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🐟 ⑨進藤商店、萬屋商店2棟の厨子二階建て 

 

 

 

 

 

材木座の商店街は、クリーニング店、薬局、酒屋、ラーメン屋、精米店、鮮魚店、タバコ屋など、近年になって後継者不足なのか、次々と古い店が廃業して雑貨店のような「アメリリカヤ」を筆頭に、出桁造り商家など貴重な古民家が消え失せていた

 

その跡地は更地のまま放置されるか面白味の欠片もない、まるでオモチャのような軽薄な建て売り住宅にされてしまっており、東京の下町の商店街が滅びてゆくのと同じ経緯をたどっているようだ

 

 

そんなファッキンな状況のなか、希望の光を灯すのが

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あまりにも素晴らしいこちらの木造厨子二階建て出桁造りの「進藤商店」である

 

調べてみたが、この酒屋に関する情報はほとんどなく、唯一、鎌倉地区でも指折りの品揃えを誇るということしかわからず、いつ創業されたのか、などの情報は少なくともネット上には皆無であった

 

 

しかし、これほど見事な木造厨子二階建て出桁造りを、戦後になってから建てる建材も建てられる棟梁も限られているものと類推できるので、昭和初期頃からこの場所で営業していることは間違いなかろう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

主屋の向かって右側には土蔵、そして左には倉庫がありシンメトリーな美を造り出している

 

左の倉庫の横には敷地内に繋がる通路があり、奥行きは隣の建て売り住宅の優に3~4軒ぶんはあり、この物件が宿場町などに見られる間口より奥行きの長い鰻の寝床状であることも古い物件であることを示唆している

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらの物件も暮れゆくマジックアワーに撮影した写真を貼っておく

 

それにしても素晴らしい建物である。いつまでも残っていてほしいと願わずにはいられない

 

 

 

 

 

 

 

 

酒屋の「進藤商店」そして八百屋の「八百喜」の先には、主屋をなくした土蔵が寂しそうに佇んでいる。おそらく隣の駐車場には、以前は出桁造り商家があったにちがいない

 

その土蔵の前で小町大路は曲尺手のように曲がっている。といっても敵勢に一気に攻め込まれないためではなく、目の前は海岸なので、真っ直ぐすすめないからだ

 

 

その曲尺手状のカーブの内側には……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現役で営業を続けている鮮魚店「魚梅」という店がある

 

残念ながらこの日は定休日なのか閉まっていたので、またしても前回撮影したマジックアワーの写真でお茶を濁しておく

 

 

 

 

 

 

 

 

店先に並んだ青いバケツ、ガラスのショーケースの前には平台。白いシャツにゴムの前掛けという、子どもの頃見た魚屋と何ら変わらない懐かしい風景に、しばし佇んでしまった

 

これもなくしてはいけない日本の美しい風景と言えるだろう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夕焼けの魔法がかかる前の材木座海岸は、いたって平凡な風景であった

 

海岸線と平行するように通る国道134号線の架橋の下にはママチャリが停められているが、おそらくロコのチャリンコサーファーのものであろう

 

 

曲尺手の角地には、コジャレたカフェのような店があり壁面に「very good」というネオンサインが灯っていた

 

メニューを見るとやけにカレーが強調されていたので、カレーが売りのカフェか、もしかしたらカレー屋かもしれない

 

 

そして、曲尺手を抜けたところにあるのが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「進藤商店」と似たような木造厨子二階建ての「萬屋商店」という酒屋である

 

商店街としては衰退し、ほとんどの店舗が廃業してしまったあとも青果店と酒屋が、それぞれ2軒ずつ残っているのが興味深い(さらに十年ちょい前にはもう1軒酒屋があった)

 

 

そして進藤商店の向かいにあった鮮魚店が廃業していなければ、魚屋も2軒残っていたのに残念である

 

 

 

 

 

 

 

 

「萬屋商店」も横から見ると店舗部分の天井よりも少し高いところに窓があることから屋根裏部屋の存在している厨子二階建てだということがわかる

 

鎌倉界隈には、やけに平屋建て住宅が多かったが、鶴岡八幡宮近辺から長谷にかけての道筋を除くと商家も低い建物が主流だったのは、海風が強かったせいのか、あるいは単なる流行だったのかはよくわからない

 

 

しかし、そういった伝統に基づいた鎌倉特有の景観というものが、近年になって次々と失なわれ地域特有の風景が消えつつあることは確実である

 

このまま何の対策も施さなかったら、やがて鎌倉特有の風景は残らず失なわれてしまうだろう

 

 

 

続く

 

 

 

 

 

 

 

†PIAS†

 

 

 

 

 

 

 

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