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🚒 昭和な風景を求めて夜の荻窪を彷徨する 

 

 

 

 

 

前編では荻窪駅の北口の青梅街道より向こう側を散策したが、後編は青梅街道に隣接した「島」のようになっている部分を歩く

 

荻窪は中央線の主要な駅なのに、たとえば中野ブロードウェイとか高円寺純情商店街のようなメインとなるメジャーな商店街が存在しない

 

 

商店街自体は前編で紹介した教会通りや天沼八幡通りのようにいくつも存在し、青梅街道のガードが通行の邪魔をする東方面以外、ほぼどちらの方向にも続いているのに、だ

 

おそらく原因は青梅街道の拡幅と環八により、かつては駅前から四面堂方面まで続いていたであろう商店街が、幹線道路に分断され、さらに上書きされて飲み込まれたからではないかと推測している

 

 

この推理だと駅前から離れた……環八より向こうにある銅板葺き看板建築などの存在も説明がつく

 

 

 

 

 

 

 

 

ところで地図を見ると南口にも商店街があることがわかる。こちら側の商店街もそれなりに賑わってはいるが、どちらの商店街もさほどゆかないうちにフェードアウトしてしまう

 

かつては南口の駅前付近に、バラック建築が蝟集していたディープエリアも存在していたが、僕が中高生の頃、徹底的な区画整理が行われてしまい今やその痕跡すら残っていない

 

 

しかし、北口の線路に面した「島」のような区画には、バラックとまではゆかないが、戦後のどさくさ紛れに出来上がったような一角が残されている

 

ずいぶん前に荻窪ラーメンというのがブームになったが、その荻窪ラーメンを代表する有名店「春木屋」のある一角である

 

 

 

 

 

 

 

 

天沼八幡通りから青梅街道をわたると片側アーケードになった商店街が目に入る。ここが「春木屋」のある「島」エリアだ

 

青梅街道に面した片側アーケードの部分には、有名ラーメン屋をはじめとして並んでいるのは、ごく普通の雰囲気の店ではあるが、中央線の線路に面したほうにすすむと怪しい路地の入り口が……

 

 

 

 

 

 

 

 

--って、あれっ。なんかテープで封鎖されてるんだけど

 

以前見かけたことがある殺人事件の現場には、刑事ドラマでお馴染みの「keep out 警視庁」と記された黄色いテープが張り巡らされていたが、こちらは黄色いテープではなく赤いテープである

 

「なんだ、なんだ」と近くまで行ってみると、どうやら先日火事があったようで、まだ崩落する危険な状態の建物があるから通行止めになっているようだ

 

 

なるほど、警視庁は黄色いテープだから消防庁は赤いテープで差別化を図ったわけだ。と、妙に納得する

 

気を取り直して路地の入り口から、ぐるっと「島」を回って中央線の線路方面にゆくと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ニンニクの効いた脂ギトギトのラーメンが名物の有名店「ラーメン十八番」が目に入る

 

この店はいつも行列が出来ている印象で、今まで入ったことがないが、珍しくこの日は誰も並んでいなかった。あっ、食べられるチャンス。と、一瞬考えたが、先ほど夕食を摂ったばかりで断念する

 

 

しかし、有名ラーメン屋よりも気になるのは、その隣にある「レコード買入」と大きく記された「record 月光堂」であろう

 

DJ関係ならともかく、今どきこういったオールドスクールな中古レコード屋というのは、なかなか見かけない。こうした店が生き残っているあたりがさすが中央線である

 

 

 

 

 

 

 

 

その先に路地裏に入れる場所があったので、ちょっと入ってみたが夜だと光線が足りず撮影が困難なので諦める

 

ぐるっと「島」を回りこんで荻窪駅前のバスロータリーまで移動

 

 

 

 

 

 

 

 

すると、このロータリーを撮影している僕の立ち位置から、斜め後ろを振り向くと目に入るのが

 

 

 

 

 

 

 

 

牛丼の「松屋」、写真ではフレームアウトしているが、松屋の左隣には唐揚げ屋があるという、いかにも平凡極まる駅前の風景だが……

 

松屋の看板の右手に、ほぼ同じ高さで同じ黄色い看板が出ていることに気がつくと思う

 

 

その看板には「荻窪北口駅前通商店街」という文字が確認できる

 

 

 

 

 

 

 

 

それがディープな昭和ゾーン「荻窪北口駅前通商店街」というアーケード商店街である

 

考えてみると中央線沿線の駅前は、中野、高円寺、阿佐ヶ谷、荻窪、西荻窪、吉祥寺まで6駅連続して駅前アーケード商店街があるのだから、中央線沿線自体が、かなりディープな路線と言えるだろう

 

 

そのアーケードのなかで地味なほうの筆頭は西荻窪と、この荻窪のアーケードで決まりだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地味といっても、さすがに東京の動脈ともいえる中央線沿線なので、廃業した店舗が並んでいるシャッター街ではなく、メジャーに対してのマイナーといった意味合いでの「地味さ」である

 

しかし、そんな地味なアーケード内にも、なんとなく目を惹くこんな物件が

 

 

 

 

 

 

 

 

入り口の自動ドアのガラスには「馬頭針灸治療院」との文字が確認できるので針灸治療院にはちがいないけれど、建物の外観はどう見てもスペイン料理とか地中海バルが相応しいデザインだ

 

これが最初から針灸治療院ならば2階のバルコニーのわざとらしい植栽や、ファサードの古代ローマ遺跡にありそうな太陽の図柄は必然性がなく、おそらくそういった店を居抜きで治療院にしたのだろう

 

 

ところがこの治療院と同じ並びには、これをはるかに上回るスーパーインパクトな物件が存在している

 

 

 

 

 

 

 

 

それがこの「邪宗門」という喫茶店である

 

この店は元々マジシャンだった創業者(この店のではなく)が国立でやっていた店から暖簾分けされた店で、通常ならチェーンとかフランチャイズということになるのだが、そうではなく友人繋がりで技術を伝えて暖簾分けした店だそうだ

 

開業したのが昭和30年というから、まだ荻窪駅前が最初の再開発される以前のことで、バスロータリーのかわりにバラック商店街があった頃だ

 

 

「邪宗門」は、友人繋がりで日本各地に同じ屋号の店があったが現存しているのは、都内では荻窪と世田谷(下北沢)のみで、あとは下田と高岡に店があるようだ

 

現オーナーは高齢ではあるが後継者はすでに決まっているようで、この店がいきなりなくなることはなさそうである

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以前、写真家の田中長徳氏が、ここの狭い2階で飲むコーヒーが素晴らしい

 

といった内容の記事を書かれていたのを読んで、一度は入ってみなければ。と、思いつつ何となく敷居が高くていまだに入ったことはない

 


ということで、前後編終わったので次回は鎌倉の散策に戻っ……らないで、もう1回荻窪! 内容は……ヒ・ミ・ツ

 

 

 

 

 

 

 

†PIAS†

 

 

 

 

 

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