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🚧 ⑩更地の町と廃屋じゃなかった「あおやぎ」 

 

 

 

 

 

 

しもふり銀座から駒込銀座までは東京でも比較的栄えている賑やかな商店街であったが名称が西ヶ原に変わると徐々に寂れた雰囲気が強くなった

 

 

そして飛鳥山方面から続くゲーテの小路という、ぜんぜん小路ではない道路に分断された先からは「広い道路は町を分断して結果として滅ぼす」という僕の提唱する説のとおり、まるで地方のシャッター街のような様相を呈するようになる

 

いや、地方のシャッター街は店舗は廃業しても建物は残っていて、それが物悲しさを助長しているが、こちらは廃業してしまった商家は更地のまま放置されるか容赦なく建て売り住宅やマンションに建て替わってしまう

 

 

したがって、初めて訪れたひとは終わった商店街とは気付かず、最初からこんな無機質な町だったと思ってしまうだろう

 

 

 

 

 

 

 

 

無惨にも取り壊されている最中に出くわした「酒処 おみよ」の隣にある床屋は、ここでも寂れた町でも生き残るという法則のとおり、この日も現役で営業していた

 

床屋の場合、ふりの客ではなく地域に根差した常連相手の商売という業態、そして巨大ショッピングモールとは競合しないところが生き残っている要因だと考えられる

 

 

しかし、床屋のすぐ先にあったプチもじゃハウスの店は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これは不注意な運転手が店に突っ込んでしまったわけではなく、東京の下町ではすでに日常的な光景になっている“廃業した店の店舗部分がガレージにされている”という構図である

 

ただし、こちらの場合は店舗の奥行きが足りず軽自動車ですらはみ出してしまったか、あるいは面倒なので途中までしか車庫入れしなかったかのどちらかであろう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらの「あおやぎ」は、7年前に行った前回の散策のときには、すでに廃業してしまっている雰囲気であったが、そのときと変わらずに残っていた

 

そのとき僕はこの建物を見て「もしかしたら無住で放置されているのか?」という印象を抱いたが、どうやらそれは勘違いのようで店の前に置かれたベンチで近所の方が談笑していた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もちろん、このようにまだ営業している店舗は多少残っていたが、もはや商店街を名乗れるほどの店舗密度はなく、そういえばこのあたりは「ふれあい通り」という名前の商店街だったはずだが、それを示す表示はどこにも見当たらなかった

 

そして前回の散策時には、まだ濃厚に残っていた商店街の雰囲気は薄れ“住宅街のなかのところどころに店舗が点在している”という、空虚な雰囲気に変わってしまっていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さらに目につくのが古い建物を取り壊した跡地で、一部の町並みがごっそり更地にされているという、なんとも不快な気分になる現場に、またしても出くわしてしまった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これは7年前に撮影したこのあたりに残っていた建物である。今回の散策では、もはや跡形もなく取り壊されてしまった後で、これらの物件がどこにあったのかも判然としなかった

 

「龍文堂」書店は古書と新刊雑誌という珍しい業態だが、昔はあちこちにこのような店があった。僕がまだ高校生だった頃には、中目黒駅を降りて山手通りをわたってすぐの場所にも、同じ営業形態の店があった

 

 

かつてはこのような店舗が並び商店街そのものの風景だった通りは、7年前ですら廃業して放置されている店舗が目についたが、もはやそうした建物はあまり見当たらず、面白味の欠片もない無機質でツマラナイ風景に上書きされていた

 

ところどころに寿司屋や小料理屋、薬局などが点在するのみである

 

 

先ほどの広大な更地の隣には……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

病院だったのか会社の社員寮だったのか、あるいはアパートだったのか判断に苦しむ不思議なデザインの建物があった。2階の窓面積の広さから設計事務所という線も考えられる

 

ところが建物の正面に回りこんでみたら普通の住宅のような入り口があり、ますます戸惑う物件である

 

 

駒込駅付近の本郷通りからはじまった長い長い商店街も、このよくわからない建物の先で都電荒川線の滝野川一丁目の電停のほうからの路地とぶつかり、商店街はその丁字路を左に曲がりさらに続くが、残りはあと30メートルほどだ

 

その丁字路には前回の散策において、もっとも印象に残っていた物件があるのだが、それを目にしたとたんに今回の散策で、もっとも見たくなかった光景を見てしまい激しい衝撃を受けることになる

 

 

 

 

続く

 

 

 

 

 

 

 

†PIAS†

 

 

 

 

 

 

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