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🍱 渋谷駅周辺に唯一残った銅板葺き看板建築を見る 

 

 

 

 

 

鎌倉の散策シリーズが一段落ついたので、恒例の単発記事をお届けしよう。といっても今回はコーディネートや食べ物がメインではない単発の散策記事である

 

今回のテーマはタイトルを見ていただくとわかるように、渋谷駅のすぐ近くに銅板葺き看板建築が残っているので、それを見にゆくというそれだけの記事である

 

 

じつはこの物件が残っていることは、現在ほど古民家に傾倒していなかった二十歳すぎぐらいから知っていた

 

何故かというとその物件のある場所からほど近いところには、昔、池波正太郎も通っていた長崎チャンポンの名店「長崎」があり何度も通っていたからだ

 

 

しかし、変転著しい大都会の渋谷だけあって、その看板建築以外はとくに見るべきものはなく、また散策と絡めようにもあまり散策するようなネタもないため、いつか取材しなければ……

 

と、思いつつ棚上げしたままであった

 

 

では何故今回いきなり訪ねることになったかというと、そう、いつものその場の思いつき、つまり気まぐれである

 

 

 

 

 

 

 

 

その日は地下鉄千代田線直通の小田急線に乗り「明治神宮前〈原宿〉」駅を降りて原宿の古着屋、リサイクルショップを回っていた

 

もちろん、以前記したように古着禁止令が出ているので、よほどの「ブツ」に出合わなければ購入しない前提なので、あくまでも多くの古着を見て見識を深めるのが目的である

 

 

原宿でチェックする店舗はさほど多くないのでさっさと見終え、キャットストリート周辺に点在している古着屋を冷やかしながら渋谷駅に向かった

 

まあ、この界隈にある古着屋は基本的に値付けが高いので、仮にスペシャルな古着に出合っても購入する予算などは逆さに振っても出てこないが

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キャットストリートは宮下パークのところで明治通りに合流しているので、そのまま渋谷駅に向かう

 

長年続いていた工事はまだ終わっておらず、JR渋谷駅のホームの位置が変わったりして非常にややこしいが、駅よりも先に鬱陶しいこと甚だしい高層ビルは完成し、出来損ないのSF映画のような安っぽい風景になっていた

 

 

まだ東急109と西武のPARCOが仁義なき戦いを繰り広げていた僕が中学生の頃の渋谷は、とても刺激的でわくわくするような町であった

 

 

109の裏手にあるビルはプライムになる前は緑屋デパートで、その横の路地に入った百軒店の階段の途中には、SHIPSの前身のミウラ&サンズの店の跡が残っており、やがて百軒店の入り口にSHIPSが出来たが、いつの間にか風俗店に変わっていた

 

緑屋の真裏には行き止まりの路地があった。その奥に2軒の洋品店がありBEAMSだと1万円以上したOSHKOSHのペインターパンツが、7800円で売っていたり、DeeCeeのウェスタンシャツなんかも売っていた

 

 

忘れもしない中3の夏。百軒店にあった古着屋シカゴ渋谷店の店頭ワゴンセールを掘っていたら、リーバイス551ZXXを3900円で発見したこともあった。今買うともれなく百倍の値段である 

 

 

ところが1990年代のあの悪夢のような渋カジブームを契機に大挙して田舎者が集まるようになってしまい、渋谷は作り物のようなどうでもいい街に変わり、乗り換えで通過するだけの駅に成り下がってしまった

 

 

 

 

 

 

 

 

再開発された東急渋谷駅の付近には、なるべく近づかないようにしていたが、そこを通過するのが看板建築のある場所に行く最短ルートなので、嫌いや通過する

 

それにしても、いったいどこからこんな大勢のひとが湧いて来るのだろう。通行人が途切れる隙間などは一瞬たりともなく、少しでいいから埼玉や千葉の寂れた町に回してほしいものだ

 

 

などと、どうでもいいことを考えていたら、耐えがたい空腹感に襲われた。それもそのはずこの日は朝、職場で朝食を食べたきりである

 

しかし、渋谷で飲食店に入るのは鬼門に近く、たいして美味くもない店でも混雑していたり行列が出来ていたりする

 

 

幸い恵比寿方面に向かうと多少はマシになるので、何かテキトーな店を見つけて夕食を摂ろう……

 

 

 

 

 

 

 

 

と、思って何気なく渋谷川を見ると、どういうわけだかレーザー光線で攻撃された。あっ、これと同じ攻撃は横浜ハッテン場の映画館の近くでも受けたことがあるぞ

 

レーザー光線に殺られたくないので明治通り方面の路地のほうに曲がると……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

かなり気に入っているカレーの「日乃屋」があったので、渡りに船と飛びこみ久しぶりにメンチカツカレーを食べた

 

この店のニンニク入り揚げ玉は、なかなかのナイス薬味である

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日乃屋の先で明治通りをわたり青山学院大学方面に向かう路地に入ると、かつては鬱蒼と樹木が繁っていたような薄暗い場所に出る

 

まあ、といってもその周囲はビルばかり並んでいるのだが

 

 

 

 

 

 

 

 

薄暗い坂道を途中で曲がり金王八幡宮の鳥居をくぐる

 

普通ならこういった神社の参道には土産物屋とか団子屋のような店があったりするものだが、ここは再開発著しい渋谷なので、もちろんそんなものはどこにもなく鳥居の真横にあるのもオフィスビルだ

 

 

どころか、鳥居をくぐり表通りに出たとたんに……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

銅板葺き看板建築が残っているのだ!

 

渋谷には僕がブログをはじめた頃までは道玄坂を登った左手に、戦前物件の看板建築がズラリと並んでいたのだが、いざ取材に出かけるとタッチの差で跡形もなく解体されていて怒りに震えたことがある

 

 

この物件がそうなってしまうのも時間の問題だと思われるため、こうして無事な姿を見ることができてホッとした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うーん、素晴らしい。渋谷区にはまだ他にも銅板葺き看板建築が残っていたと思うが、渋谷駅から至近距離のこの場所に残っているのは奇跡と言っても過言ではないだろう

 

ところでこの看板建築、気まぐれで急遽取材したのでシャッターが閉まっているが、じつは……

 

 

 

 

 

 

 

 

「魚玉」という仕出し弁当が有名な現役の魚屋で、Googleマップが間違いでなければ今も絶賛営業中なはずだ

 

最新のストリートビューにもしっかりと営業中の姿が写っており、タップすると口コミでメニューや評判を知ることができる

 

 

 

 

 

 

 

 

これだけ貴重な物件にも関わらずこの建物は、とくに有形文化財などには指定されておらず、なんとか文化村とか、博物館、資料館などのハコ物は造るくせに、はからずとも渋谷区の文化程度が低いことを如実に示している

 

 

ということで、またしても突発的に思いついたネタをアドリブで記事にしてしまったが、次回もまた単発記事の予定である

 

 

 

 

 

 

 

†PIAS†

 

 

 

 

 

 

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