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🐮 夜勤明けに大晦日の谷根千を独り彷徨する
地下鉄千代田線の根岸駅を出て、不忍通りと平行している一本裏の路地裏に入ると多くの戦前物件が残っているが、今回、数年振りに訪れてみたら記憶にあった建物があちこちで消滅していた
なかでもこの路地裏のランドマークであった「あんぱちや」が跡形もなくなっていたことにショックを受ける
「あんぱちや」は滝野川にここ谷中と、マニアックな場所ばかりに支店を設けているのが不可解な店であったが、どうやら廃業してしまったようで残念だ
路地はやがて根津神社の表参道とでもいうべき道に出るが、その通りにあった銅板葺き看板建築の無事を確認して胸を撫で下ろす
看板建築とは反対側の路地にある「◯ヒ」の看板が気になって撮影する「◯ヒ」とは「㊙️」ということだろうか?
バッチリ撮影できたつもりになっていたが、帰宅後に撮影した写真を見ると微妙に手ブレしていた。シャッター速度は1/2秒であった
根津神社の表参道とでもいう商店街は、さすがに東京の中心部、それもオフィスばかりの千代田区などとは異なり、古くからの住宅街を擁するので地方のように廃業した店舗ばかりではなく、現在も営業している店が少なくない
しかし、数年前に訪れたときと比較すると古い建物は確実に減少しており、また、目障りな新しい建物も目についた
大晦日だから、やっている店は皆無かと思いきやこちらの戦前物件と思われる三軒長屋は、両端の店に明かりが灯っていた
パッと見の印象だと向かって右側がコジャレたカフェ、左側はパティスリーだろうか?
気になったのでGoogleマップを見るが、隣の建物のリサイクルショップは記載があるのに、こちらは明らかに現役なのに一切の記載はなく、そのかわり「old town house」という建物の名称の記載があった
わざわざ横文字表記にしているということは、はじめからこのような古民家リノベーションの店を対象としたテナント募集をかけたのだろうか? いつも僕が歩いている埼玉や千葉の町では成立しないビジネス形態であろう
かと思えば現役かどうかは別にして「牛豚卸 越の屋商店」などという渋い戦後型の看板建築などもあり、やはり谷根千はどこをとっても楽しめる金太郎飴のような町だ
「牛豚卸 越の屋商店」のすぐ先で不忍通りを越えると根津神社の表参道で、その細い路地にはこのあたりの特選物件とでも呼ぶべき素晴らしい建物が残っている
--のであるが
やはり大晦日に開いている店などはなく、しかも先ほどまでいた不忍通りの向こう側とは異なり、現役の商家は少ないおかげで予想を上回る薄暗さ
シャッター速度が2/1秒より上がらず手ブレ写真の大量生産という情けなさ。かろうじて写っていた上の3枚の写真も、あらためて見るまでもなくブレブレ写真である
ブレブレになった「竹田表具店」の向かい側は皮肉なことに、隣の建物が取り壊されて長年放置されてコインパーキングにされたおかげで、表具店より光源に恵まれシャッター速度は3/1秒
このシャッター速度だとブレないことから、現状、0.3~0.5秒ぐらいのシャッター速度がブラインドで撮影した場合の僕のアベレージのようだ
これではいかん。かつてGRをメイン機材として使用していた頃は、夜の町並みの撮影にハマっていたため、手持ち1秒もブレずに撮影できていたはずだ
やはりヌルい環境は確実に腕前を鈍らせてしまうようで、今後はもう少し気合いを入れて撮影しようと反省しきりである
その先にあった3本飛び出た梁が魅力的な廃業しているような出桁造り商家は、住居としては現役のようで入り口から漏れてくる屋内の明かりが、妙にノスタルジーを掻き立てる
その並びにある「杉本染物舗」という激渋の染物屋は構えからすると現役だろうか?
この先には根津教会などの特選物件もあるが、そこはさらに路地裏のため、おそらくシャッター速度は1秒ぐらいになるものと予想され、撮影は諦めて蛇道のほうに向かうことにした
といっても蛇道は川跡の道というだけで、とくに店舗などはないので真っ暗であることが想定されるのだが……
続く
†PIAS†
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