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🍜 final 王子新道の昭和物件と石神井川の欺瞞的公園
もはや存在していない商店街「ふれあい通り」から西谷戸新道を越えて都電荒川線の滝野川一丁目電停を越えると、無駄な道路予定地に残っていた古民家は、7年前と同じようにそこに佇んでいた
古民家のすぐ先には、かつてのベルリンの壁のごとく明治通りの真ん中に、首都高速中央環状線が立ち塞がっている。これでは住民の行き来の阻害になることは明らかで、常々僕が唱えている
「広い道路は町を分断し結果として滅ぼす」という説を裏付けるかのように、滅びてしまった「馬場商店街」という、商店街の痕跡が残されていた
商店街のメインストリートから少し外れた場所に出桁造り商家の成れの果てを発見したのを唯一の成果として、さらに先にすすむと以前は、このあたりにも店があったようで「総合食品 朝田屋」という店が残っていた
隣にあったデイサービスの施設は、おそらく潰れたコンビニの跡地だと思われた
そこから西にいくらも行かないうちに……
いかにも近年になって敷設されたものと思われる広い道路にぶち当たったが、この通りの風景には見覚えがある。以前、板橋から王子に向かうときに通った道で間違いないだろう
王子方面に向かって歩いていると「大橋建具製作所」という渋い物件があったが、傍若無人に貼りまくられた政党ポスターを見るかぎり、どうやら廃業してしまっているようだ
と、思って奥のほうに視線を送ると長い通路には電気が灯っていたので、日曜日なので休業しているだけのようだ
新しい道路なので「大橋建具製作所」以外には、とくに見るべきものもなく……
石神井川をわたる。ここまで来れば王子新道を右に曲がると王子駅はもうすぐそこである
王子新道は、その名のとおり新しく敷設された広い道路なので、古い建物にはまったく期待が持てずオールスルーという気持ちでいたが……
驚いたことに、けっこう古そうな中華料理屋があった
まあ、新道といっても敷設されたのはけっこう昔のことだから、古い建物があってもおかしくはないのだが使われているガラスブロックや明かり取りが模様の入ったガラスなので、昭和30年代ぐらいの物件だろうか
この「竹林亭」の周辺にだけ古い建物が集まっているようで……
かなり渋い看板建築があった。向かって左側の建物には内部通路があるから、もしかしたら僕の大好物のマーケットだったのかもしれない
その並びは「ふとん㈲ ○夕よし」という布団屋だが、煤けて埃っぽいことから廃業してしまっているようだ
その先には、とくに見るべきものもなく王子の北西方向、有名な王子稲荷や名主の滝公園に続く商店街に続いている坂道までやって来た
坂道の入り口には以前から気になっている「社団法人 北産業連合会」というRC構造三階建ての古そうな建物がある
こちらの建物も昭和30年代的な空気をまとっているが、調べても小さな町工場の集まりといった組織の情報しかヒットせず、この建物を気にするひとはあまりいないようだ
この坂道を下りず都道455号線を十条方面に向かうと出桁造り商家などの古い建物が若干残っているが、日没寸前なのでスルーして王子駅に向かう
けっこう急な下り坂沿いも微妙に商店街になっており、坂道を下りきった十字路の左側が王子稲荷の商店街であるが、曲がり角に小間物の「相模屋」、タバコの自販機のみが現役の「経師屋」という渋い看板建築がある
こちらの物件は2、3回ブログ記事に載せている、けっこうお気に入りの建物だが、王子駅のすぐ近くにあるためロングの絵にすると……
後ろには高層ビルが聳えているという、いかにも東京らしい風景になってしまうのが興醒めである
王子稲荷の商店街には、さして見るべき建物がないので右に曲がって駅に向かう
王子駅の改札の前には、石神井川を埋め立てた挙げ句、偽物の渓谷風にした欺瞞的な親水公園がある
こんなことに無駄な予算を浪費するのは、どう考えても土建に絡む利権のためであろう。こんな愚劣なことをする前に、何故、江戸名所図絵にも描かれている美しい風景を残そうと努力しないのか
土建的な思考に毒されて麻痺した日本人以外の者が見たら、その愚劣さに呆れること間違いなしだろう
などと怒っていたら欺瞞的石神井川の親水公園の向こう岸に「北海道ラーメン みそ熊」の看板を見つけた。うーん、北千住や下北沢だけでなく、この町にもあったか
と、味噌ラーメンが食べたくなるが、現在、古着禁止令に次いでラーメン自粛令も発動しているため、涙を飲んでラーメンを諦めて駅に向かったが、そういえば今回は都電荒川線を1枚しか撮影してないことに思いいたり
飛鳥山の下まで移動して都電を撮影しようとするが、この日はいつにも増して道路が渋滞していて、ロクな写真が撮れずさっさと諦めて帰途についた
ということで、これで《しもふり銀座から滝野川へ》は終わるが、今回は思っていたよりも散策に時間がかかってしまい、タイトルにある「滝野川」に関しては馬場商店街しか散策出来なかった
ということで次回の散策は、自動的にやり残した滝野川に決定したが、その前に地元の川崎のディープな物件を取材した写真が相当数たまっているので、次のシリーズは散策ブロガーから見放されている川崎中部のあれこれを紹介する
†PIAS†
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