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⛪ 《年間ベストショット2023年》12月・鎌倉編
現在、僕の勤務している職場は、この1年ほぼ人員が一名足りていない状態で無理やり回しているため、なかなか思ったように休みが取れない状況である
おかげで年末年始は仕事をした記憶しか残っておらず、元旦も出勤していたので正月だという実感はゼロだ。したがって、そこいらのブログのような新年の挨拶などをしても実感が伴わず絵空事の挨拶になるので省略した
ところで《年間ベストショット》最終回は、連載がはじまったとたんに、このシリーズに突入してしまったため中断していた鎌倉編である
つまり今回は、もうとっくに忘れているものと考えられる鎌倉散策の「おさらい」記事でもあり、次の予告編にもなっているわけだ
鎌倉といえば神奈川県でも随一の観光地のひとつである。したがって、そういった場所が大嫌いな僕は避けて通ってきたと言ってよいだろう
しかし、健康診断のついでに無計画に北鎌倉の町を散策してみると、これがなかなか魅力的な町であった
あまり大きな町ではない北鎌倉ですらこれだけ見所があったということは、食わず嫌いで避けてきた鎌倉も、楽しいのではないか?
そう考えるのは自然な流れで、鎌倉の散策が決定した。といっても、観光地というか、観光客が好んで訪れる場所はすべてスルー。普通の鎌倉散策のブログでは決して訪れることのない地元民のための鎌倉を求めて鎌倉に向かった
鎌倉駅に到着すると、当然のように観光客の向かう小町通りと鶴岡八幡宮とは反対の方向に向かう。まず最初は海辺に近い材木座の町から見るつもりだ
すると意外なことに、観光地のエリア内にも「丸七商店街」という、僕の大好物のマーケット形式の商店街が、そのすぐ近くには戦後のバラックを想起させる「鎌倉中央食品市場」いぶし銀の物件があり期待が高まる
この「鎌倉中央食品市場」は、横浜にお住まいのブロ友さんが訪れていたので、一度見てみたかったが、まさかこんな駅の至近にあるとは思わず「鎌倉は侮りがたし」という思いを強くした
すっかり再開発されて面白味の欠片もないと最初からナメていた表参道の若宮大路には思ったとおり「日本基督教壇鎌倉教会堂」の見事な礼拝堂ぐらいしか見所はなかった
しかし、そこから由比ヶ浜方面に曲がったところには、ハーフティンバーが美しい篠田邸があった。ところが……
こちらの物件、せっかく有形文化財に指定されているのに、鎌倉市はきちんと管理していないのか、放置されて植栽は伸び放題。庭にも雑草が繁茂しており、よく見ることができなかった
篠田邸から柏尾川に架かる橋をわたっていると鎌倉名物のママチャリサーファーが通り過ぎていった
湘南方面の海沿いの町では、これはとくに珍しい光景ではなく腰越を散策したときは、まるで中学校の下校風景のごとく次々とママチャリサーファーが通過してゆく光景を見かけた
なかにはウェットスーツの上をはだけて腰に巻いてビキニ姿で海に向かう若い女性などもおり、老後はいずれ湘南かな。なんて妄想が湧いたが、よく考えると湘南には渓流がなく、海でしかフライフィッシングができないからイヤだな……
などと、どうでもいいことを考えていたら材木座の町に入った
材木座には海沿いのほうに戦前から続く町並みが残っているので、当初の計画では海方面に向かうつもりだったのに、それとは正反対の方向を見ると……
こんな素敵なアイテムが目に飛びこんで来てしまい、当初の計画は跡形もなく脳裏から消し飛び「貝殻堂」という、なんとも不思議な形状の建物に向かった
木造平屋建て妻入切妻の建物の上には後から無理やり乗っけたような屋根裏部屋のようなものがあり、それがこの建物の得難い魅力になっている
屋根裏部屋部分には窓がひとつもなく、いったいどのような目的で造られたのか、興味が尽きない物件である
「貝殻堂」のすぐ脇には、暗渠の脇に古い橋の欄干が残されており、これもまた建物と相俟って独特の風景になっていた
ちなみに道路を挟んだ反対側は、暗渠ではなく開渠になっており意外ときれいな水が流れていた
「貝殻堂」のあった道は、どうやら以前はけっこう賑やかな町ではないかと思われる雰囲気が残っていたので、当初向かう予定だった「海沿いに向かう」という予定は、キレイさっぱり脳裏から消え失せ直感的に内陸部に向かう
すると、いくらも行かないうちに、すっかり住居仕様に改装された出桁造り商家を見つけた
先ほどの「貝殻堂」もかなり古い建物だったし、どうやらこの町は古くから栄えていた商店街だった。という僕の直感は正しかったようである
寂れていた町ならば、こんな立派な商家があるわけがないからだ
その少し先の向かい側には現役で営業している一目で老舗とわかる鮮魚店があった。昔はどこの町にもあったような懐かしい佇まいにしばし見とれる
茅葺き古民家を縮小したような寄棟屋根の主屋に平屋建て看板建築を合体させた物件は、店舗の部分をガランドウにして駐車場にするという、冬東京の下町でよく見かける改装が為されていた
風景が横に広い鎌倉だから天を突くような松の樹がやけに目立つと思ったら、こじんまりとした平屋建て住宅の狭い庭の植樹で驚いた
その並びにも2棟の平屋建て古民家があり、どちらもコジャレた店にリノベーションされていた
このあともやたらと平屋建て住宅を見たので、どうやら鎌倉は平屋というのが主流だったようだ
またしてもママチャリサーファーを見かけた。今度は妙齢の女性である
湘南新宿ラインの踏切の手前に曲尺手状になった場所があり、角の脇に出桁造り商家があった
こちらも廃業して住居仕様にされていたが、これでこの通りはかつて賑やかな商店街だったという想像は確信に変わった
踏切を越えるとその突き当たりに木造二階建て平入切妻の武州スタイルの看板建築があった。惣菜が美味そうな現役の精肉店である
残念ながらサイディングボード仕上げに改装されてしまっているけれど、これを剥がせば下見板張りが出てくるのではなかろうか
精肉店の斜め向かい側にあった元薬局の地味な看板建築のガレージが異界へのトンネルのようにされており、その奥には古民家をリノベーションしたヴィーガン料理の店があった
その並びにもおもむきのある平屋建ての現役の畳屋があり、現役で営業を続けていた。この通り(大町大路)は、先ほどの細い道とは異なり現在も商店街の体裁を保っていた
しかし、やはり流行っているとは言えず現役の老舗やリノベーションされた建物もあるが、廃業して放置されているような建物も目立つ
こちらは名店と言われているパン屋「日進堂」。じつは材木座の支店の前もとおったのに、名物のカレーパンを買わなかったことを軽く後悔しているので、次に前をとおったら必ず買うぞと決意している
日進堂から少し先の十字路には「大町四ツ角」という、そのものズバリの名前が付けられていた
角地には昭和初期に創業された老舗の和菓子屋があり、どら焼が名物と知って、買わなかったことを軽く後悔しているので……(以下省略)
大町四ツ角は、南側が下り坂になっている。というのは、材木座に入ったとき最初に見かけた逆川が下を流れているからだ。その坂を下ったところにも
昭和中期といった雰囲気の廃業した商家があった。残されたペプシの看板から、おそらく食品雑貨、もしくは駄菓子屋のような店だったのではないだろうか?
と、ここまでが中断していた鎌倉散策の「↑ 今ココ」というやつだ
中断しているあいだに少しネタがたまってしまったから、それを消化したあと鎌倉編を再開する予定である
†PIAS†
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