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🍜 5の55番街の終焉を見て「えん寺」のつけ麺を食す
さて、予告どおり今回はDEEPな物件を見にゆく、ただそれだけの記事である
その物件は中野の九龍城と呼ばれているそうで6、7年ほど前に一度ブログ記事にて紹介しているが、元々、老朽化が進行していたが、オーナーが代わったので取り壊しが決まりテナントが追い出され封鎖された
--という情報をインスタで見かけたので取り壊されてしまう前に、もう一度その勇姿を記憶と記録にとどめるため今回の訪問を決めた
中野ブロードウェイが「まんだらけ」を筆頭に、今でこそヲタクの聖地と化しているが、あのビルは僕が高校生の頃には、マニアックなアメカジ屋とか昔懐かしい洋食屋(帝国という店)や、やたらとモータースポーツ関係のグッズが置いてあった喫茶店などがある、どちらかというと渋いビルであった
アーケード商店街にも個人輸入のアメカジ屋がありパウエル・ペラルタの服が置いてあったが、日本における知名度はゼロに近く、売れ残ってワゴンセールにかけられて半額ぐらいで投げ売りされていた
金のなかった高校生の僕は喜んで買っていたが、まさか後に10倍以上のプレミアがつくなど思ってもみなかった
中野の繁華街は、この駅前から続くアーケード商店街とその突き当たりにある中野ブロードウェイに集約されているが、その東側の狭い路地には飲食街があり、いつも賑わっている
アーケード商店街と平行するように続くその飲食街から、路地裏に入ると……
古い建物が密集するこんな場所に出る。ここはL字に曲がった裏路地で……
こちらは路地のなかから入って来た横道を撮影したもの
そして、こちらが路地を見たところ
ご覧のように並んでいるのはほぼ飲み屋で、L字になった路地の突き当たりの手前には「中野新仲見世商店街」というアーチは出ているが、いわゆる商店などはほとんど見当たらない
おそらく昔は商店街らしい店があったのだろうけれど、現在はほとんどが飲食店である
そして、L字になった突き当たりに見えているのが今回の目的地である
昭和な雰囲気の路地裏には似つかわしくない、黄色いハニカム構造のフレームのようなものと、その未来的なデザインとは対照的にレトロな雰囲気の看板……
それがこの1970年代に考えられた未来的な建物「5の55番街」である
こちらは中野ブロードウェイが竣工された翌年の1971年に建造された「ワールド会館」というのが正式なビル名のようだ
よく見ると「HOTEL ワールド」という袖看板が残っているが、ホテルの営業は僕が見た6年前にはすでにしておらずビルの1、2階に飲み屋がテナントで入っている状態であった
封鎖された現在も飲み屋の看板は残されており、それを見ると「アニソン カラオケバー Z」「アニメコスプレカフェ ハニスタ」などのヲタクの聖地らしくそっち関係の店と「スナック 舞」「スナック とも」「謎めいたナイト」などの普通(?)の飲み屋が混在していたようだ
そのなかに「坊主」という飲み屋の名前が確認できるが、現役の僧侶が経営するバーのようだ南無阿弥陀仏
それにしても、たまに中野ブロードウェイを覗くと本当にヲタク関係の店ばかりで驚くが、僕が頻繁に訪れていた頃は、ようやく「まんだらけ」が出来たばかりであったが、その当時はとくにヲタクな雰囲気ではなく、むしろ昭和な雰囲気が濃厚で、その頃の中野がいちばんおもしろかった気がする
このヲタク化の元凶となった「まんだらけ」には思い出がある
まだ二十代だった僕は仕事を辞めて、とにかく金に困っていた。そのときふと思い出したのが、押し入れの奥にしまったままになっていた小学生の頃、古本屋を回って集めていた昔のマンガやそっち関係のグッズである
とりあえずそれを紙袋ふたつに詰めて「まんだらけ」に売りに行った
「まんだらけ」には査定専門の店員がいて、最初は僕が持ち込んだ物を冷静に査定していたが、小松崎茂イラストの「サンダーバード」のソノシート付き紙芝居未開封デッドストックが出たとたんに「おおっ」と、声が出て目付きが鋭くなった
そのあと、さいとう・たかをの「超人バロム・ワン」初版、松本零士「宇宙戦艦ヤマト」初版、シルバー仮面フィギュア袋入り未開封デッドストックなど、次々とヤバい物が出てきたので、とうとう内線で社長を呼んで最後は社長が直接査定したが、ふたりで紙袋から物を出すたびに「スゲエ」などと声を出していた
結局、その紙袋ふたつは、軽くひと月遊んで暮らせる金額になり、後ろに並んだ査定待ちの人びとの羨望の眼差しを浴びた
という話はともかく、腹が減ったのでちょっと遅い昼飯を食べることにした。向かったのは……
東高円寺に本店がある元祖ベジポタつけ麺「えん寺」である
この店は十年ぐらい前に当時、仲良くしていた古着屋に教えてもらった店で、今では吉祥寺と中野に支店を構えるまでになった
店の冠にあるように、野菜を煮込んでほとんどゲル化してポタージュ状になったスープなので「ベジポタ」というわけだ
今でこそ多くのフォロワーが出来たため、さほどインパクトはないが当時は濃厚といっても、せいぜい「つけ麺 TETSU」のダブルスープ程度が主流だったので、この液体とは言いがたいドロドロスープには衝撃を受けたものだ
注文はいつもノーマルのトッピングなし。僕にはこれが量的にもいちばんマッチする。二種類選べる麺は胚芽麺の一択である
何せつけ汁がドロドロすぎるので途中で足りなくなるかと危惧するが、いつもわずかに余るため、卓上の割りスープで薄めてつけ汁も美味しくいただいた
ということで、次回こそ鎌倉の散策記事に戻る予定だ
†PIAS†
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