商店街自体が衰退しているのか、営業している店舗は、ほとんど見当たらなかった

 

さらに、前述したように撮影には最悪の条件であるピーカンの強烈な陽射し、それに加えて僕のGRはレンズのコーティングが剥げてしまっているので、やむを得ず手の平で日光を遮りながら撮影した

 

 

商店街は板橋駅に向かう方向がメインストリートであるが、こういったときは反対側のほうを確認するのが僕の流儀なので、とりあえず駅から遠いほうに向かう

 

以前訪れたときには、この先には……

 

 

 

 

 

 

 

 

こんな渋い看板建築が残っていたはずなのだが、いくら探しても見つけることはできなかった。おそらくクダラナイ建物に建て替えられてしまったのだろうファッキン!

 

結局、こちらの物件は見つけることが出来なかったが、この建物があった場所と思われる地点の近くに

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ものすごく狭い玄関の住宅があって、しばらく目が釘付けになってしまった

 

狭いのに、きちんと門柱があり、なんと手すりまでついついる。入り口の階段も十分狭いが、その狭い階段よりさらに幅の狭いドアが!

 

 

玄関の屋根庇には青いスペイン瓦のような装飾もあり、かなり凝った造りだが、とにかく狭い

 

さらに詳細に観察してみると、ドアの下のほうはベニヤ板が腐食してボロボロになっていて、5センチほど隙間が開いてしまっていることから、おそらく廃屋化しているものと思われる

 

 

この狭い玄関の住宅から先は、住宅街になってしまったので、元交番まで戻って「肉の京増」の右側、板橋駅方面に続いている路地に曲がる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

曲がってすぐのところには、渋い店構えの店舗があったが、看板のたぐいは一切なくどうやら廃業してしまっているようだ

 

念のためもっとも古い2009年のストリートビューで確認してみたが、このあたりはほとんどの建物が(僕の大嫌いな)サイディングボード外壁の建て売り住宅に侵食されてしまっており、商店街の空白部分になってしまっていた

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらの「福の家」という店もマップに記載はなく、見るからに廃業してしまっているような雰囲気であった

 

しかし「空白部分」と書いたように、建て売り住宅ゾーンが20メートルほど続いたあとは再び店舗が並び出し、そのあたりが現在の滝野川八幡通り商店街の核心部と言えるだろう

 

 

そして核心部には、滝野川を散策したブログでは必ず取り上げている、どうしても見ておかなかければならない物件があるのだ

 

 

 

 

続く

 

 

 

 

 

 

 

†PIAS†

 

 

 

 

 

 

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