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🥬 final 八百喜の意外な秘密と突然のトラブル 

 

 

 

 

 

いよいよ最終回である。今回で鎌倉の散策シリーズは終了するわけだが、北鎌倉、そして鎌倉駅、鶴岡八幡宮周辺、大町、材木座と、これで鎌倉周辺の重要な部分はほぼ網羅した

 

しかし、もっとも見所が多い由比ヶ浜通りを大仏のある長谷までゆくコースは、ずいぶん以前に歩いたっきりで、5年も経過すれば取り壊されてしまった古民家もあるはずだし、ずいぶん様変わりしているはずだ

 

 

なので、次の鎌倉散策は由比ヶ浜通りを再び歩こうかと考えている

 

 

ところで、タイトルバック写真の風景を見て訝しく思った方も多いはずだ「このわざとらしい未来的な町はなんなんだ」と、

 

当然この風景は鎌倉とは一切関係のない、神奈川県のとある駅前風景なのだが、何故このような関係ない場所の写真をタイトルバックに使用したのか……

 

 

それは読みすすめるうちに、やがて明らかになろう

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、こちらは前回の記事の最後に紹介した小町大路が海岸線にぶつかり曲尺手状に曲がったところに残っていた「萬屋商店」という、素晴らしい木造厨子二階建ての商家を横の路地から見た構図だ

 

路地の奥は住宅街になっており、この写真を撮影した場所から、ぐるっと後ろを振り向くと……

 

 

 

 

 

 

 

 

鎌倉では、もうすっかりお馴染みなった房総スタイルの住宅があった

 

こちらの物件も房総往還沿いで飽きるほど見かけた、方形屋根を模した二段構えの屋根を持つ典型的な房総スタイルである

 

 

さらに……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小町大路を逗子方面にいくらも行かない場所にも房総スタイルの住宅がある

 

この場所は、すでに商店街の範囲を過ぎており、前回のシリーズにおいては、真っ暗でイマイチな写真しか撮影できなかったので、今回抑えておきたい物件のひとつであった

 

 

現在、この房総スタイルの住宅の隣には撮影する気にもならない面白味の欠片もない建物が建っているが、何気なく過去のストリートビューを見ていたら……

 

 

 

 

 

 

 

 

以前は戦後型の看板建築の薬局があったことが判明した

 

ここから先は古い建物などほぼ皆無で、オモチャのようなサイディングボード外壁の面白味のない建て売り住宅ばかりが並んだ町並みになっている

 

 

戦前からの歴史のある通りにおいて、この状況は不自然極まりなく、おそらくかつてはもう少し先まで商店街は続いていたのに、後継者不足などにより次々と廃業して、現在のような町並みに変わってしまったものと思われる

 

神奈川県随一の観光の町、鎌倉といえども観光客が集まる場所以外は、次第に衰退しているようで、自治体がこのことに危機感を抱いているとは思えないことには呆れるしかない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

などと憤っていると、やけに味わいのある古民家がありネットで封鎖された手前には、なぜか会議室にあるような長テーブルが置かれ「さくら貝」、書籍、そしてサンダルとニットキャップが売られていた

 

何故こんな廃屋の前でガレージセールみたいなことをしているのだ? というか、フリマ的なガレージセールにしては唐突すぎやしないか

 

 

などと頭を悩ませながら撮影していると、廃屋だとばかり思っていた建物からオバサンが出て来て驚いた

 

どうやら僕は、廃墟かと思って撮影すると誰がが出て来る……というパターンに取り憑かれているらしい

 

 

 

 

 

 

 

 

廃屋だと思っていた建物は寄せ集めのように、3棟の異なるデザインのブリキ波板外壁の建物の集合体で、かなり興味深い

 

それにしても、ここでも隣は不自然な駐車場にされており、やっぱりこのあたりは不自然な更地が多い。多すぎる

 

 

これは間違いなく古い建物を取り壊した跡地だろう。そう考えて例によって過去のストリートビューで確認してみると

 

 

 

 

 

 

 

 

思ったとおり不自然な駐車場の場所には、以前は戦前物件だと思われる古い住宅が建っていたことがわかった

 

興味深いのは、この画像からわずか十数年で新品のような波板が錆び錆びになっていることで、このあたりは海岸線から至近距離なため、やはり海からの塩分濃度高めの風が吹くのだろう

 

 

ところで過去のビューを見ると、このすぐ先の少し道路から引っ込んだ場所には、蓮乗院、光明寺という寺院があるが、その参道の入り口にも……

 

 

 

 

 

 

 

 

かつては、このような洋館風の出窓建築がくっついている文化住宅的な建物が存在していたことが判明した

 

もちろん、現在はこのようなおもむき深い建物は跡形もなく消え去っていて、この先にはロクに見るものはない

 

 

しかし小町大路が海岸線に接近して、国道134号線とニアミスする地点の手前には、やはり前回の散策では暗くてまともな写真が撮影できなかった廃業した看板建築の八百屋があるので、その物件だけ撮影して今回の散策は終わりにしよう……

 

などと、あとは消化試合のように考えていたら、その最後の物件には、意外な秘密が隠されていたのだ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらがどう見てもずいぶん以前に廃業したものと思われる八百屋で、ああ、昔はこんな逗子寄りまで商店街が続いていたんだなあ

 

と、いささかセンチメンタルな気分になっていたが、ファサードに残された金文字の屋号に何気なく視線を送ると、そこにはこう記されていた「八百喜商店」と

 

 

ええっ、「八百喜商店」といえば、先ほど現役で営業している姿を撮影したばかりではないか!

 

しかしこれで、さほど大きいとは言えない材木座の商店街なのに、ごく近い場所に2軒の八百屋が並んでいた謎が解けた

 

 

おそらく商店街がもっと繁盛していた頃、「八百喜商店」はこの場所で商売をしていたことに間違いないだろう

 

ところが先ほどの薬局の例を持ち出すまでもなく、商店街は次第に衰退してしまい、商家が並んだ町並みに連続性がなくなり「八百喜商店」は、まるで離れ小島のように取り残されてしまったというわけだ

 

 

このままではじり貧になって滅びてしまう……という危機感を抱いて、まだ店舗が固まっている現在の場所に店舗を移転したのだろう

 

思わぬドラマに、いつまでこの場所で商売をしていたのか気になり、過去のビューを確認するといちばん古い2010年の段階で、すでに現在の場所に移転しており、どうやら材木座の衰退はかなり以前からはじまっていたようだ

 

 

 

 

 

 

 

 

これが2010年の「旧・八百喜商店」である。この頃はまだ「八」の金文字は抜け落ちていないが、それより気になったのは、隣に素晴らしい古民家があることだ

 

もちろん、現在はこのような建物はどこにもなくツマラナイ建て売り住宅が並んでいるだけで、このビューを見るとこの古民家の左隣の建物が解体されている最中の映像が残されていた

 

 

願わくば、これ以上、鎌倉の貴重な古い建物の愚かな解体が進行しないことを祈るばかりである

 

 

 

 

 

 

ということで、これで《観光客の行かない鎌倉phase3》は終了する

 

--が、まだ日没にもなっていない時刻だったので、茅ヶ崎駅に移動して「トレファクスタイル」「モードオフ」「セカンドストリート」「3ピース」と、リサイクル古着屋を回ることにした

 

現在、古着禁止令が絶賛発動中なので、もちろん購入する気はないが、回ってみると心配するまでもなく、欲しくなる古着はひとつもなく胸を撫で下ろした

 

 

リサイクル古着屋を回るとすっかり夜になっていたので、さんざん歩き回って腹が減っていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここで食べログなどを使い店を探すのも面倒だから、駅前のロータリーのすぐ脇にあった和風とんこつラーメンと記された店に入った

 

どんな味なのかよく覚えていないが、ラーメンを作っていた女将さんがけっこう美人だったことはよく覚えている

 

 

特別美味しくはないが、かといってダメでもない、そこそこ美味しいラーメンを食べて店を出ると「カレーハウス ブータン」という店も気になった

 

 

腹も膨れたので東海道線に乗って帰るか……

 

と、茅ヶ崎駅のホームに向かい電車に乗るが奇妙なことに、電車はなかなか発車しない。なんだ、なんだ? と、思っていると「○○駅で車両トラブルのため……」

 

という不吉なアナウンスが。マジすか。と、思っていると……

 

かなり深刻にトラブっているようで復旧は未定とのこと。車内がザワつきだし「帰社が遅れます」「申し訳ありません茅ヶ崎でトラブルがあって……」などとサラリーマンが電話をしはじめた

 

 

一瞬、僕も途方に暮れるが、よくよく考えてみると茅ヶ崎にはJR東海道線だけではなく相模線もあるではないか!

 

慌ててホームの階段を登り、まったく予定外の相模線に乗り込むと電車はすぐに発車して……

 

 

 

 

 

 

 

 

海老名まで出て、東急東横線直通の相鉄線で日吉まで行って乗り換え武蔵小杉へ。帰宅時間は予定より1時間ぐらい遅くなってしまったのであったファッキン!

 

 

ということで、タイトルバックのヘンテコな未来都市は海老名の「ビナウォーク」だった。と、オチがついたところで《観光客の行かない鎌倉phase3》おしまい

 

 

 

 

 

 

 

†PIAS†

 

 

 

 

 

 

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